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−>>2012/10/06/(Sat) +2 プリンタ。
- 7月に Z7J魔改造のNぐちさんのご令嬢が通われているダンス教室の発表会の記録撮影をしたと先日記したが、それが漸く編集が終わり、DVD化もして、パッケージ封入して納品できた。
今回は、完パケ尺が6時間。
DVDの枚数にして4枚に分かれた。
お昼の部で2枚1組、夜の部で2枚1組の合計4枚組みである。
ダンス教室の先生から納品数の連絡があり、合計セット数およそ110セットを作ることに。
DVD枚数は総計220枚に及んだ。
DVDはデジタルコピーガードを入れて欲しいという先生からの要望がある為、デュプリケート作業を含めて専門業者に出しているのだが、レーベル印刷はいつも通り我が家で一枚一枚行った。
我が家には、Canon PIXUS iP8600 が2台あり、その2台を使ってレーベル印刷を行っている。
しかし、今回の作業途中で iP8600 の1号機が非常に不調となった。
大凡だが30回に1回ぐらいの割合で、マゼンタのヘッド目詰まりが起こるようになった。
この頻度は“頻繁”といってもいい度合いだろう。
クリーニングを掛ければ直ぐに改善するのだが、また30枚程度で前触れも無く目詰まりを起こす。
プリンタヘッドは昨年の秋に買い換えたばかり………。
とにかく分かっている事実としては「マゼンタヘッドが、もうダメだ…」と言うことだった。
何よりも苦々しいのは、前触れ無くダメになるために、そのタイミングに当たったDVD-Rは印刷不良として検品で弾かざるを得ない。
デュプリケート業者の一枚250円ほどするウォーターシールドレーベルを採用しているので、1枚欠けるだけでも痛い。
勿論、最初の発注時に多めに枚数を申し込んであるので、数枚の脱落は納品には影響しないが、ダンス教室側から予想以上に追加発注が来た場合は賄いきれない状態になる。
とりあえず、初期納品分は十分に賄えたので無事に納品した。
(※なお、DVDのパッケージ印刷はオフセット印刷のため、プリンタ問題は影響ない)
さて、iP8600 1号機がダメになっている事実を鑑みて、対策を考えねばならない。
1つの選択肢は、もう一度プリンタヘッドだけを買い換えるという方法だ。
しかし、iP8600のプリンタヘッドは既にメーカ在庫に無く、市場に出回った一部の業者や個人がストックしている分しか現存してない。
そして、現在の販売価格は 1万5千円以上する。
私は、プリンタと言えば3〜6万する機材だと思っており、昨今の家庭用プリンタ市場の価格帯というのを顧みた事も無かったのだが、今や1万5千円も出せば複合プリンタのエントリー〜ミドルクラスのモデルが買えてしまうという、とても一昔前では考えられない状態になっている。
そんな中で、プリンタヘッドだけに1万5千円を出すというのは、些かならずも足踏みしてしまう…。
また、別のプリンタの話題になるが、少し前から我が家のモノクロレーザープリンタの“brother HL-5240”も不良が出て、事実上使用できない状態になっていた。
給紙が上手く出来なくなり、相方からレーザプリンタの買い換えをこの数ヶ月間申請されていた。
「うむ、ではこの機会にインクジェットプリンタとモノクロレーザプリンタを更新しよう」と思い立ち、思い立った足でヨドバシカメラに出掛けて、プリンタを2つ買うという、もう一つの選択肢を選ぶことにした。
10月4日の事である。
相方と夕方、ヨドバシカメラまで出掛けてプリンタ売り場へ。
まずはモノクロレーザープリンタを検討。
嘗て HL-5240 は、相方が描くマンガ原稿の“版下”を出力するために、それなりの性能の物を要求された。
つまり、パソコンで書いた原稿をプリントアウトして、それを印刷所に出すのだから、プリントアウトした物がマスター画質になるわけだ。
だから、高画質のプリンタを求められたのである。
しかし、今やどの印刷所もデジタル入稿だ。
チェック用に原稿をプリントアウトすることはあるが、それがマスターになる事はもう無くなった。
その為、それほどの高画質は求める必要がなくなったのだ。
5分ほどレーザープリンタコーナーで悩んで、結局“brother HL-2270DW”を購入することにした。
購入の決め手は、小型でシンプルである事。
以前の HL-5240よりも背が低くなり、全体的に小型化した。
モノクロの原稿を出力する以上の事は求めないためシンプルな物で良かった。
次に選択が難しいインクジェットプリンタだ。
家庭用市場は今や複合プリンタのラインナップで、売り場を賑わせている。
しかも、安いのだ!
単機能プリンタなど見る影も無い……。
この際であるので、複合機でも良いのではないか?と思い、複合機数機種を一所懸命選定する。
この日、10月4日はたまたま Canon がプリンタの新ラインナップを発売した日で、ヨドバシカメラの売り場にも新製品がずらりと並べられていた。
今期の最上位モデルは、PIXUS MG6330 だ。
プリンタ表面からボタン類を無くし、液晶画面と、必要なキーだけが光って現れ、次の操作をナビゲートする「インテリジェントタッチシステム」を売りとした、シンプルなデザインをした筐体だ。
性能的には、PIXUS MG6330 でも問題なかったのだが購入欲が沸かない。
………デザインが格好悪いのだ。
相方曰く「お弁当箱」。
まさにそんな感じ。
シンプルデザインを追究すると「ただの箱」になるのだろうけれど、なんとも『プリンタの風格』を感じさせない。
他にも、前期モデルの複合機などを物色するも、今ひとつピンと来なかった…。
そんな中、複合機に埋もれるようにして、ひっそりと展示されていたのが、単機能プリンタである“Canon PIXUS iP7230”だ。
この PIXUS iP7230、実は 10月4日発売の新機種にして、今期唯一の単機能プリンタの新製品だった。
何気なく量販店に足を運んだその日に、Canon のプリンタラインナップが刷新されたのは幸運というか、巡り合わせである。
単機能プリンタ………。
なんとシンプルで美しい。
それに比べて複合機は…………なんで複合しちゃうんだよ!?
スキャニングはスキャナでしろよ!?
デジカメ印刷は、写真出力専用プリンタで高画質に決めろよ!?
コピー?? コピーは近所のコンビニ行けよ!?
