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−>>2019/09/14/(Sat) TOSHIBA REGZA 55X930 導入!



 自宅のリビングのテレビを買い換えた。
 今まで使っていた50インチ・プラズマテレビ Panasonic TH-50PZ700SK。これを購入した時期が2007年6月だったので、もう12年以上経つ。故障したり大きく劣化することもなく、長年頑張ってくれた。


<50インチ・プラズマテレビ Panasonic TH-50PZ700SK >


※参照:〜創想雑誌〜 −>>2007/06/10/(Sun) 大画面。


 特に目立った経年劣化は無かったのだが、4K・HDR・VOD・全録……など、テレビを取り巻く環境が変化しているため、消費税増税を前にテレビの更新を行う事を決めた。

 今回購入したテレビは、TOSHIBA REGZA 55X930。
 有機ELパネルを採用した 55インチ 4Kテレビだ。


 4Kテレビは、タイムコード・ラボのラボ(編集室&機材庫)に 3年ほど前に導入済みで、その時に導入したのは 49インチ 4K液晶パネル採用 TOSHIBA REGZA 49Z700X だった。
 4KレグザエンジンHDR PRO、4K HDR、全面直下LED――といった高画質仕様を誇り、全チャンネル録画可能なタイムシフト機能付きで大変に使い易かった。
 まぁ、個人的には 49Z700X のパネル品質の評価はあまり高くないのだが、「機能面」から見た 49Z700X は大変に気に入ったため、自宅リビングのテレビを更新する際も、TOSHIBA の REGZAシリーズにしようと、当時から考えていた。

 さて、今回購入した TOSHIBA REGZA 55X930 は有機ELパネル採用と言うことで、コントラスト・輝度・色彩など大変に満足できるクオリティーだ。
 当然、現在放送中の BS 4K の受信も可能。NHKの 4K番組を見てみたが、ディテールや色、階調など、テレビ放送とは思えない描写力だ。
 ( 映像パッケージ > テレビ放送 という考え方なので、テレビ放送の画質は悪いという前提がある。またそもそも自分は映像制作者なので、一番状態の良いオリジナル映像を知っているだけに、テレビ放送の品質は下位であるという認識だ)

 AI超解像技術・美肌リアライザー・AI機械学習HDR復元と言った TOSHIBA の高画質化機能をどこまで有効に使うかは好みだと思うが、ただ確実に調整・無効にしたいのはフレーム補機能。24pや30pの映像であっても滑らかに見せるという機能だが、フレームレート数というのは制作者の表現手法なので、ここを機械的補完をして勝手に滑らかな映像に作り替えてしまうのは違和感しかない。
 24pで製作された映画やアニメがヌルヌル滑らかに動くのは気持ち悪い。
 このあたりは、REGZA もしっかり考えられており補完機能を無効にする以外に映像振幅段差駆動によるホールドボケ抑制機能などもあるため、フレームレート感を維持しつつフレームをクリアに見せることもできる。
 コンテンツに合わせて自分の好みで選んでいくことになるだろう。

 我が家のリビングのテレビは壁掛け式のため、テレビの買い換えのためには古い TH-50PZ700SK を取り外す必要がある。
 TH-50PZ700SK は重量 48kgあり、妻に手伝ってもらって外す予定だったが「私では無理やで」と先にお断り宣言されてしまった。
 そこで、いつもお世話になっている男性理容師さんに無理を言ってお手伝いをお願いした。我が家の極近所に住んでいらっしゃるので、仕事帰りに寄って頂いた形だ。


<取り外した Panasonic TH-50PZ700SK>


 一方、TOSHIBA REGZA 55X930 の取付は妻と2人で行えた。 55X930の重量は 22.2kg(本体のみ)と軽量で、女性2人でも軽々持ち上げられるだろう。
 取り付け金具はそのまま流用できたので、特に大がかりな変更工事もいらずにテレビを掛け替えることができた。


<TOSHIBA REGZA 55X930>


 いままでよりも5インチ大きくなっただけだが、フレームレスのフラッシュフロントデザインで没入感があり、大きく映像の迫力は増した。
 X930シリーズには、65インチサイズのモデルも用意されているのだが、流石に価格が20万円ぐらい高いのと、また我が家にはHD解像度ではあるが 100インチプロジェクターシステムがあるため、大画面を求めるならプロジェクタ利用ということで、リーズナブルな55インチモデルに留めた。
 セーブした20万円は、いずれは 4Kプロジェクタ導入に回したい。

