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〜 創想雑誌 〜
−>>2020/04/29/(Wed) Libec TH-G3 導入。
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ラボに初めて本格的な電動ジンバルを導入した。
今回チョイスしたのは Libec “TH-G3”。
昨年の InterBEE 2019 で発表され、それ以来注目していた。
国内メーカーとしては、おそらく初めての本格的な電動ジバンルで、三脚メーカーとして高精度の加工技術をもつ平和精機工業(株)の技術に期待しての購入だ。
■TH-G3
セット内容は、ジンバル本体やミニ三脚、バッテリー充電器などとなっており、それらが専用のキャリングケースに収められている。
カメラコントロール用の各種ケーブルも入っており、SONY、Canon、Panasonic などのカメラをジンバルから制御できる。私の今の手持ちの機材で TH-G3 の搭載するとすれば Panasonic DC-GH5s/GH5 になるが、問題なくコントロールできた(録画開始/停止)
また、GH5クラスのカメラを載せて運用する事が前提と考えたので、オプションアイテムの TH-G3用両手持ちグリップ“GD-3B”も一緒に購入している。
さらに、購入直前に専用の電動フォローフォーカス“GF-3B”も発表されていたため、こちらも購入した。発売は6月ということなので、手元に届くのが待ち遠しい。
TH-G3は、搭載重量が 500〜3600g と幅広い対応重量となっているため、軽めのミラーレスカメラから重量のある一眼レフまで搭載可能だ。強力なモーターを搭載しており、重量のあるカメラを載せても安定したスタビライズ機能を発揮するという。
バッテリーは 3.7V 2200mAh の 18650リチウムイオンバッテリー4本。挿入式で、充電は同梱の専用充電器で行う。
動作時間は載せるカメラ重量にも拠るが、最小12時間・最大18時間。
カメラを取り付けるスライドプレートは、Libec の THシリーズと共通で、更に ManfrottoやSachtlerのものとも互換性を持たせてあるので、カメラを三脚とジンバルで載せ替えて運用する場合もスムーズに行えるだろう。
またスマホ用の専用アプリ「Libec App」 も用意されており、アプリからジンバルのコントロールはもちろん、モーターの出力や本体ジョイスティックの感度など、様々な調整が行える。特にジンバルからのカメラ操作は、事前にアプリでカメラメーカーを設定する必要があるのでインストールは必須だ。
■ファーストインプレッション
・バランス調整
早速、GH5を TH-G3 に乗せて近くの公園で試運転してみた。
まずは、バランス調整だ。電動ジンバルは常にモーターの力を使って水平を保つように動作するガジェットだが、電源を入れてない状態でのバランス取りが安定した運用の肝になる。
いわゆる「静バランス」というやつで、電源OFF状態でカメラの前後左右のバランスがジンバルのアーム上で取れている状態を作り出す必要がある。
これは、モーター動作時に余計な負荷を掛けないためで、モーターをあくまでも水平を取ることに専念させるための下準備だ。
静バランスを取るときのポイントは、実際に撮影するときのカメラ状態で行う事だ。カメラの電源は入れなくても良いが、レンズキャップを外したり、コントロールケーブルを接続したり、液晶モニターも実際に使用する角度に開くなどした方が良い。ズームレンズで鏡筒が繰り出すタイプのものであれば、予め焦点距離も決めておく必要がある。
この状態でしっかりとバランスが取れれば、ジンバルの電源が入っていなくても、しっかりとカメラが前後左右の水平を保ったまま静止するはずだ。これらが狂っていると、カメラが傾いたり左右に回り出したりするので、再度微調整を行う。
なお、Libec App から、ジンバルのバランス状態を見ることも出来るので、目視でバランスが取れていると思ってもアプリで水平が狂っているよ、と教えてくれるのでそれを参考にしてバランスを追い込んでいくのも良いだろう。
しっかりとバランスが取れていることが確認できたら、カメラの電源を入れて、そして TH-G3 の電源を入れる。
これで、安定したスタビライズを得ることが出来る。
バランス調整に関してだが、例えば GH5 の場合、本体スライドプレートに直付けであればそのままバランスを追い込むことが可能だ。しかし、クイックシューなどで簡単に取り外しを行うスタイルを取るならば、重心が上がってしまってそのままではティルト軸バランスが取れなかった。(DC-GH5s+ SmallRigケージ + OLYMPUS 12-100mm)
そこでオプションのTH-G3用カウンターウェイト“GW-600”も追加で購入した。正直、総重量がかなり重くなってしまうのだが、このカウンターウェイトを使えば、GH5 に大きめのレンズをつけて、かつ重心を上げてしまっても対応可能だ。
ただ、少しスタビライザーの安定度は低下するように感じた。極力、重心を押さえてリグなども外したプレーンな状態で搭載するのが安定度も増す。何よりも軽くなるのでユーザーが楽になるだろう。
・グリップ
TH-G3の本体基部は太く、滑り止めも施されているので、GH5クラスのカメラを載せて運用してもしっかりとグリップできる。