大体、一台に全ての機能をまとめてしまったら、機材が減っちゃうし、ケーブルの本数まで減ってしまう………。
あぁ…ダメだ、ケーブルの数が減るなんて、恐ろしくて複合機には手が出せない!
ということで、美しく単機能な iP7230 を買うことにした。
レーザープリンタの HL-2270DW とインクジェットプリンタの iP7230 の商品タグをレジに持参して、配送手続きをして、購入完了。
2日後の今日6日に、無事にプリンタ2機種が届いた。
早速、旧プリンタと入れ替え作業。
両機種共に WiFi対応機種なのだが、ネットワーク接続設定でセットアップすると、プリンタの機能である「自動電源オフ」が動作しなくなると言うトレードオフがあったために、USBによる有線接続にてセットアップ。
従来通り、ホームメディアサーバの“Meixin”をプリンタサーバにして、そこに家中のPCからクライアント接続するという方式を踏襲した。
iP7230 のインク数は5色。
うち1色は顔料インクとなり、残りは染料インク。
カラーは、CMYの3色だけだ。
iP8600は、8色インク……黒を除いても7色インクを採用というハイエンド機だったので、たった3色というのは非常に心許ない。
しかし、印刷物の理屈上はこの3色ですべてを表現できるはずだ。
インク噴射時の1滴あたりの量は、1pl。iP8600が2plだったので、精細さは増す。
試しに、写真仕上げ用のL判用紙にプリントアウトしてみたが、発色も解像度も問題ない。
DVD-Rレーベル面への印刷であれば、十分以上の品質だ。
ただ、iP8600とは大分発色が異なっているので、今後カラープロファイルなどの調整でキャリブレート可能なのか探っていく必要はある。
モノクロレーザープリンタ“brother HL-2270DW”も、無事にセットアップ完了。
まだ文字データぐらいしかプリントアウトしていないが、安定した動作が期待できそうである。
デカイ印象のあった HL-5240 と比べると、8cmほど背が低くなり、プリンタを置いている棚の雰囲気もスッキリした。
小型化した物の、手差し/カセットの2Way給紙、正面/背面の2Way排紙といった基本的なスペックはしっかりと押さえているので、機能的に不足は無い。
2台同時にプリンタを入れ替えたことで、我が家のプリンタ棚も顔ぶれが大分変わってきた。
プリンタの台数は、他の家より少し多いかも知れないが、それぞれ一台一台の機能や性能が違うために、役割も違ってくる。
これは、複合機にしたところで補いきれない。
今後、iP8600 の2号機も寿命を迎えるときがやって来る。
家庭用クラスのプリンタは、iP8600以降はフラグシップ機不在とも言える状態が続いている。
同様に他社を見ても、絶対的最上位機種という製品は存在しない。
寂しい話ではあるが、市場は既にフラグシップクラスを求めていないと言うことだろう。
だが、そういった現在において、現行各製品が一定の評価を得ていると言うことは、iP8600のような機種の重厚長大さがなくても、十分な品質をアウトプットすることが出来るという事なのかも知れない。
私自身、多色インク幻想を捨て、高機能化が進むことでより便利に、より美しくなっていくプリンタの現在を直視し直す必要があると思う。
※本日の、推奨物欲。
−>>2012/10/08/(Mon) マルタ共和国。
- 皆様、こんばんは。
只今、私は地中海の島国“マルタ共和国”へ、いつもの海外ロケで来ております。
日本時間の7日の夜に関空を出発。
ドバイでトランジットして、途中でキプロスで途中下車客(?)を降ろし、さらに飛んでマルタ共和国へやって参りました。
地図上では、イタリア半島から南西の位置。
シチリアのちょっと下です。
西へ進めば、アフリカ大陸のチュニジアはチュニスの街があります。
大小5つの島からなる国で、総面積は淡路島の2/3程度。
大変小さな国なのですが、人口は40万人を超え、人口密度ではシンガポールに次ぐ、世界第二位の高人口密度国です。(バチカンやモナコを除く)
地中海貿易の中継地として古くから発展してきた国ですが、その要衝さ故に、歴史的にはローマ帝国、トルコ、ノルマン、マルタ騎士団、フランス、イギリスとさまざまな勢力に支配され続けてきた国でもあります。
今日は、お昼下がりにマルタ国際空港に着き、そこから街の様子を見ながら、いくらか街実景を撮って回りました。
夕方には早々に初日のロケを切り上げホテルに向かったのですが、ここで何とホテルがダブルブッキングになっており、我々ロケ隊は急遽別のホテルへ回されました。
これだけ海外ロケをやって来た中でも、実は初めての経験でした。
ま、混乱も無く、スムーズに新しい宿泊先へ入れたので安心しました。
本格的なロケは明日からです。
海が綺麗です!
美しい映像をたくさん撮って帰りたいです!!
−>>2012/10/10/(Wed) 君は GY-HM650 を知っているか?
- この夏は、ビデオカメラメーカ……特に SONY の新製品発表ラッシュで、我々ハイアマチュア層のビデオファンは盛り上がった。
かねてよりアナウンスされていた PMW-200 や、まさかの 1/3インチ COMS採用を採用したXDCAM HD 4:2:2 の PMW-160。
<SONY PMW-160>
Eマウントのレンズ交換式で、ショルダーマウントタイプの NEX-EA50JH。
そして、久々に「SONY 面白い!!」と思わせてれた型破りの NEX-VG900。
<左:NEX-EA50JH / 右:NEX-VG900>
Canon も C500 の正式発表と、C100 という嬉しいエントリー機の登場で、大判イメージャカメラの選択の幅が随分と広がった。
さぁ、どれを買おうかな〜、と迷おうとした時に伏兵も伏兵―― JVC から“GY-HM650”が発表された。
いや、伏兵というのは語弊がある。
既に GY-HM650 は NAB2012 で発表されており、私もその存在は知っていた。
…………が、全く興味ありませんでした! すみません!!m(_ _)m""
<JVC GY-HM650>
正直 、NAB 2012 で展示されていた GY-HM650 を見たときは「マイクがなんかデカイ、デジが出て来たなぁ〜」ぐらいにしか思ってなかった。
詳細なスペックなども、調べようとは思わなかった。
しかし、この9月に正式に国内発表され、その時になって漸くスペックなどを検討してみると………いや!? なんだよこのカメラ!!? 夢、いっぱいじゃないか??
