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−>>2020/11/22/(Sun) Libec NX-100C 着弾インプレッション!


 Libec の新三脚シリーズの片翼、NX-100C が本日着弾した!
 まだ細かな部分や実際的な使用でレビューはできないので、詳細レビューは後日に回すとして、とりあえず着弾インプレッションをざっくりと速報でお伝えしたい。


 Libec NXシリーズは、ミラーレス一眼カメラから大判センサーカメラまでを搭載できる、新三脚シリーズでミッドスプレッダーモデルのNX-100MC/NX-300MCは総重量3.8kgと世界最軽量を謳う。
 NX-100シリーズは最大搭載重量4kg、NX-300シリーズは最大搭載重量10kgとなっている。
 部品削減や主要パーツの樹脂化など徹底した軽量化対策を行い、また脚部は新設計のカーボン脚となっている。


<左:NH10(NX-100シリーズ) / 右:NH30(NX-300シリーズ)>


 雲台はDualHead採用で 75mmボール三脚やスライダーなどのフラットベース機材への取付対応ができる。
 カウンターバランスは0〜5段階のステップタイプで、また同様にドラッグも0〜3段階となっている。

https://www.libec.co.jp/products/nx/features.html

 さて詳細はメーカーWEBサイトを参照していただくとして、実際の使用感だ。
 とりあえず今日は夕方に NX-100Cが着弾して、編集作業の合間に10分だけ屋外で軽く触っただけだ。あとは帰宅して夕飯前に少しだけ料理接写想定で5分ほど使ってみた。(嫁が早く食えと無言のプレッシャーを掛けてくるので撮影は手早く済ませた!)



 まず、特徴的なのは『色』だ。
 黒と金! これは驚きのデザインだ。
 NX-300シリーズも憲房色というか空五倍子色というか…独特の色合いを採用している。
 側面のモールドも、和風テーストの紋様が刻まれており、日本を強くイメージさせるデザインだ。


 今回の NXシリーズは『 Japan Crafted 』を全面に押し出しており「Made in Japan 」をユーザーが感じ取れるデザインとなっている。
 まだまだ海外市場では「Made in Japan」の価値は高いということで、日本の会社が日本人の職人の手で日本で製造したことをアピールする狙いが大きい。
 個人的には、「日本人が思う日本」というよりは「外国人がイメージする日本」を再現したように感じる。


 さて、NX-100の金色は確かに目立つが、ピカピカして下品……というカラーリングではない。金色でも落ち着いた色合いに抑えられており、写真で見るよりは大人しく見える。
 カラーリングの好き嫌いは置いて於いて、こうしたカラーリングはガラスへの反射などに影響すると考えられるが、実際に確認してみると思ったほどは目立っていなかった。もちろん全く無視できる映り込み具合ではないので、黒布を巻くなどの対策は必要だろう。(これは三脚に限らず、カメラのメーカーロゴや、そもそものカメラマンの服装や肌なども映り込み対策が必要なので、意識はしておきたい…と言う程度の影響だ)



 次は重さだ。
 これは、軽い。本当に、三脚軽い!
 良い画が撮れれば三脚はどんだけ重くても良い…と半ば本気で思っている私だが、やはりワンマンで移動するときは軽さは正義だと感じる。
 樹脂製雲台とカーボン脚の組み合わせは軽量化を見事に叶えている。


 NX-100Cを使おうとして最初に気が付いたのが、脚部の伸縮のロックレバーが下部についている点だ。
 上段パイプを伸縮させる場合も、しゃがまないといけないのがちょっと億劫だ。
 NX-100の場合はミラーレスなど比較的軽量のカメラを載せることになるので、それほど扱いにくくは無いだろうが、NX-300で重量級のカメラを載せてワンマンオペレートで扱う場合は、三脚の伸縮には注意したい。

 
 カメラを載せて、雲台のバランスを取る。
 カメラは、Panasonic GH5 と BMD BMPCC4K を使用。
 カウンターをゼロ状態にして、スライドプレートで前後バランスを出す。
 次に、5段階のカウンターバランスダイアルで、適切なカウンターを出す。
 が、これが私は苦手だ…。基本、Vintenなどの無段階カウンターバランスに慣れているので、Sachtler系のステップ式のカウンターバランスは調整の正解が分からない…。カウンターが足りないか、カウンターが強すぎるかのどっちかで、それをティルトのドラッグ力で押さえ込む……というイメージがあり、Sachtler系は好きでは無いのだ。
 まぁ、Sachtler を使う現場も多いので、なんとか折り合いをつけてやっている。