 X930は、タイムシフト機能が備わっているが録画用のHDDは内蔵されておらず、別途用意して接続する必要がある。
 今回は、TOSHIBA純正の 4TB HDD“THD-400V3”を購入した。



 さらに、テレビ録画した映像を外部メディア(Blu-rayなど)に保存するために、レグザリンク対応の“DBR-W509”も購入。
 HDD は 500GB しか内蔵されていない最下位モデルだが、あくまでも 55X930 で録画した番組を Blu-ray に書き出すことだけが目的のデバイスとして導入したので最低限の機能で問題ない。
 ただし、往年の名機 TOSHIBAレコーダ「RDシリーズ」の編集機能を継承しているため、ダビング・編集機能は最強だ。


 自分がカメラを担当した番組のオンエアなどは、Blu-rayなどでしっかりと保存しておきたいので、活用が楽しみである。


 さて設置後、数時間だが実写ドラマやアニメを少しだけ視聴してみた。
 TOSHIBA お得意の超解像技術で、HDの作品も綺麗に自然に見られるのは、ストレスが無くて良い。地上波などを見ていても、気になるようなノイズや補完による瑕疵は見受けられなかった。
 アニメも、主線がクッキリしつつ、色乗りのムラやノイズもなく、コントラストの高い鮮やかな映像として楽しめる。
 例えば京都アニメーション製作の「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は、繊細なキャラクタ描写と美しい背景美術が織りなす映像美の高い作品だが、4K 有機ELパネルで視聴するには最適なコンテンツだ。
 Production I.G製作の「銀河英雄伝説 Die Neue These」などは美麗な宇宙戦艦やモニタCGの表現、漆黒の宇宙など実写を描画するのに求められる描画力を遺憾なく味わえる。
 REGZA 55X930は、アニメファンにも是非お薦めしたいモデルだ。


<©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会>



<企画・製作:松竹・Production I.G ©田中芳樹/松竹・Production I.G>



 音響に関しては、デフォルト状態では不満だった。
 以前の Panasonic TH-50PZ700SK はサイドスピーカーモデルで、兄弟機にはアンダースピーカーモデルの TH-50PZ700 もあったのだが、音響を重視してパッシブラジエータ式ウーファ内蔵の TH-50PZ700SK を選んだ経緯がある。
 画面左右にスピーカーが搭載されることで筐体は大きくなってしまうのだが、より良い音でテレビを楽しむためにサイドスピーカーを選択したのだ。

 55X930はアンダースピーカーモデルとなるが、新開発の対向型パッシブラジエータ方式2ウェイスピーカーを搭載し、レグザ サウンドプロセスVIR・レグザサウンドリマスターなどの機能により音質の向上に努めている。
 また、仮想音源シミュレートに基づいた音像補正技術により音像定位が改善されており、音声がテレビの下からではなく画面中央から出ているように音像が再現されている。
 その他にも音響設定項目があり、私も真っ先に音響メニューで自分好みのパラメータを設定。
 今は満足のいく音質・音像を楽しめている。
 


 VOD系が内蔵されているのは、最近のテレビのトレンド。
 55X930では、「AbemaTV」「Netflix」「hulu」「U-NEXT」「YouTube」「dTV」ボタンがリモコンに備わっている。
 2019年9月10日のアップデートで、Amazonの「Prime Video」にも対応した。
 ここ2〜3年の私は、Prime Video か Netflix でドラマやアニメを見ることが主流なので、VOD機能を使うのが 55X930 では主目的になりそうだ。

 
 12年ぶりに、買い換えた我が家のテレビ。
 憧れだった 4K有機ELになり、全録でいつ数日前の番組を楽しめ、VOD内蔵でシームレスに多くの映像コンテンツにアクセスできるようになった。
 今までも家のリビングで Netflix で海外ドラマやアニメを見るのが毎晩の楽しみだった私だが、これからますますテレビの前に居座りそうな予感である。

※本日の推奨物欲

  

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−>>2019/08/27/(Tue) Switching Logger “SWL-903”・基本機能の紹介

■リモートスイッチング


 開発の最終盤。
 Switching Logger“SWL-903”に急遽付け加えた機能が「リモートスイッチング」だ。

 もともと「スイッチングログ」と「タリー送信」の機能は昨年の段階でできていたため、この夏の合宿は“RS-232Cからのスイッチングトリガー再取得と、ラズパイの最適化」がメインだった
 そのため、2日もあれば昼寝できる進捗で完成するだろうという見込みだった。