9月12日を境にして、私は GY-HM650 の魅力に取り憑かれてしまい、国内はもとより、国外のサイトを中心に情報収集に明け暮れた。
海外のJVCでは、既にパンフレットPDFも公開されており、それを読み漁り、また NAB2012での GY-HM650を詳細にレビューしたサイトも見つけて、少しでも実機の雰囲気を掴もうと藻掻いていた。
JVC GY-HM650 の基本スペックを攫いながら、その魅力を探っていく。
大きさは、外寸 178×416×198mm(幅×奥行き×高さ)。
これは、SONY でいえば NX5J より少し小さく、V1Jよりは大きいというサイズだ。
レンズは FUJINON製で光学23倍(F1.6-3.0、35mm換算29m〜667mm)。
フォーカス/ズーム/アイリス調整用の独立リング、で、何れもアクチュエータ方式だが、ズームリングは END to END で SONY HVR-Z1J と同じような体裁である。
SONY機は、HVR-Z1J で END to END のズームリングを採用したが、アイリスダイアルは同軸に並ばず、使いにくい位置にアイリスダイアルとして配置された。
その後の、Z5J や NX5J は、3リングが同軸配置となったがズームリングは無限回転する方式になってしまっている。(Z7J や S270J はメカニカルズームリングである)
その他、NDフィルタも、4段階(Clear、1/4、1/16、1/64)というのが嬉しい。
撮像素子は、新開発の220万画素1/3型CMOSセンサー。
驚くべきは、F11(2,000lx)の高感度を実現した点だ。
SONY PMW-200 は、ハンドヘルドクラスのビデオカメラで F11 を達成したが、CMOS は 1/2インチサイズ。明るくて、照明の薄暗い現場で重宝しそうだが、問題はカメラがハンドヘルド機としてはやや大きく、またレンズは光学14倍しかない点だ。
一方、姉妹機になる PMW-160 はレンズは光学20倍と NX5J 系スペックを維持。しかしながら、明るさは F9(2,000lx) と従来機よりは明るくなったもの F11 を誇る PMW-200 の存在を思うと、苦々しい。
<SONY PMW-200>
そんな、迷えるSONYフリークの目の前に、光学23倍ズームを備えながら F11 という明るいカメラが出て来たならば、さぁ貴方の SONYへの信仰は揺らがずには居られるだろうか?
私は平気な顔で改宗できますとも!
その他の特徴としては、マルチフォーマット対応であるということ。
MPEG-2 Long GOP / AVCHD / H.264 を選択できる。
MPEG-2 は 35/25/19Mbpsが選択可能。ファイル形式も MOV、MP4、MXFが選べるため、利用するノンリニア編集ソフトの対応フォーマットの状況に合わせる事ができる。
AVCHD は 24/17Mbpsの MTS形式。
MPEG-4 AVC/H.264 は、SDの 8Mbpsの MOV形式の他、35Mbpsという高ビットレートでの記録も出来る
また、HD撮影時に Proxyファイル(480×270ドット)を作成する事も可能。
……と、まぁ最初は分かりやすいスペックを頼りに「“GY-HM650”は、ハンドヘルド機としては非常にスペックが高く、私の使用目的にも合致している」と確信した訳である。
――が、調べていく中でスペック上で気になる点も出て来た。
まず一番に気になったのは、カラーサンプリング方式である。
則ち、4:2:2 なのか 4:2:0 なのか??
この情報がなかなか見つからない。
結局、半月ほど情報を探し求めて彷徨った挙げ句、GY-HM650は 4:2:0 であると判明した。
つまり、HDV や AVCHD機と同じである。
既に、SONY や Canon そして Panasonic機でも、ハンドヘルドタイプで 4:2:2記録対応のビデオカメラを投入してきており、デジクラスで 4:2:2 は基本スペックとなりつつある。
<Canon XF305>
ハンドヘルドサイズの業務用ビデオカメラ発売としては最後発になる JVC機が 4:2:2 をカバーできていないというのは、実際の映像のクオリティーはともあれ、プロモートする上でのユーザへの訴求ポイントを一つ減らしているように思う。
また、訴求ポイントとしてもう一つ GY-HM650 が落としていると思うのは、1080/60p に対応していない点。
大判イメージャ機や家庭用ビデオカメラ以外で、いわゆる“デジクラス”の業務用ビデオカメラで 60p(1080/59.94p)をサポートしているのは、Panasonic の AG-AC160A ぐらいだろうか?
<Panasonic AG-AC160A>
SONY の今夏の新機種 PMW-200とPMW-160 も 1080/59.94i 止まりであるので、デジクラスの業務用カメラは、かなり保守的な印象だ。
“AVCHD Ver.2.0(AVCHD Progressive)”が策定され、1080/60p が収録出来るようになってもいる。
そろそろ各社、業務用ビデオカメラのクラスでも 60p を標準搭載し始めても良い時期では無いかと期待していたのだが……。
もちろん、テレビ用取材や通常の記録系DVDパッケージなどでは必要が無い仕様なのかも知れないが、WEBコンテンツ系やBlu-ray収録などの需要の高まりを、ここでしっかりと先掴みしておいても、だれも文句は言わないだろう。
と、このように GY-HM650 のスペック上の不満を挙げてみたが、もしかすると将来的には、この問題をクリアしてくるのではないか??という期待も持っていたりする。
その根拠は、JVCの高画質映像エンジンである“FALCONBIRD”の搭載だ。
“FALCONBIRD”は、JVCが独自開発した映像処理用 LSIで、カメラ信号は最大で830万画素を60フレーム/秒で処理、H.264 コーデック処理は最大で207万画素動画を60フレーム/秒で圧縮、静止画もJPEGエンコーダ処理が最大で830万画素静止画を60フレーム/秒で圧縮可能となっている。
これは則ち、フルHDの2D映像は勿論、3D映像や4K2Kなどの映像信号も高速処理して、リアルタイムでの撮影・記録を可能するものだ。
これを、1チップで実現している点が重要で、カメラ信号処理と圧縮処理と言った別々のプロセスの信号の遣り取りに掛かるボトルネックを徹底的に排除して、FALCONBIRD内で行うどの様な処理の組み合わせでもスループットが低下しないよう作られている。
“FALCONBIRD”は既に JVCの 3Dカメラである“GS-TD1”や、世界初のハンドヘルド型4Kビデオカメラとなった“GY-HMQ10”にも搭載されており、映像分野において高画質・高速処理を行う必要がある分野に投入され実績を上げている。
以上を踏まえると、“FALCONBIRD”にとって 1080 60i という映像フォーマットは、非常に役不足であり、極めて敷居の低い処理作業になることが分かる。
GY-HM650 には、姉妹機として GY-HM600 という機種がある。
こちらは、WiFi伝送に対応していなかったり、H.264 の 35Mbps記録モードが無いなど、従来型ハンドヘルドカメラの枠内に丁度収まるような仕様なのだが、HM650 との違いはそういった表面的な違いに留まらない。
この両機種の最大の差異とは、“FALCONBIRD”の搭載数だ。
先に記した様に、1080 60i というフォーマットは FALCONBIRD にとっては朝飯前の様な負担の軽い処理だ。
そのため GY-HM600 には FALCONBIRD が1つだけ積まれている。
しかしながら、上位機種になる GY-HM650 には 4K2Kの処理をもこなす FALCONBIRD が2つも搭載されているのだ。
この違いは、何を意味するのか? そして、何をもたらすのだろうか?