 今回 GH5では、カウンターバランスは「3」にしてやや跳ね返ってくる程度にした。


 次に、ドラッグを調整する。
 「0」の時はフリー状態で、「1」から雲台のワークに粘りが出てくる。
 私はドラッグは重たいめが好きなので一気に「3」に入れて試用。
 大変に滑らかで気持ちの良いティルトやパンの重みが出せる。

 クローズアップレンズをレンズ先に取り付けて、料理接写を模擬撮影したが、雲台のワークはかなり思い通りに動く。出来の悪い雲台に見られる様なドラッグのクセなどに引っ張られて、微妙な進路変更などのワークが妨げられる……ということが無い。
 ななめパンも階段状にカクカクすることなく、素直に「ななめ」にワークできた。

 一見あたりまえの事を言っているように思うだろうが、これがちゃんとできる三脚は、大金を払わないと出会えないことが多い。
 その点 NX-100Cは安価な価格帯で、それを実現している優秀な雲台を持った三脚システムと言えるだろう。

 欲を言えば、ドラッグはもう一段階"重い"ステップが欲しかった。
 接写を行っていると、ドラッグ「3」でもワークを少し軽く感じてしまう。
 さらに速度を落として"ねっとりとした"ワークも行ってみたいので、もう少し最高ドラッグが重たいと嬉しい。
 ただ、NXシリーズは雲台の主要部品が樹脂製という事もあり、あまり重たいドラッグだと、樹脂の捻りや割れなどを招くかもしれない。このあたりは軽量化とのトレードオフの部分もあると思う。
 その意味では、三脚システムのトータル重量からこの雲台ワークの重みと、安定性を実現している点は凄い。

 実際、脚部の捻りや雲台樹脂の歪みによるバックラッシュ(撚り戻し)は感じなかった。
 特に脚部は上段のパイプの幅を広く取る事で捻れ剛性を高めたとしており、ボールヘッドの受け部分は、100mmボールにも対応できるのではないかというぐらい広く作られている。


 一方で、撮影素材を確認していて気になったのが、完全カウンターバランスを取れないことによる、画面の揺れだ。
 ワーク中は殆ど気にならないが、ティルトワークのイン点/アウト点…つまり静止している時は、バランスしないので手で支えておく必要がある。
 その揺れが接写シーンだと特に大きく出ているので、ここは気になるところだ。
 決まり画でバランスするように、それに合わせてカメラの前後バランスを取っておくというのが、差し当たっての解決方法になるだろうか。(Sachtler系の人はどうしているのだろうか?) 


■まとめ
 とにかくも、この小型軽量な見た目からは、想像を上回る雲台ワークの安定さと、上質さだ。
 今回のテスト映像でやったような接写ワークは、同じ価格帯前後の三脚システムでも、思う通りにならないことがあるほどシビアなものだ。
 NXシリーズは、そうしたシビアなワークにも応えられるだけの実力を持っていそうだと分かった。

 今回は軽くテストしただけだが、今後ミラーレス一眼を使う実際の現場に積極的に NX-100C を投入し、実践力を確かめていきたいと思っている。
 NX-100C に関しては引き続き実践レビューを行っていきたい!


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−>>2020/08/11/(Tue) Apple Mac mini 2020 導入。


 自宅兼事務所の、事務用PCを更新した。
 この4年前後、事務用PCは Apple MacBookPro をクラムシェル状態で、外付けモニターとセットで使ってきた。
 しかし、やはりクラムシェル状態で MacBookPro を運用し続けるのは、排熱面で不利なのか軽作業でも排気ファンの唸りが大きく、また常時電源入れっぱなしのAC電源繋ぎっぱなしとしているので、バッテリー寿命を縮めていた。
 実際、昨年の7月ごろに買ったばかりの MacBookPro 15インチ Mid 2020 モデルのバッテリーが既に膨らんでおり、状態は良くない。(今週中に修理出しの予定)

 そこで、デスクトップタイプの Apple Mac mini を導入して、事務用PCを入れ替えることとした。


<Apple Mac mini 2020>


 私は基本 Windows しか使わないので、Windowsパソコンから選択しても良かったのだが、ある程度パワフルに動くCPUを搭載で、コンパクトなモデルが見つからなかったため、当初から目を付けていた Mac miniに落ち着いた。