 実際、2日目のランチを取り終わった段階で、ほぼ松ケンの仕事は終わっており、どちらかと言えば電子回路の組み立てやケーシングといった私の作業が残されている状態だった。

 そこで、2日目のランチをとっている時に、松ケンに追加の夏休みの宿題を出した。
 それが「リモートスイッチング」だ。
 リモートスイッチングは、V-1SDI 本体のボタン操作ではなくオプションパネル(ALT-SWITCH)から遠隔でスイッチング実現する機能。
 街のビデオ屋業では、自分のカメラを振りながら、他のカメラに指示を出しながら、スイッチングを行う……という1人何役もの現場というのが、ままある。
 その際に、スイッチャを置いているテーブルなどに手を伸ばしてスイッチングするは、ちょっとしたリスクだ。
 本番中は体勢を変えず、カメラから目や手を離すのは最小限に留めたいからだ。

 そこで、BlackmagicDesign の ATEMスイッチャなどを使っているユーザーは「サンワサプライ プログラマブルテンキー“NT-19UH2BKN”」をカスタマイズして膝の上にそれを置いて、 ミニマムなスイッチング環境を構築したりしている。

 それを、V-1SDI でも実現しようというのが「リモートスイッチング」だ。

 宿題の候補は実は2つ用意していて、ひとつは「リモートスイッチング」そしてもう一つが「JVC製カメラのIPタリー点灯」だった。
 JVC製カメラのIPタリー点灯は“JVC Camcorder Web API Reference”で公開されている"SetStudioTally"コマンドで実現する。
 つまり、IP経由の外部からのタリートリガーで、カメラのタリーランプや液晶画面に PGM/PVWタリーが点灯できる。
 そのトリガー(コマンド)を“SWL-903”から出すという計画だ。

 実行は難しくないだろうが、何でIP接続をするか? LANケーブル追加布設は本計画の「ケーブルは増やさない!」という基本理念には合わないし、Wi-Fiは手軽だが…では満員の大ホールイベントなどで確実に役に立つのか?というワイヤレス問題は残す。
 そもそも、既に音声信号によるタリー送信の技術は確立しているのだから、タリー点灯タスクばかりに開発リソースを振り分けるのは得策ではないと判断し、今回は「リモートスイッチング」の実現を優先的な追加宿題とした。

 ただ“JVC Camcorder Web API Reference”を使った、JVC製カメラの諸々のIP制御には興味があり、また追加のタリーランプユニットを必要としないスマートさなどは、タリー送信・点灯の運用技術としても興味があるので、いずれは"SetStudioTally"の実装などを検討したいと思っている。

 
 さて「リモートスイッチング」の話に戻るが、こちらは簡単なプログラムの追加で完了している。
 “SWL-903”から V-1SDI に「PGM/PST列の何カメを突け」「オートテイクを実行しろ」というコマンドを送るだけだ。
 それを、手軽な USBテンキー から送信するように仕組めばOKだ。

 USBテンキーは一般的な製品なら何でも良い。
 プログラマブルテンキーなど凝った機能は必要ない。
 今回は、安価な BUFFALO 有線スリムテンキーボード“BSTKH08BK”(\1,030)を使用。


 横4列を2行欲しかったため
 カメラ1・2・3・4はそれぞれ、
 PGMを 7・8・9・−(マイナス)
 PSTを 4・5・6・+(プラス)
 とレイアウトできるタイプを選んでいる。

 あとは ENTERキーを AUTO TAKE ボタンとした。
 今回は、カメラ4台分の切替と、オートテイクのみを実装した。
 RS-232Cコマンドで送信可能な機能であれば、テンキーへの割り付けで何でも実現可能だ。

 リモートスイッチングの機能が実現できたら、あとは私の仕事で、テンキーから不要なボタンを取り除き、スチレンボードで体裁を整えている。


 “SWL-903”の機能としては、このリモートスイッチングに関してのみ Roland V-1SDI専用ファンクションとなる。
 ただ、外部コマンド受付可能なスイッチャであれば、個々に専用プログラムを書けば実現する話ではある。


<リモートスイッチングとタリーの動作デモ動画>


■まとめ
 Switching Logger“SWL-903”は、まだ改良の余地も開発の余地も残っているのだが、まずは実戦投入可能なモデルを製作することはできた。


 既存設備を利用した「タリー送信」や汎用テンキーでの「リモートスイッチング」など、“SWL-903”に実装した“おまけ”とも言える機能は、特殊な追加機材を必要としないことを目標にしてあるため、おおむね読者さんからの反応は良好だ。