GY-HM650 が実装する H.264 の 35Mbps という圧縮であれば、すでに 3Dカメラである TD1 が 34Mbps という AVCHD 3D 規格よりも高いビットレートでの記録を実現してる。
4K カメラの HMQ10 も、4K映像を4系統のフルHDに分けて記録しているわけだが、その1系統あたりのビットレートは 36Mbps だ。
HMQ10 に搭載されている FALCONBRID の数は不明だが、仕様から考えて恐らく2つ。
仮に FALCONBRID が2つだけ搭載されているとするならば、1チップあたりで 36Mbpsのビットレートを 2系統同時に行える能力を持っていることになる。
GY-HM650 に搭載されている 2つもの FALCONBRID。
HM650 は、映像処理能力としては有り余るポテンシャルを持っている。
当然そうなると、この有り余るパワーを将来的に JVC は有効活用してくるはずだ。
そうでなければ、650だけに2つも FALCONBRIDを搭載する訳がない。
さて、ここからは完全に妄想になるのだが、近い未来に GY-HM650 に与えられる究極のスペックを思い描いてみる。
まずは、4:2:2 への対応だ。
そもそも撮像素子である CMOSからはフル色解像度の映像が出力されている。
HDMI や HD-SDI から出ている信号も 4:2:2 であり、圧縮プロセスに入る前にカラーサンプリングされて削られているのだ。
このサンプリングプロセスで、4:2:2 で圧縮行程に流し込めば良いのであるから、難しい話ではないはずだ。
ただし、4:2:2 という情報量の多い映像データを破綻無く記録するには、それなりの記録ビットレートを割り当てなければならない。
例えば、MPEG2フォーマットで 4:2:2 を記録している XDCAM HD 4:2:2 の仕様を考えてみると、MPEG2 50Mbps を必要としている。
H.264 は MPEG2 の半分のビットレートで同程度の画質を実現すると一般的には言われているが、そうなると H.264 25Mbps で 1080 60i 4:2:2 が収納できることになる。
流石に半分のビットレートというのは乱暴で、現に 4:2:0 のフルHDで 24Mbps を割り当てたりしているので、現実的にはもう少し余裕を持ったビットレートが必要なのかも知れない。
しかし、だとしても 35Mbps記録モードが既に実装されてるのだから、その枠に十分収まると考えて良いだろう。
GY-HM650 は潜在的に 4:2:2 の収録が可能であると考えても良いのではないだろうか?
次に、1080 60p への対応だ。
こちらは、撮像素子の CMOSの性能も絡んでくる。
GY-HM650 に搭載されているのは、新開発の 1/3型 220万画素プログレッシブCMOS だ。
現在のスペック表では、1080 では 60iが上限、720 では 60p を上限としている。
さて、このご時世に“新開発”された CMOS は プログレッシブCMOSでありながら 1080 60p を持たせることは難しいのだろうか??
これは完全な素人考えであり、またこれは予測ではなく希望なのだが、CMOS自体は 1080 でも 60p を吐き出せる筈だ。
ただ、CMOSからの読み出しに 1080 60p を選択させていないだけではないだろうか?、
そもそも、FALCONBRID は フルHDの60p を2系統も難なく処理する。
今の段階で、JVCがフルHDでの 60P を制限する理由を見出すのは難しいのだが、考えられるとすれば、60p品質のチューニング途中であるとか、60pを実現する事で可能になる高画質なデジタルエクステンダー、あるいは 60i に対するスーパースロー映像の実装などを 60p の実現と共に投下する事を模索中なのかも知れない。(MPEG2記録時の 1080 30p/35Mbps、720 60p/35Mbpsではフレームレートを変更してスローモーションを実現する機能を実装済み)
さて、1080 60p を実現した場合のビットレートだが、こちらは既に 28Mbps の AVCHD Progressive という規格がある。
AVCHD の形式で行くならば、互換性を重視して HM650 も 28Mbpsで 1080 60p を載せてくる筈だが、JVCの過去のビデオカメラをみると規格に定められたビットレートを上回った、より画質重視のビットレート設定があったりするので、ここは矢張り 35Mbps の H.264 記録に収めてくる可能性も捨てがたい。
マルチフォーマットカメラを謳っている点から、AVCHD の 28Mbps収録というのも設定選択肢に入ってくるだろう。
このように、HM650 に搭載されている FALCONBRID の性能を鑑みた場合、4:2:2 や 1080 60p の実現というのは、不可能な事象ではない。
だが、ちょっと待って欲しい。
4:2:2 にしても 60p にしても、これは FALCONBRID が1つ載っていれば実現する事だ。
何故、2つなのか??
ここで、更に妄想を膨らませる。
そして、辿り着いた答え………いや妄想は1つ。
4:2:2 を 1080 60p で実現する! ということだ。
古今東西、デジクラスで 4:2:2 の 1080 60p というスペックを達成した機種は無い。
これは、なかなかに興味を刺激する。
もしも GY-HM650 がこの仕様を達成すれば、比肩するカメラは存在しない。
あるいは、JVCがそのような仕様を達成すれば、間違いなく SONY や Canon もこれに対抗する刺客を送り込んで来るはずだ。
そうすれば、保守的で停滞気味な現在のデジ市場は、再び一気に面白くなるだろう。
以上は、筆者の妄想に過ぎない。
何の根拠も無い。
正直、FALCONBRID というものを正確に把握しているわけでは無いので、見当違いの方向に妄想を膨らませている可能性もある。
FALCONBRID は、カメラ信号処理においては 、「2D DNR処理」「倍率色収差補正」「シェーディング補正」「ダイナミックレンジ補正」といった、基本画質に関わる部分の補正処理などを行っている。
当然、これらの補正精度が上がれば、GY-HM650 の画質はさらに魅力的なものになるだろう。
しかし、それでも FALCONBRID を1つ搭載していれば十分に今後のファームアップで対応していけるような気がする。
なぜ、GY-HM650 は2つの FALCONBRID を積んだのか??