 ちなみに、今回導入した Mac mini の仕様は
・CPU:3.2GHz 6コア 第8世代Intel Core i7(Turbo Boost使用時最大4.6GHz)
・Memory:16GB 2,666MHz DDR4
・GPU:Intel UHD Graphics 630
・SSD:512GB
・LAN:10ギガビットEthernet
 となっている。

 Mac mini 2020 は新しいモデルだが、2018年モデルと比べてハードウェアの進化が無く、価格が下がっただけ…という市場の"ガッカリ評価"は知っていたが、中古市場から2018年モデルを探してくるのも面倒だったので、素直に2020年モデルを発注した。


 Mac mini を導入するのは今回が初めてだが、このシンプルで小さなボディーは魅力的だ。
 やはり Apple製品のデザイン性の高さはユーザーの満足度が大きい。
 設置方法は「壁付け」にしたかったので、Mac mini専用の壁付けアタッチメントを購入。
 さらに、従来から使っているディスプレー(Dell U3415W)も壁付けアーム仕様に変更した。
 機材を壁付けにする事で、デスクの掃除をしやすくし、埃などが溜まらないようにするためだ。


 Mac mini の取付場所に少し迷ったが、基本的には電源入れっぱなしで殆ど触ることは無いので、さりげなく存在感を残しつつ、邪魔にならない位置に設置した。

 

 Mac mini には Windows 10 Professional をインストールし、Office 365 などの事務系ソフトと、簡易作業用に Adobe Creative Cloud と EDIUS Pro などのクリエイティブ系ソフトも数点入れている。
 GPUが脆弱なので(Intel UHD Graphics 630)、MacBookPro を使っている時と比べると Photoshopの挙動などがややもたつくのが気になるが、事務PCとしてはオーバースペックであるので、十分すぎる環境だ。


 Mac mini が固定PCとして設置されたことで、半固定だった MacBookPro の可搬性が向上する副作用もあり、今後のPC環境の使い分けと作業効率の向上が期待できる。

※本日の推奨物欲
    

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−>>2020/08/08/(Sat) SmallRig モニターホルダーマウント。


 先日、VP撮影の為の現場下見をした。
 現場には本番でも使用する GH5sを持参。
 下見なので機材を最小限にしつつ、ディレクターやクライアントがプレビューを見やすいように、ATOMOS SHINOBI SDI を GH5s に取り付けて、確認できるようにした。


 その際は、SmallRig のマジックアームで SHINOBI SDI をオンカメラしたのだが、この時はモニターを自由に動かす必要も無かったし、ロックもしっかりしておかないとアームが動くし、何よりもモニターとカメラの平行合わせが面倒だったので、下見終了後に SmallRig のモニターホルダーマウントを購入した。

 SmallRig のモニターホルダーマウントは何種類かあるが、選んだのはシンプルな"1842"。
 "1842"はネジ止めでカメラケージに取り付けるタイプで、ティルト方向のみ動く仕様だ。




 このタイプのモニターホルダーは、モニターの角度を変える際にロックを緩めたりする必要がないので、直ぐに欲しい角度にモニターを倒せるのが便利だ。

 また、"1842"は可動部の固さを調整できるため、搭載するモニターの重量に合わせてティルト軸の動きの重さが調整できる。
 ただし、六角レンチによる調整となるため、道具が無いと調整できない。
 現場で弛んできてしまうと締め直せないので、SmallRig のドライバーレンチセットなどを携行しておきたいところだ。


<銀色の2つのネジで、ティルト軸の固さを調整する。>


 使い勝手は上々で、最小限の機構と必要高でモニターをオンカメラできた。
 これを例えば自由雲台などで取り付けると水平などが取りにくく、また角度を変える場合にはロックを緩めたりする必要があるため、片手で操作できないなど現場では使いにくい。
 専用のモニターホルダーマウントであれば、そうした問題を解決してくれるし、何よりも見た目がスマートだ。
 もっと早く導入しておけば良かったなと思わせるガジェットだった。


※本日の推奨物欲
  


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−>>2020/07/30/(Thu) Libec TH-G3 用自作「軸ロックアタッチメント」