 一方、肝心の「スイッチングロガー」の機能については、2年前の発表記事に詳細を丸投げしてしまったので、イマイチ反応が薄い。
 あくまでも Switching Loggerシステムの「売り」はロギング装置の“SWL-903”とXMLコンバータとも言える“SwitchedXML.exe”による『現場スイッチングのノンリニア編集タイムラインへの再現』である。

 だが確かにこちらの説明不足で、ワークフローや“SwitchedXML.exe”により何が実現できるのかイメージしにくい部分もあると思われる。
 この点については、近いうちに「Switching Logger」(/スイッチングロガー)システムについて、より詳しくご紹介したいと思う。


 最後に、夏休みの貴重な時間を使って Switching Logger“SWL-903”の開発に尽力してくれた、プログラマの松ケンに深謝申し上げたい。


<この夏の開発現場@タイムコード・ラボ>


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−>>2019/08/22/(Thu) Switching Logger “SWL-903”・基本機能の紹介

 この度、タイムコード・ラボでは「Switching Logger “SWL-903”」を開発した。



 2年近く前に「Switching Logger(_prt)」を発表し、それからボチボチと開発は継続していたのだが、事実上の塩漬け状態でこの夏まで放置していた。

 まず、お復習いとして「Switching Logger」(/スイッチングロガー)とは、何か説明したい。

 映像スイッチャーを使ったマルチカメラ収録では、後日にスイッチングミスの修正や、より良いカットに変更したりする編集作業をしてから、最終納品することになる。
 いずれ、ノンリニア編集で修正作業を行う必要があるのであれば、現場でスイッチングしたタイミングを編集ソフトのタイムライン上に再現してしまおう!――というのが、Switching Logger の基本発想だ。


<スイッチングロガーによるワークフロー>



 またその副次的な効果として、
 ・4Kカメラ素材の編集での活用
 ・外部出力遅延のあるカメラの編入
 ・カメラステータスを外部出力に載せたままスイッチング可能
 などといった従来のスイッチングでは手間やタブーとされていた事も可能になった。

 Switching Logger システムによって、実現することの詳細は以下の記事に詳しいので、改めて確認していただきたい。 
 ※http://next-zero.com/ToppageCNT/sousou-zasshi/nicky.cgi?DT=20171003A#20171003A
 ※http://next-zero.com/ToppageCNT/sousou-zasshi/nicky.cgi?DT=20171020A#20171020A

 
 さて、現場のスイッチングを編集ソフトのタイムラインに再現するという目的は、既に「Switching Logger(_prt)」で実現していた。
 2017年11月の段階で、EDIUS Pro に対しては EDIUSのプロジェクトファイル “*.ezp”を直接書き換える事を実現し、特に親和性の高いシステムに更新できていた。
 他のノンリニア編集システム(Premiere Pro・DaVinci Resolve・Final Cut Pro 7など)に対しては、XMLによる対応が可能だ。



 今回新開発した Switching Logger “SWL-903”では、上記に加えて次のことを実現した。

 ・ログの本体記録
 ・タリー送信
 ・リモートスイッチング


<タイムコード入力端子とタリー出力端子を備える>


■ログの本体記録
 「Switching Logger(_prt)」では、マイコンに Arduino を利用していたため、マイコンローカルでのスイッチングログの保存ができなかった。
 スイッチングログは、HH:MM:SS:FF = Xカメラ といった単純な情報がスイッチングを行う度に記録されるだけで、ログファイルとしては数キロバイトに過ぎない。
 そんな数キロバイトの情報を記録するために、USB接続でのパソコンが必要であった。

 しかし、流石にそれでは現場の機材が多くなり煩雑と言うことで、Switching Logger本体での記録を行えるように改善した。
 Switching Logger “SWL-903”では、マイコンに Raspberry Pi 3シリーズを使用。
 Raspberry Pi(ラズパイ)にUSBメモリやカードリーダー経由でSDカードなどを接続することで、ログがメモリやカードに記録される。
 それを編集PCに持って行き、専用アプリでコンバートする事で、スイッチングログ・ワークフローが利用できるようになった。