この疑問が氷解する時、JVC GY-HM650 は、この上なく魅力的で強力なハンドヘルド型ビデオカメラになるのではないかと期待している。
−>>2012/10/10/(Wed) ゴゾ島、なう。
- 本日は、マルタ共和国ロケ3日目。
マルタに来て以来、我々の時間はゆっくり進んでいる。
観光立国での成長を目指しているマルタだが、国の中の時間の流れは非常にゆっくりとしている。
地中海の穏やかな海のように、気持ちよい時間が漂っている。
そんな時間の流れ方に我々も乗っており、朝は多少早くて7時ぐらいにはホテルを出発するようなロケスケだが、お昼はじっくり1時間ぐらい取るし、夕方も18〜19時にはロケが終わってしまう。
撮影を欲張ってしまいたくなる海外ロケでは、珍しい香盤である。
昨日は、一日中マルタ本島にいて、実景インサートをあちらこちらで撮影。
空と海が美しく、また街並みも綺麗である。
小さい島ながら、アップダウンも多く、丘と坂と階段が複雑に折り重なる街だ。
宿泊したホテルは、少し丘の高いところにあったが、徒歩で坂道を下って海岸まで出れば観光客で溢れる繁華街へ辿り着く。
夕飯は、地元の方のお奨めのレストランへ入り、マルタのローカルフードを堪能した。
3日目の今日は、出演者である地元の女の子と合流し、演者ロケ開始。
朝一番、フェリーでゴゾ島へ渡る。
ゴゾ島は、マルタ本島に次いで大きな島で、こちらも観光客に人気だ。
ゴゾ島は、非常に田舎で長閑な雰囲気。
いくつもの小さな村と、その中心に必ずある大きな教会で構成されている。
人々は非常にシャイだが、とても気が良く親切だ。
今夜は、ゴゾ島に宿泊。
明日は、いよいよマリンレジャーの取材が始まる。
今回は、GoProを使って水中撮影などに挑戦する。
−>>2012/10/13/(Sat) Grazzi !!
- マルタ共和国でのロケが無事に終わりました。
ロケの一ヶ国目は、いつも長く感じるのですが、今回は到着日から6日間もマルタに居たわけで、そう感じるのは当然ですね。
もう初日がはるか昔の様です。
マルタでのロケは、比較的順調で楽しいロケとなりました。
マルタの国民性なのでしょうか? 本当に街の皆さんも、取材先の方々も協力的で親切で、取材がしやすいだけでなく、非常に居心地の良い国でした。
マルタに宿泊する最後の夜、宿泊ホテルがある村の小さなレストランで夕飯をとったのですが、食事後ホテルまでの足にタクシーを呼ぼうとしたら、お店の方が「ホテルまで自家用車で送るよ」と言ってくださり、我々が食後のコーヒーを飲んだ後、ホテルまで本当に送って頂けました。
小さな島国ですので、皆がお互いに親切で協力しあって生活されているのだなぁと、実感できる出来事でした。
さて、今回は美しい空と海の紹介も重要でしたので、お天気に注意を払いながらのスケジュール。
最終日に天気が崩れる予報になっていたので、ロケ途中からはスケジュールの一部を繰り上げたり保険を作ったり、予定していた物が季節物の関係もあって撮れなくなったりと、ちょっと慌ただしい場面もありました。
今回のマルタ共和国でのロケは、本島であるマルタ島よりもゴゾ島でのロケ撮影がメインという感じでした。
ゴゾ島から、マルタに渡って、そこからさらにもう一つの島コミノに渡り、さらにゴゾに帰ってくるという、一日で3島を巡るロケをした日もありました。
マルタでの撮影は、ほぼお天気に恵まれたといって良い毎日でしたが、最終日の夕方に“嵐”が到来。
撮影必須案件を何とかギリギリ撮り切ることが出来たのですが、荒天により無理矢理撮影終了という具合になってしまい、ちょっと残念な最後でした。
いつもなら、ロケ最終日は現地の出演者の女の子と一緒に夕食をとりながら、今回のロケの感想を聞いたり、スタッフ全員で集合写真を撮ったり、メアドを交換したりして、ロケの余韻を楽しむのですが、今回は嵐の中を移動中のロケ車内で一枚集合写真を撮って、別れの挨拶も程々にして女の子とはお別れしました。
そして、我々もこの嵐で飛行機がキャンセルになるのではないかと戦々恐々としながら、急いで一路空港へ。
結局、空港に向かう途中からドンドン天気は快復傾向になり、飛行機が飛び立つ頃には夜空が見えるぐらいに晴れていました。
さて現在私は、スペインはバルセロナに滞在しています。
スペインもバルセロナも初めてです。
……が、次の取材地はバルセロナではありません。
明日の朝早く、再び飛行機に乗って、スペインのとある島へ移動します。
−>>2012/10/14/(Sun) Mallorca。
- 只今、西地中海に浮かぶバレアレス諸島、スペインはマジョルカ島に来ております。
今朝、バルセロナ空港を飛び立ち、60分足らずで到着でした。
ご存知の通り、マジョルカはバレアレス諸島最大のリゾート地。
「地中海の楽園」とも称され、今回のロケで会社を発つ前に「マジョルカまで行ってきます〜」と言うと、皆から羨ましがられる程。
残念な事に、今日のマジョルカの天気は「曇り時々晴れ」ぐらいのパッとしない空で、あまり実景撮影には向かず…。
しかも、本日は日曜日……。
ヨーロッパですから、日曜日は神様の定められた安息日ということで、観光地のど真ん中でも殆どのお店がシャッターを下ろして、休業。