 Libec の電動ジンバル TH-G3 を導入して手から丸3ヶ月が経った。
 ジンバルを現場で効率的に使っていくために、いろいろと工夫を重ね、実戦投入でも力を発揮してくれた。
 が、同時に、実戦して行く中での課題も見えてきた。

 特に、現場で煩わしさを感じたのが、電動ジンバルの電源を切っている時に、回転軸をロックできないことだ。
 電動ジンバルは、セットアップの段階で静バランスを取る。電源を切っていても、水平状態が保たれて傾かないようにする事だ。
 この静バランスは、レンズキャップを外しておくのは当然のこと、カメラのバッテリーや液晶モニターの角度、ズームレンズなら焦点距離までも予め決めてからセッティングしないと崩れてしまう。
 それほど、シビアなモノだ。
 上手く静バランスが取れていれば、ジンバルの電源を入れていても切っていても水平は保たれる。


<静バランスの取れている状態ではジンバルの電源がOFFでもバランスが保たれる>



<キャップの有無や液晶モニターの角度が変わると、静バランスが崩れてカメラが回転する>


 しかし、移動中や待機中などでは、レンズキャップは取り付けておきたいし、液晶モニターも折りたたんでおきたい。
 そうすると、当然ながら静バランスは崩れて、カメラはジンバル雲台ごと大きく傾いてしまう。
 当然、移動すればグルグルと回転を起こし、非常に煩わしくなる。

 現在、最新モデルの DJI RONIN-SC や Zhiyun CRANE 3S では各軸に対するロック機構が備わっているのだが、電動ジンバルとしては周回遅れの Libec TH-G3にはロック機能は備わっていない。
 次のモデルでは改善されてくるとは思うが、問題は今の TH-G3 だ。

 そこで、3Dプリンタを使って「軸ロックアタッチメント」を自作した。
 作りは簡単で、直行するそれぞれの軸をアタッチメントで固定するだけだ。
 3DCGソフトを使って、それぞれの軸用のロックアタッチメントをモデリングし、それを3Dプリンタで書き出した。。



 上手くやれば、ワンタッチでロックできるアタッチメントも作れそうなのだが、カメラやそのセットアップで、ジンバルのアームの位置などが変わったりもするので、今回は敢えて3軸分をバラバラに作成した。


 ロールとピッチは同じアタッチメント形状でロック可能で、ヨー軸だけは専用の形となった。
 ただ、ヨー軸は直行するアームが無いため、少しロックの精度が甘くなってしまった。こちらは、運用しながら改良方法を見つけて行きたいと思っている。


<ロールとピッチのロックアタッチメント>



<ヨーのロックアタッチメント>


 「軸ロックアタッチメント」を取り付ければ、レンズキャップを取り付けたり液晶モニターを畳んだ状態でも、軸がグルグルと回ること無く安心して持ち運べる。


<レンズキャップ有や液晶モニターを閉じても軸ロックを掛けておけば安心>


 簡単な工夫だが、カメラやレンズを保護しつつ、安全にジンバルを運用できるので、作って大正解だったと感じている。


<試行錯誤しながら、今の形状に落ち着いた(左2つが試作モデル)>



※本日の推奨物欲
 

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−>>2020/07/05/(Sun) STC社製クリップNDフィルターテスト。

 STC社から発売された、マイクロフォーサーズカメラ用クリップフィルターは、カメラマウントにフィルターを挿入することができる撮影アイテムだ。
 国内で、よしみカメラが取扱を開始したということで早速購入し、撮影テストを行ってみた。
 
 ※参照:https://yoshimi.ocnk.net/product/237



 GH5などミラーレスカメラでの撮影が増えてきた昨今だが、現場……特に屋外で面倒なのがNDフィルターだ。
 一般的なビデオカメラと違い、ミラーレスカメラにはNDフィルターが内蔵されていないため、レンズ前に別途NDフィルターを取り付けるなどして運用する必要がある。
 動画撮影に於いては、シャッター速度は固定値が原則だ。シャッター速度:1/60か1/100が基本で、演出意図があって初めてシャッター速度を変える。
 動画撮影の場合は露出の調整のためにシャッター速度を調整することは無い。

 動画撮影での露出調整にはアイリスとゲイン(ISO感度)の2つを調整するのだが、ミラーレスで得られるボケを活かすためにアイリスを開放で固定して、ゲインを下げていっても、露出を適正にできない事がある。
 特に、GH5sなど明るいカメラを使っている場合は、F1.2やF2.4などといった明るいレンズの開放端を活かそうとすると、マイナスゲインだけでは下げきれない。