<Raspberry Pi に備わるUSBポートとLANポート>


 パソコンが不要になったことで、ログの記録開始操作も “SWL-903”で行う必要がある。
 ラズパイは、液晶画面にGUIを表示したりマウスやキーボ―ドによる操作も可能なのだが、最初の設計では物理スイッチを本体上に設けることで、マウスやキーボードを収録現場に持ち込む必要がないようデザインしていた。
 しかし液晶画面パーツを選定する際に、液晶画面基板にプログラミング可能な物理スイッチが実装されている製品を発見。
 このスイッチをログ記録のスタート/ストップに割り当てる事で、スマートなログ記録操作を実現した。

 さらに、システムのシャットダウンも、基板上の物理スイッチに割り当てているため、マウス操作なども不要になっている。


<USBメモリが Raspberry Pi の左に刺さっている>


 なお、液晶画面には入力されているタイムコード値やスイッチングされているチャンネルの明示などをGUIによって行っている。
 液晶パネルの描画遅延が大きいため、タイムコードの表示などは数フレームのズレが生じているが、内部の記録はズレていないので安心して欲しい。液晶画面は飽くまでも正常に動作しているかの確認用と割り切っている。 


■タリー送信
 スイッチングロガーでは、何時何分何秒何フレームに何カメがスイッチされているかを記録するシステムだ。
 それはつまり、Switching Logger “SWL-903”が、スイッチャーのスイッチングタイミングを認識していると言うことなので、その情報をタリーとして取りだして、各カメラにタリー情報を送ることで、マルチカメラ収録に必要なタリーシステムを構築することができると考えた。

 タリーを取り出すこと自体は難しい事ではないのだが、今回開発に利用した Roland V-1SDI は少し他のスイッチャー製品とはタリーの取り出し方が違う。
 多くの業務用スイッチャーには、専用のタリーアウト端子が用意されており、そこからタリー情報を取り出せる。
 大抵のスイッチャーのタリーアウトはオープンコレクタ仕様なので、受け取る側は単純な“電気回路”を組めば、容易にタリーシステムを用意することができる。

 しかし、Roland V-1SDI の場合は、本体の RS-232Cからのシリアルコマンドとして、タリー……というか今どのスイッチが押されているか、という情報(stxQPL)を出しているため、その情報を受取るにはコマンドを読み取って解釈し、それを電気信号に変えて出力する必要がある。

 それ自体は「Switching Logger(_prt)」で既に解釈できていたのだが、タリーシステムとして利用するには、もう一つハードルがあった。
 それは、2カメラ間のトランジション中のタリー処理だ。
 例えば、1カメから2カメにディゾルブする際に、タリーの点灯動作は1カメのみのONタリーの状態から、ディゾルブを始めると 1カメ/2カメ共にONタリーになり、ディゾルブが2カメに行ききると、1カメはOFFタリーになり 2カメのみONタリーの状態になる。
 タリーの動作としては当たり前のモノなのだが、V-1SDI の場合は仕様上の制限があって、2カメ同時ONタリーを実現するには工夫が必要であった。
 当初、V-1SDIに備わる USB-MIDI 接続からコマンド情報を横取りして、タリーシステムを作る方法も模索した。
 この方法自体は上手く行き、2カメ同時ONタリーも実現していたのだが(2018年5月)、USB-MIDIを利用すると Roland の外部コントロールソフトの“RCS”が利用できなくなる。V-1SDIに1つしか無い USB端子をスイッチングロガーが占有してしまうからだ。

 そんな事もあって、技術的には実現出来ているが現場の実用上の制限をどうするか…割り切るか……と色々と悩んでいるうちに1年以上の塩漬け期間が生まれてしまった。(私も松ケンも忙しくて2人が会える時間が無かったというのが一番の理由だが)

 ただ、タリーシステムは何としても完成させたかったため、松ケンと私でこの8月の夏休みを調整して、完成に漕ぎ着けた。

 もちろん、タリーは RS-232C端子からのシリアルコマンドを利用。V-1SDIのUSB端子は使用しないので、従来通りRCSソフトウェアは利用できる!
 RS-232Cからのトランジション中の2台のカメラ情報の取得には、少し工夫を加えることで実現。
 一番の懸案事項であったタリー出力問題を解決した。

 タリー情報が取り出せれば、それを各カメラに送る必要がある。
 今回は、V-1SDIのチャンネル数に合わせて4カメ分のタリーランプユニットを作った。


 さて、タリー送信にはもう一つ考えなければならないことがある。
 「どうやってタリー信号を出先のカメラに送るか」だ。
 単純にタリーランプを光らせるだけなので、小学校の理科の工作レベルで2芯ケーブルを使えば、そのオンオフは可能だ。
 だが、その為だけに「タリーケーブル」を布設するのか!?という現場レベルでの課題が出てくる。