街並みを撮影する事もままなりません。
街並みのロケハンをしつつ、後日の取材をお願いしていたお店が、日曜日も開店していたので立ち寄り、マジョルカの伝統菓子である Ensaimada を撮影させてもらいました。
この店には明日以降、現地の出演女性ガイドさんと一緒に撮影に行きますが、先に調理工程や接写、お客さんインタビューなどを済ませておくことで、後日のロケスケが楽になる訳です。
その後は、Bar(バル)で簡単な昼食を済ませ、旧市街を歩きつつ気になる光景があれば撮影し、しかしやがて太陽が厚い雲の向こうに隠れてしまったので本日は夕方17時前には早々にロケを終了しました。
<実景もパッとしないので、後日撮り直しですね。>
マジョルカでの宿泊は、州都 Palma de Mallorca にあるホテルに宿を取っています。
マルタ滞在中は、ホテルを4つも変わり、なかなか腰を落ち着けられなかったのですが、マジョルカではこのホテルにずっと滞在できるので、スーツケースから全ての荷物を出して、部屋に備え付けてある棚や籠に衣類や生活品を広げて住みやすい様に部屋作り。
毎日に取材でバッテリーは欠かせませんので、しっかりと充電基地も作って、明日からのロケにも準備万端整えております。
今は、夕暮れに染まるパルマ湾を臨むホテルのバルコニーから創想雑誌を執筆中。
只今 18゜30'。
19゜30’からスタッフ皆で夕食に出掛ける予定ですので、もう少し部屋で休んでから、ロビーへ下りたいと思います。
−>>2012/10/17/(Wed) スペイン語。
- 今回の海外ロケも、いよいよ終盤戦。
二ヶ国目の毎日はあっという間に過ぎ、一ヶ国目のマルタ共和国の取材は既に遠い過去のように思えるから不思議だ。
初日〜2日目は、雲が多いドンヨリとした天気だったが、昨日からは大変天気に恵まれ、朝夕は多少涼しいが日中は汗ばむほどの好天だ。
初日に芳しくなかった実景も、お天気が良くて青空が広がっていると撮影するのが楽しくなる。
Catedral の外観も良いコンディションの下で撮影し直すことが出来た。
<初日の Catedral とは大違い>
スペインの夜は、やはり Bar。
siesta が今でも一般的なスペインは、13〜14時ごろから色んな商店や企業が昼休憩時間に入り、夕方17時ごろから夜の21時前ぐらいまで再びお店を開けるというのが通常スタイル。
なので、スペイン人の夕食は遅い。
大体22時前後からが夕飯というのがどの家庭でも普通だ。
夜の飲食街も、当然22時ごろからしか盛り上がらない。
我々の撮影も、その時間帯を待ってロケ。
今回は、単に Bar の様子を取材するのではなく、Palma de Mallorca で行われている La Ruta Martiana を軸にした取材を行った。
みんな陽気で楽しく呑んでいる様子を、撮らせていただいた。
カメラを向けても、嫌がる人は全然おらず、非常に撮影がしやすい国である。
24時前に、無事ロケ終了。
今回のロケ日程では、最も長い一日だった。
今日は、電車に乗って Port de Sóller まで足を伸ばす。
Port de Sóller は非常に美しいビーチがある小さな入江の港町だ。
この町自体ではネタを作らず、ここまでの道中の電車の旅が取材の要である。
<Port de Sóller 俯瞰>
ところで、スペイン語と何の縁も無かった私のなので、撮影中は苦労することもしばしばある。
特に、コメントとアクションを混ぜた場面では、今、台詞のどのあたりまでを喋っているのか判断できない。
例えば食事の場面でコメントを言ってから食べる……などという場面では、食べる瞬間にズームインするタイミングなどが、食べようとする動作で判断するため少し遅れてしまう。。
また、英語よりも比較的文章が短い印象がある。
1人称や2人称が主格の場合に、主語を省略するためだろうか。
「あれ? もうこの台詞言い終わったの??」と思うことがよくある。
しかし、流石に4日間もスペイン語を聞いていると、度々耳にする単語や、表現の長さにも慣れてきて、雰囲気は掴めるようになってきた。
マルタ共和国の時は、公用語がマルタ語と英語のうち、ロケで使った言語は英語だったので、そのあたりは非常にやりやすかった。
なお、私が使えるスペイン語は、 Hola と Gracias、Adiós ぐらいだ…。
コミュニケーションを取る必要があるときは、英語に頼るほか無い……。
ちなみに、スペイン語は英語とフランス語に次いで3番目に多くの国で使用されている言語だそうだ。
さて、明日一日取材を行えば、今回の海外ロケは終了である。
明後日の朝にマジョルカを飛び立ち、バルセロナへ。そこからドバイへ飛び、トランジットを経て日本へ帰国予定である。
あと一日、たっぷりとスペインを楽しんでロケしたい!!
−>>2012/10/22/(Mon) EDIUS Pro 6.52。
- 無事に日本に帰国しております。
時差ボケは無いのですが、やはり2週間働きっぱなしでしたから、休みだった帰国翌日は流石に疲労でよく寝てしまいました。
ちなみに、今日月曜日もお休みらしいので、録り溜まっているアニメやドラマを観まくります!