 そこで、NDフィルターを入れて光量を低減させ、最適な露出を得る。
 標準レンズや望遠レンズなどであれば、レンズ前用のNDフィルターを用意する。レンズによってフィルター径が違っても、ステップアップリングなどを使えば、同じフィルターを共用できる。
 だが問題は、広角レンズだ。
 タイムコード・ラボの場合は、広角レンズに OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO を使用しているが、レンズ前にフィルターが取り付けられない構造になっている。


<広角レンズ OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO >


 サードパーティー製のフィルターアタッチメントを使えばフィルターワークも可能になるのだが、使用できるフィルターが 150mm角の大きな物になり、また価格も一枚あたり2万円前後と高価だ。NDフィルターは光量によって使い分ける必要があるため、2〜3種類の濃度のものを揃えておくのが普通だろう。アタッチメントと合わせて一式10万近くなり、なかなかおいそれと手が出せなかった。

 そんな中、登場したのが STC社のマイクロフォーサーズカメラ用クリップフィルター。
 このフィルターは、カメラ側のレンズマウント内部、撮像センサーの直前に挿入することで、フィルターの効果を得られるものだ。
 NDフィルターの他にも星空撮影の光害カットフィルターなども揃っている。


 レンズの形状に左右されず、共通形態となるマウント側にフィルターを入れられるため、広角や魚眼レンズのようなレンズ前にフィルターが取り付けにくいタイプのレンズであってもフィルターが活用できる。
 また、カメラマウント側に固定されるために、レンズ交換を行ってもフィルターを付け替える必要が無いため、素早いレンズチェンジが可能になる。


 実際にセンサー前にクリップフィルターを挿入してみると、かなりしっかりと固定され、グラついたり回ってしまうような事も無い。
 マウント部分に乗せただけでは、リング部分が浮いてしまうので、指先でしっかりとリング部分を押させて「填め込む」必要がある。



 取り外す時は左右に設けられた小さな羽根部分に指の爪を引っかけて外す。慣れないうちはなかなか取り外せず、また爪が長いと上手く力がいれらなかったりと、取り外す方が難しかった。

 また、センサー近傍で作業するために細心の注意を払う必要がある。
 クリップフィルターの素材はステンレス鋼で薄く、カメラ本体に傷を付ける恐れもある。また指がセンサー部分に触れてしまうリスクもあるので、慎重に作業したい。


 
 さて取り扱い方が分かったので、早速屋外でのテスト撮影を行った。
 季節は7月初旬で梅雨の合間。天気は地面に影が落ちるぐらいの薄曇りだ。時間は15時〜。

 カメラは Panasonic DC-GH5s。
 レンズは OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO。
 動画撮影を前提としているので、シャッター速度を1/60に固定しての調整となる。

■フィルター無し:


 まずは、フィルター無しで撮影してみる。
 適正な露出を得るには、アイリス:F22/Gain:-8dB となった。
 確かに NDフィルター無しのシャッター1/60でも撮影は可能なのだが、ゲイン:-8dB(ISO:160)ではダイナミックレンジは狭くなるし、アイリス:F22 では小絞りボケによる画質低下が如実に現れる。
 全く現実的な調整値では無いし、また Gain:-8dB/アイリス:F22 は最低値でこれ以下が無いため、設定の幅がゼロということになる。

■ND8:


 次にSTC社製クリップNDフィルターの ND8 を取り付けて撮影してみる。
 シャッタ速度は 1/60のままにし、また Gainも基準感度の 0dB(ISO:400)にしてアイリス調整だけで適正値を出す。 
 結果は、ND:1/8/アイリス:F13/Gain:0db となり、パンフォーカス撮影などの意図があれば、この値でも使えるアイリス値まで絞れた。

■ND16:


 次に ND16を入れてみる。
 ND8の際にアイリス:F13が適正値だったので、理屈上は ND16でアイリス:F9.5 となる筈だ。
 実際には、GH5sのアイリス調整が、F13・F11・F10・F9.0であったので、適正値はF9.0となった。

■ND64:


 ラインナップとしては ND32が欲しいところなのだが、現状 ND16の次は ND64となっており、がっつりと減光するステップまで飛ぶ。
 理屈上は、ND64で F5.0前後が適正値になるが、この時はやや雲が薄くなったのか F5.6が適正値となった。

 GH5sの高感度では、ND64を入れても Gain:0dB/シャッター1/60で、アイリスは F5.0〜5.6ぐらいとなった。

■ND64/アイリス:F2.8


 OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm は開放端が F2.8 なので、ボケを活かした撮影を行おうとすると、F5.0からさらにアイリスを開く必要がある。
 開放 F2.8 にした場合のテストも行ってみたところ、Gain:-8db(ISO:160)にしても適正よりもやや明るくハイキーな映像となり、少なくとももう半絞り分は露出を下げたい。
 シャッターを 1/100程度まで下げれば適正になるだろうが、いずれにせよGain:-8dbということになる。
 開放 F2.8/Gain:0dB/シャッター:1/60で利用するならば、ND256のような濃厚なNDフィルター搭載のものが必要になりそうだ…。(そんなのあるの?)
 Gainをプラス方向に持って行くならば ND400 という製品はあるのでISO:1600にしてアイリス開放を得ることもできるだろう(デュアルネイティブISO採用の GH5sならば画質的にも問題ないはず)

 ND64を使って気になったのが、ホワイトバランスの差異。
 現場の液晶モニターでは気が付かなかったのだが、ラボでプレビューするとかなり赤く回っている。
 ホワイトバランスは固定で触っておらず、またND64のあとND8などのフィルタに入れ替えてテストを続けているが、ND8やND16だとホワイトバランスは元に戻っている。
 ND64のホワイトバランス問題は追試が必要になりそうだ…。

■ケラレチェック
 よしみカメラのWEBサイトには“一部の魚眼レンズ、超広角レンズ、広角レンズでの撮影はケラレやボケ現象を発生する場合があります”と書かれている。
 製品に添付の取扱説明書にも“14mm以上の焦点距離のレンズで撮影ください”とあるので、今回使った OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO はギリギリの焦点距離だ(35mm換算で 14-28mmとなる)。
 空を撮影して、周囲にケラレなどが発生していないか確かめた。



 結果は、アイリス開放でも絞り気味でも問題ないことが分かった。
 ケラレはレンズやカメラの組み合わせによっては出たりする恐れがあるので、事前にしっかりとチェックしておきたい。
 
■まとめ
 念願だった OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO での NDフィルターワークがこれで実現した。
 実は、丁度マウントNDフィルターを自作しようかと考えていた矢先の製品発表だった。マウント側にフィルターを入れるというのは昔からある手法だし、実際に放送用レンズの B4マウントにフィルターを入れて独自の世界観を演出している先輩カメラマンも前の会社にはいらっしゃった。
 
 現場でマウントフィルターを使う場合は、安全確保と段取りが大切になってくるとテストでは感じた。
 特に、NDフィルターを交換したい場合は、レンズをカメラから外し、フィルターもカメラから外し、そして別のフィルターを取り付ける。
 これを1人でやろうとすると、外したレンズをどこに置くか、どう置くか? フィルターの入れ替えの段取りをどうするか?
 これらをちゃんと考えておかないと、繊細なカメラの撮像センサーを長い時間外気に晒すことになる。
 2人体制になると、レンズやフィルターの交換もずっと楽に早くなるので、安全のためにもアシスタントやディレクターには積極的に手伝って貰おうと思う。


<GH5sの撮像センサー部>



<屋外だと気を遣う事が多い。フィルターも誤って地面に落としてしまうと…>



<違和感なく取り付けられた、クリップフィルター>



 また、複数のクリップフィルターを所持しないといけない都合から、付属の別々のケースに収めるのでは無く、ひとまとめにしたフィルター収納を使うと現場での取り回しが楽だ。
 私が使うことにしたのは、100円均一のコスメコーナーに売っていた何かのケース。女性がこれをどう使うのかは知らないが、ちょうどクリップフィルターが入り、重ねて1本にできる。


 ズボンのポケットなどにも入るので、持ち運びも楽で、ケースがバラバラになることもない。フィルターが増えた場合でも、更にスタックできるので拡張性もある(笑)

 今後は電動ジンバルの Libec TH-G3 を使った屋外撮影なども増えてきそうなので、今回購入した STC社製クリップNDフィルターが活躍しそうだ!

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