 マルチカメラ収録の現場で、光電気複合ケーブルを使ったシステムカメラ(放送・業務用中継カメラ)であれば、ケーブル1本で中継に必要な回線の全てが賄えるが、ハンドヘルドカメラなど、本来マルチカメラシステム用ではない機材を利用する場合、必要な信号回線は全て1本1本引く必要があるというのが通常だ。

 例:
 ・カメラ出力  / カメラ → スイッチャ
 ・リターン映像 / スイッチャ → カメラ
 ・インカム   / カメラ ←→ スイッチャ
 ・タリー    / スイッチャ → カメラ

 これらの線を、各カメラにそれぞれ布線する必要がある。
 そこで、セッティングや撤収をスマートにするために、一部を無線化したり、光ファイバーケーブルに変更することで一纏めにしたりする工夫を行う。

 タイムコード・ラボのシステムでは、カメラとスイッチャー間を光ファイバーケーブルにしており、上り下り回線(カメラ出力とリターン映像)を1本の光ファイバーケーブルで済ませている。
 また、インカムはBluetoothにすることで高音質で無線化を実現している。

 タイムコード・ラボのマルチカムシステム:
 ・カメラ出力+リターン映像 /光ファイバー
 ・インカム         /Bluetooth

 つまり、各カメラに引くケーブルは光ファイバーケーブル1本だけだ。

 このように折角、スマートなシステムになっているのだから、タリーランプを光らせるためだけに、追加のケーブルは引きたくない。
 タリーをワイヤレス化することも考えた。だが、イベントなど観衆の集まる不確定な現場で無線化するのはリスクもある。技適を通ったデータ通信用の無線モジュールでの通信飛距離のシビアさも考慮に入れる必要がある。
 
 そこで考えついたのが“タリーコード”の開発と“音声伝搬”だ。
 つまり、タリーを“タイムコード”のように“タリーコード”として規定し、それを音声回線で各カメラに送るというものだ。
 ご存知のように、タイムコードは回線上は音声信号として扱える。時間値をエンコードしてビットストリーム化し、それを受け取る側でデコードして時間値に戻している。則ち、時間 → 音声ストリーム → 時間 という処理を経てタイムコードとして受け渡している。
 同様に、タリーも1〜4カメそれぞれに、ビットストリームを規定してエンコード。それを音声回線に乗せて出先のカメラまで届け、出先のタリーランプユニットでデコードして光らせる。

 タリーコードを送り届けるための音声回線は??
 大丈夫だ。既に布設されている。
 リターン映像用の回線だ。
 リターン映像には、HDMIかSDIケーブルかでスイッチャーとカメラを繋いでいると思う。だが、HDMIもSDIも音声をエンベデッドできるのに、利用しているのはリターン用の映像だけ。音声回線は余っているのだ。
 Switching Logger “SWL-903”では、リターン映像用の HDMI や SDIのエンベデッド音声回線に、タリー情報を載せて出先タリー送信を行うのだ。
 タリー送信のために、新たにケーブルを引く必要は無いのである。

 もちろん、別途音声ケーブルを引っ張ってタリーを送信しても構わないし、さらに言えばワイヤレスマイクで“タリー音声”を飛ばすこともできる。
 応用すれば、出先のワイヤレス中継カメラに、ワイヤレスインカムやマイクの回線を利用して、タリーを飛ばすことも可能なのだ。
 (※ワイヤレスシステムのコンパンダーの特性などにより、正常にタリーコードのビットストリームが送れない場合もあります)


<手元にあった AZDEN“PRO-XD”と組み合わせでは、タリー送信可能だった(一部、課題あり)>


 有線タリーもワイヤレスタリーも音声を扱うのと同じ手順で送信できるため、複雑な中継システムを組んでもタリーシステムは単純化できるのもメリットだろう。
 
 タイムコード・ラボのシステムの場合は、納品編集をスイッチングロガーシステムで行うと割り切れば……
 1.Roland V-1SDI のアナログ音声入力にタリー信号を入力
 2.V-1SDIからの SDIアウトをカメラのリターンモニターに入力
 3.リターンモニターの『イヤホン端子』にタリーユニットのケーブルを接続

 以上で、タリーが点灯する。
 スイッチャーのアナログ音声にタリーを入れて、モニターのイヤホン端子からタリーを取り出す。
 こんな意味不明なシステムは、Switching Logger “SWL-903”だけだろう(笑