* * *
さて、10月19日に、GrassValley から EDIUS Pro 6.5 対応アップデータ Ver.6.52 が公開されている。
6.52の話は10月初頭にはあったので、お待ちかねという具合だ。
※EDIUS Pro 6.52 ダウンロードサイト:http://pro.grassvalley.jp/download/edius65.htm
今回のアップデートは XDCAM系の機能追加が目立つが、他にも個人的に気になった項目を2つほど取り上げてみた。
■不具合修正
・AVID DNxHD ファイルが再生できない。
この現象、以前に創想雑誌でも取り上げたが、やはり EDIUS Pro 6.5 の問題だったようだ。
※http://next-zero.com/ToppageCNT/sousou-zasshi/nicky.cgi?DT=20120802A#20120802A
まだ EDIUS 6 だった頃に、BlackmagicDesign の HyperDeck Shuttle 2 のテストを行い、それで収録した Avid DNxHD は EDIUS上で問題なく再生されたのに、この夏に収録した Avid DNxHD の素材が、EDIUS Pro 6.5 で正常に再生出来なかった。
この時は仕方なく、10時間近い DNxHD素材を HQX codec にトランスコードしてタイムラインに組み込むという手間を掛けた。
このトラブルは後日検証予定にしていたが、検証する前に、GrassValley サイドが EDIUS Pro 6.5 の不具合と認識してバグフィックスしてくれたようだ。
試しに、6.51 の環境と 6.52 の環境で、Avid DNxHD の素材再生を行ってみた。
→ 6.51 では、タイムラインへの読み込みは出来るが再生は音声だけ、映像はタイムカーソルを最初に置いたフレームで固定されてしまう。
つまり、映像が正常再生されない。
→ 一方、バグフィックスされた 6.52 では、映像・音声共に正常に再生。
これで、安心して HyperDeck Shuttle 2 を使った Avid DNxHD 収録を活用することが出来る。
■機能追加
・クリップカットした際の選択クリップを前後どちらのクリップにするかを設定するオプションを追加しました。
これは、EDIUS 6 がリリースされた時から、ずっとユーザの間で言われていた操作性の問題だ。
すなわち、「タイムライン上でクリップをカットした場合、カット点よりも後ろのクリップが自動選択される」という操作性の変更に対する課題だ。
<ここでカット操作を行った場合、自動選択されるクリップはカット点の前か後か>
私自身は、あまり意識していないというか、むしろ EDIUS 6 の仕様のままで問題なく使っていたのだが、ユーザによっては「カット点よりも前のクリップを自動選択」という仕様の方が使いやすいという意見があった。
これは、たしか EDIUS Pro 5 シリーズまでが「カット点よりも前のクリップを自動選択」するという仕様だったにも拘わらず、EDIUS 6 からいきなり、「後ろのクリップを自動選択する仕様」になってしまったからだったと記憶する。
私は鈍感なのか、そんな180度違う仕様になっても、全然気にしてなかったのだが、考えてみればすごく困る仕様変更だ。
そんな EDIUS 6 リリース初期から叫ばれていた操作性変更に対する不満だったが、ようやく 6.52 にて「カット後の前後クリップのどちらを選択するか」という選択が出来るようになった。
正直、もっと早く対応すべきだったと思うが。
<「カット点よりも前のクリップが自動的に選択される」処理。>
「カット点よりも後のクリップが自動的に選択される」処理。
こちらも、動作仕様を検証してみたが「カット点よりも前のクリップを選択する」仕様に設定した場合は、少し注意が必要だ。
EDIUS 6 以降からは、クリップカットの操作が“選択トラック”もしくは“選択クリップ”に強く限定される。
そのため「カット点よりも前のクリップが自動選択される状態」でカット操作を行い、特にカット以外の操作をせずに再生を続けると次のカットが出来ない条件が発生する。
それは則ち、クリップを配置しているトラックを選択しないまま、タイムライン操作をしている場合だ。
カット点よりも前のクリップを自動選択すると、当然タイムラインカーソルよりも前のクリップが選択されるので、それ以降のクリップは非選択状態だ。
その非選択状態のクリップに対してはカット操作は出来ない。
改めてクリップを選択状態にするか、そのクリップが置かれているトラックを選択する必要がある。
EDIUS 6 では、クリップを選択してもそのトラックが自動選択されるわけでは無いので、例えば複数トラックにクリップを配置している場合は、その都度、操作を行いたいトラックの選択も行わないといけない。
<選択クリップと選択トラックは必ずしも一致しない>
選択クリップを削除操作した場合では、次にユーザが操作を行わないと選択クリップは存在しなくなるので、「カットして、カット点前のクリップを削除して、次のカット点まで移動してカット操作」ということを繰り返して効率的に行いたい場合は、必ずトラック選択も行っておく必要がある。
ユーザ操作を考えると、タイムライン上の“トラック選択”よりも“クリップそのものを選択”して操作を進めていく方が効率的だ。
操作手法は人それぞれなので、正解というのは無いのだろうが、私の提案としては、クリップ選択に連携してトラック選択を自動的に行えるようにするべきだと思う。
対して、トラック選択は独立して行えるようする。
その場合、トラック選択を行ってもそれとは異なるトラックのクリップが選択状態にある場合は、そのクリップの選択状態を優先させるという仕様(つまりは現状仕様のまま)であれば、よりユーザの“操作意図”を汲み取ったプログラム動作になるを思う。
まとめ:
クリップを選択 → 選択されたクリップがあるトラックも自動選択される(新しい操作性)
トラックを選択 → 選択状態のクリップが他のトラックにあるならば、その選択状態は解除しないが、選択トラックに対する操作を行った場合は、選択トラック上でタイムラインカーソルが影響するクリップに選択状態を移行させる。(つまり現状仕様のまま)
こんなんでどうでしょうか? GrassValley様?
EDIUS 6.5 は追加機能とバグフィックスを含めて、過去の EDIUS シリーズの中で最も使いやすくなっていると思う。
E6混乱期から漸く抜け出してきた感があるものの、ユーザの不信感を忘却の彼方へと追いやるには、まだ時間が浅すぎるが、しかしそれは GV社のやり口に対してであって、EDIUSシリーズは確実に良い方向へ走り出しているという現状をユーザは見過ごさず、見据えるべきだ。
来たるべき EDIUS Pro 7 が、Macプラットフォームをも巻き込んで、EDIUSシェアの分水嶺となるはずで、GrassValley には、しっかりとユーザのニーズと現在の問題点を把握・理解し、遠からずアナウンスされるであろう Ver.7 の開発に勤しんで頂きたい!
とりあえず、私は、メインマシンのシステム用SSDが 4GBを切り、EDIUS Pro がアップデート出来ない状態に陥っているので、新たに大容量SSDを購入しに、大阪の街を彷徨ってきたいと思う。
−>>2012/10/22/(Mon) 第2象限。
- 今朝の創想雑誌でも記したように、今日の日中は大阪・日本橋まで出掛けみた。
主目的は、新製品の予約申込だったのだが、諸事情により今日はそれを見合わせ、それとば別に欲しかったアイテムの買い物をしてきた。
今回購入したのは、SSD と デジカメ。
SSD は、Intel SSDSC2CT240A4K5を購入。
日本橋のパソコンパーツショップで、価格コムの値段と見比べながら物色していて店頭で発見。
私は、Intel SSDSC2CT240A 3 K5 を購入したつもりだったのだが、帰宅していざ中身を空けてみると、SSDSC2CT240A 4 K5………。
……あれ〜〜???