 だが、既存のシステムに殆ど追加機材不要で、タリーシステムを追加できることを最優先に考えた結果なのだ。

 ※この場合、収録されるPGM音声にはタリー信号の音声が乗ります。実用上は、V-1SDIには直接タリー信号を入力せず、カメラ側へ送り返すSDI信号にBMD Mini Converter Audio to SDI などを使ってタリー信号を音声エンベデッドしたものを送出します。

 
■中締め
 現在の Switching Logger“SWL-903”は Roland V-1SDI に特化した作りになっている。
 RC-232Cシリアルポートからコマンドを取り出さなければならないという理由からV-1SDI専用連携仕様になっている。
 だが、もともとタリー信号を取り出すのが簡単な、一般的なオープンコレクタ型のタリーアウトを備えるスイッチャであれば、今後の追加対応は難しくない。
 SONY や Panasonic、朋栄、池上はもちろん、 ATEM や TriCaster でも Switching Loggerは対応できるだろう。

 それらのスイッチャから操作ログを記録し、編集ソフト上で現場スイッチングを再現し、編集作業を楽にする。
 また、各カメラに追加ケーブル無しでタリー信号を送り出すことも可能になる。

 Switching Logger“SWL-903”を入れる事で、現場やその後の編集のフローがどのように変わるのか? 是非、想像していただきたいと思う。


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−>>2019/08/18/(Sun) Roland V-02HDとクロマキー合成現場。

 発表当時から注目していた Roland のスイッチャ“V-02HD”。
 HDMI入力専用の小型軽量 2CHスイッチャーだ。


 縁あって、V-02HDの発売に合わせてPRONEWSさんとビデオサロンさんにレビューを書かせいただき、また InterBEE 2018 の Rolandさんのブースでは2日ほどトークセッションもさせていただいた。

※参考:https://www.pronews.jp/column/20181112150022.html(PRONEWS)
※参考:http://www.genkosha.co.jp/vs/backnumber/1912.html(ビデオサロン)

 「HDMIしか入らない…」「入力2系統だけなんて何に使うの?」なんて声も実際に耳にしたが、まぁ“2CHスイッチャ”としてしか V-02HD を見ていないなら、そう思うのも無理はない。
 だが、こう言ったガジェットは想像力やアイディアでグッと利用シーンを広げるのだ。
 そんなわけで、去年のInterBEEのブーストークでは、V-02HDが使えそうなシーンを想定したお話をさせて頂いた。
 その中で「ENG収録でのクロマキー合成現場」での利用というのを例に挙げていた。
 
 当時は、あくまでも「例」として取り上げただけで、実際にそのような使い方をしたことは無かったのだが、今回「ENG収録でのクロマキー合成現場」に実戦投入することができた。
 企業案件のため、詳細な内容や現場の写真などは公開できないのだが、どのような活用を行ったのか記したい。
 


 Roland V-02HDにはクロマキー合成機能がある。
 青と緑から抜き色を選べるのだが、SAMPLING MARKERを使うことで、青・緑以外の抜き色も画面内の被写体から指定可能だ。
 クロマ(CHROMA)機能のパラメーターは他にも
 ・HUE WIDTH = キー色の色相の幅を調整
 ・HUE FINE = キー色の色相の中心位置を調整
 ・SATURATION WIDTH = キー色の彩度の幅を調整
 ・SATURATION FINE = キー色の彩度の中心位置を調整
 上記のような細かな抜き色の指定や範囲の調整が可能だ。

 まずは、使い方を理解するために、ラボで実際に合成で使う青布を使って試してみる。
 調整はそれぞれの項目の意味が理解できていれば簡単で、少し試行錯誤すれば感覚が掴める。
 合成結果も当然リアルタイムで反映されるので、実際の抜け具合を見ながら調整できる。



 使い方を理解したところで、いざ現場での合成だ。
 今回は、事前に撮影した実写映像(背景)にクロマキー撮影した人物を合成するというもの。
 背景撮影時に、カメラの高さ・被写体からの距離・レンズの焦点距離などを全て記録し、クロマキー撮影時にそれを再現する。
 極めてアナログな方法だ。
 カメラは、JVC GY-HC900。H.264による 4:2:2/70Mbps収録としクロマキー合成にも十分対応できる。

 
 クロマキー撮影は専用の撮影スタジオなどではなく、その企業の会議室で行った。
 クロマキー用の布と照明はタイムコード・ラボで用意し、プロの照明マンも手配。
 撮影現場では、ディレクターのPCから撮影済みの背景映像を出力してもらい、それを V-02HD で合成するというものだ。