よくよく外箱を観てみると、330シリーズではなくて、335シリーズと表記。
そういえば、「Intel製SSDの廉価シリーズの新モデル“335”が登場」というニュースを帰国直後に目にした記憶が蘇った。
10月20日のニュースだ。
実勢価格は 16,000円ほどで、今回の店頭購入よりはそれよりも多少安く手に入れられたので、結果オーライ。
従来の 330シリーズが、25nmプロセスなのに対して、335は 20nmプロセスを採用。 データ転送速度は、シーケンシャルアクセス時がリード500MB/s、ライト450MB/s。
データ転送ベンチなどに大きな違いは出ていないが、プロセスの微細化によって効率向上が行われている可能性もある。
今回、SSDを購入したのはメイン編集マシンの“SEREN”のシステム用SSDの容量が限界に来ていたため。
すでに、残り容量が4GBを切り、もはや何も入れられない状態だ。
昨日も、EDIUS Pro の最新アップデートを入れようとしたが、EDIUS はセットアップ段階で 6GB のシステム空き容量を求めてくるため、アップデートを行う事ができなかった。(そのため、EDIUS Pro 6.52 の検証はノートPCの“KANATO”で行った)
今まで使っていた SSD は Intel X25-M Mainstream SATA SSD SSDSA2MH080G2R5 で、製造プロセス 34nm、リード 250MB/s、ライト70 MB/s だった。
335シリーズは、ローエンド向けの廉価モデルだが、現在の環境よりは大幅に性能が向上する。
欲を言えば、520シリーズあたりで手堅く固めたい所だが、懐事情もあるために 335シリーズで満足できるものとなる。
今週中には、この SSDSC2CT240A4K5 をインストールしてシステムを再構築したいと思うが、仕事次第である。
次に、日本橋から移動して、ヨドバシカメラ梅田に立ち寄る。
こちらでは、デジカメの物色である。
先日のスペイン・マルタをはじめとして、海外ロケには Panasonic DMC-FX37 というコンデジを持参して行っていた。
<Panasonic DMC-FX37。ユーザI/Fが優秀で個人的には非常に使いやすい。>
基本的にロケの写真は取材で一緒するコーディネータさんにデジカメを預けて、勝手に後ろで撮影してもらうようにしている。
勿論、コーディネータさんの仕事は取材先やスケジュールを調整する事なので、その仕事の邪魔にならない範囲で、写真撮影をお願いしなければならない。
そのため、コンパクトで簡単操作できるカメラが良い。
が、FX37 は既に草臥れてきており、問題も起きている。
それが、レンズ内に入り込んでしまったゴミである。
このゴミは、結構以前から混入してしまっており、改善の予兆も見られない。
画面の第2象限あたりにぼんやりと現れており、青空など単調な景色を撮影すると一目瞭然だ。
<条件が悪いと、実はあちらこちらにゴミがある事が分かる……>
ゴミが目立つ写真は Photoshopで一度修正を行ってから使用する様にしていたが、いい加減買い換えたいと思うようになり、相方に進言。
相方は「新しいの買ったらええやん」と一言でOK。
で、「今使ってるやる(FX37)を自分専用に頂戴。フィギュア撮影するぐらいだから、問題ない」と相方は付け加え、以前から欲しそうにしていた“自分専用デジカメ”を手にすることで予算承認が出た。
さて、今回も先日のプリンタのように「売り場で考える」作戦を実行。
いや、結構なんでもかんでも、事前にばっちり調べてから買い物する方だったのだが、ここ最近行き当たりばったりだ。
各メーカの現役モデルを十数点見比べ、自分好みのモデルをサーチ。
基本的にはスクエアなデザインが好きで、液晶の大きさには拘らない。
画素数は確認すらしない。220万画素を越えた当たりから、ハイビジョンよりも綺麗だなぁぐらいの審美眼しか持ち合わせていないから。
光学ズーム比も検討項目外。画角は足で稼げの精神だ。だが、放送用100倍レンズとかは好きだ。
でもって、広角側は広ければ広いほど望ましい。
今回は特に高感度――低照度撮影に対する強さを重視してデジカメ探しをしたのだが、結果的に SONY のサイバーショットシリーズである“DSC-WX100”に行き着いた。
チェックポイントとしては、最大ISO 12800・広角25mm(35mm換算)・1820万画素 Exmor R CMOS。
購入後、我が家のリビングを撮影してみた。
照明を落として、白熱球型60W相当 LED を一灯だけ点灯させ、Panasonic DMC-FX37 と SONY DSC-WX100、そして SONY NEX-5N の3機種で感度テストをしてみた。
なお、全ての機種でオートモードを使用。
そのため、機種によりシャッター速度で明るさを稼ぐのか ISO感度で明るく見せるか、処理が変わっているのはご容赦頂きたい。
<f/2.8・1/8秒・ISO800>
<f/3.3・1/4秒・ISO1600>
<f/2.8・1/25秒・ISO3200>
DCS-WX100 は非常に高感度で、しかも明るく明るく撮ろうとする。
部屋の雰囲気はの出し方は NEX-5Nが一番近く、これでも少し実際の部屋よりも明るいぐらいだ。
DSC-WX100 は基本的にオート使いであり、どの撮影モードで使用しても非常に明るく撮影する傾向がある。
むしろ、暗く撮る方が難しいぐらいで、敢えて暗く撮ろうとするとメニューからEV補正を呼び出さねばならない。
光学手振れ補正も非常に優秀で、わざと手を振るわせてシャッターを切っても、ブレの無い写真が撮れている。
また、DSC-WX100 に搭載されている「プレミアムおまかせオート」を利用すると、1シャッターで連写を行い、その複数枚の写真を解析・合成処理して、手振れやノイズの少ない画像や逆光を補正した画像を作り出す。
カメラマンからしたら邪道に思える機能かもしれないが、それらの機能のお陰で、コンデジに求める物としては十二分以上の物を得られそうで、これからの実践投入が楽しみだ。
あとは追加で、チャージャと予備バッテリーのセットを購入。
バッテリーを複数枚持ち歩くのが常なのと、単独のバッテリーチャジャーがカメラキットには付属していないので、迷わず純正を購入した。
低照度に強く、画質が向上するので、既に次回の海外ロケでの写真の仕上がりが楽しみになっているが、なによりもまずは第2象限からゴミが無くなることが最も喜ばしくストレスが無くなる訳である。
※本日の、推奨物欲。
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