 ただし、今回の撮影は人物の全身が映る FFショットが多く、更にワイドに引いて人物が小さく写るアングルも多かった。
 カットによってはカメラと被写体が5mも離れている事があった。
 一般的な会議室の広さ。用意したクロマキー用の布のサイズも 3m×6m のサイズしかなく、カットによっては画面全体を青い布でカバーできないことも想定された。
 実際の合成処理はノンリニア編集ソフトでポスプロ処理され、青くない部分もマスクを掛けるなどして合成されるため、撮影素材が全面青色である必要は無い。
 しかし、現場ではクライアント…つまり企業側の担当者が、今どのように写っているのかを確認してくる。企業モノの映像制作では良くある事だが、映像のプロではない彼らが合成結果をイメージするには部分的に合成されている映像よりも、実際に全画面が合成されている映像でないと判断しづらい。

 そこで、現場のクロマキー用の布の外も合成できるように、もう一段スイッチャを挟むことにした。
 Roland V-1SDIに「青い映像」を入力して、それを現場の実写映像にワイプやスプリットで合成して、「青い布以外の部分」を塗りつぶす。「青い映像」は、タブレットPCの“Surface”で青画像を表示して、それを V-1SDIに入れている。
 その結果、画面はほぼ青色で埋め尽くされるので、それを V-02HD に入力して合成するのだ。


 これで、限られた面積のクロマキー用の布であっても画面全体を合成できる。
 勿論、元の青い布から被写体がハミ出さないようにするのは大前提だ。

 合成カットが 1〜2カット程度なら、実際にノンリニア編集ソフトに取り込んで、即席で合成結果を提示することをも難しくは無いのだが、今回は無理だ。
 なんといっても、今回の合成カットは 30カット以上もあり、いちいちノンリニア編集ソフトに取り込んで確認していられなかったからだ。

 このやり方は大成功で、クライアントにもディレクターにも、最終的な合成の状態がイメージしやすいと喜んでもらえた。
 V-02HDでのキー合成は精度良く、合成の為のパラメーター調整もスピーディーに行える。
 クライアントやディレクターが合成具合を気にした部分があれば、直ぐに彩度やその範囲を調整して、より良い結果をリアルタイムに返すことができた。

 V-1SDI を追加したことで、少し大袈裟なシステムになったが、それでも V-02HDと合わせて考えてみても A4用紙の面積で事足りるシステム規模だ。
 十分にコンパクトと言えるだろう。


<左:Roland V-02HD / 右:Roland V-1SDI>


 V-02HD は片手で握れるほどのコンパクトさだが、中身は Roland品質そのもので、映像信号の内部処理は 4:4:4 10bit対応と、ポスプロに頼らずとも現場で合成してしまっても良いクオリティーを発揮してくれる。
 そんな、高精度の処理で合成結果の現場確認をしたお陰で、当然最終的なポスプロ合成も完璧。
 後日、「まるで元々から人物がその場所にいたような合成ができた」と高評価を頂いた。
 これも、最終結果と同等のクオリティーで現場のカメラ調整や照明作りができたお陰だろう。

 
 Roland V-02HD はスイッチャとして見れば、単なる 2CHを切り替えるだけのデバイスだが、その筐体に搭載されている機能は上位機種に負けない豊富さと高性能を誇る。
 「シームレススイッチング」「入出力の双方にスケーラーを搭載」「サイズ・位置調整自由な PinP」「フットペダルによる外部コントロール」「バッテリー駆動可能」そして「キーイング機能」――例えばこのような機能を見れば、何か自分の現場でも活かせるシーンを考えてしまわないだろうか?

 システム“中核”のスイッチャとして捉えれば、V-02HDの活躍の場は狭いが、映像システムの“中間”機材として考えることで活用の場は大きく広がりを見せる。
 そして、機材バッグの中に入れておいても邪魔にならないサイズと重さだ。

 何か、ふとした瞬間に絶妙な使い方を思い付いて、現場を助けてくれる。
 そんなガジェットが V-02HD ではないかと思う。


※製品ページ:https://proav.roland.com/jp/products/v-02hd/
※機材協力:ローランド株式会社



追記:
2019年7月20日発売のビデオサロン本誌に、SONY PXW-Z190 vs Panasonic AG-CX350のレビューを書かせて頂きました。
是非ご覧下さい!

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