長時間安定して運用したいならば、やはりTH-G3用両手持ちグリップ“GD-3B”があったほうが圧倒的に楽だ。
TH-G3 の本体から操作できるのは、ジンバルの電源ON/OFF、モード切替/ジョイスティック操作/そして録画とシャッターオートフォーカスなどとなっている。
・Libec App
また、スマホアプリの「Libec App」はジンバルの設定を変更するのに便利なので、“GD-3B”にスマホホルダーなどで取り付けて運用できれば更に使い勝手は向上しそうだ。
購入前は Libec App はオマケ程度に考えていたが、ジンバルの各モードの切替などにも便利なので、いま汎用のスマホホルダーを取り寄せているところだ。
・モード
ジンバルのモードだが、豊富に用意されている。
本体のモードボタンを押す度に「パンフォローモード」→「パン&ティルトフォローモード」→「ロックモード」と切り替わり、モードボタンを素早く3回押すと「ロールフォローモード」となる。
・パンフォローモード:ティルト/ロールがロックされ、パン方向のみ追随する
→パンしたらカメラは付いてくるが、ティルトしたりロールしてもついて来ず角度固定状態
・パン&ティルトフォローモード:ロールのみロックされ、パン/ティルト方向のみ追随
→パンとティルトにはカメラがついてくるが、ロールは付いてこず水平のまま
・ロックモード:パン/ティルト/ロールのすべてがロックされる
→どの方向に動かしても、カメラは一定の方向を向いたまま固定される。
・ロールフォローモード:パン/ティルト/ロールの全てが追随する。
→カメラを向けたい方向に向けられ、傾けたい方向に傾けられる
さらにアクションモードがあり
・アクションモード:素早いフォローを行う
というのも選択できる。
撮影スタイル(操作スタイル)は
・トップダウンスタイル
・ボトプアップスタイル
・ペンライトスタイル
の3つが用意されてローアングルや狭い隙間を通すなどのワークも簡単に行える。
・使用感
さて、実際に使ってみたところ、安定感は抜群だ。
開封してから30分あまりでフィールドテストを始めたが、簡単に滑らかな移動ショットが撮れてしまった。
今回は、両手持ちグリップ“GD-3B”を使ってのテストだったが、両手で安定して支えられるためにカメラワークに集中できるのが良い。機構上ジンバルで吸収されにくい歩行時の上下運動なども緩和されるように思う。
回り込みなどの、意図的にワークしたい場合はアクションモードに切り替えると、思い通りの動きができる。
各種モードでも、設定でフォロー速度やフォロー不感帯といった設定が細かく出来るので、撮影内容や自分の感覚にあった調整をそれぞれのモーター軸に対して行える。
また、現在選択しているモードのフォロー軸を任意に ON/OFF できるので、プリセットに無い「ティルトフォローモード」に相当するオリジナルモードも作ることができる。
ジョイスティックの操作速度も調整可能だ。
ここに6月発売予定の電動フォローフォーカス“GF-3B”が付けば、さらに思い通りの撮影が出来るようになるだろう。
・気になる点
まだ実戦投入前だが、気になる点もいくつかある。
・アクションモードとは?
いま、一番実戦を見据えて困っているのが、アクションモードの動作だ。
通常のモードではジンバルの方向転換などに対して、ゆったりとフォローがついてくるのだが、アクションモードでは安定感を保ちつつ、素早く方向転換可能で、意図通りのカメラワークとジンバルのスタビライズの両方が享受できるモードで気に入っている。
しかし、アクションモードになると各軸に対して素早い動きになるのでは無く、どうもパンモードが素早くなるだけのようなのだ。
つまり、ティルト方向などには固定状態で角度が変わらないので、ジンバルを下に向けてもカメラは真っ直ぐ前を向いたままとなってしまう。例えば八百屋さんの店先の野菜に寄っていきたくても、カメラが下を向いてくれない。ジョイスティックもアクションモード時は無効になるので、意図したワークはパン方向のみなのだ。
これが、ティルト方向でも素早くフォローしてくれると、かなり思い通りのワークが可能になる。
現状では、
パンフォローモード → パンフォローアクションモード
パン&ティルトフォローモード → パンフォローアクションモード
という動作のようなので、
パンフォローモード → パンフォローアクションモード
パン&ティルトフォローモード → パン&ティルトフォローアクションモード
のように動いてくれると、使いどころが増えると思う。
・ボタン操作の統一性
各社のジンバルは少ないボタンで多くの機能を実現させているために、連続何回押しなどがモードボタンと電源ボタンなどに分散しており、なかなかややこしい。
それは、TH-G3も同様だ。
特に、アクションモードはモードボタンではなく、電源ボタンの連続3回押しとなっており、機能とボタンが合致していない点はUI設計的にいただけない。
各ボタン操作で行える事を一覧しておく。
◆電源ボタン
長押し:電源のON/OFF
1回押し:バッテリー残量
2回押し:スタンバーモード切替(モーター ON/OFF)
3回押し:アクションモード切替
4回押し:ジョイスティック上下制御入れ替え(デフォルト設定時)
◆モードボタン
1回押し:各モードの切り替え
2回押し:各軸のリセット(センタリング)
3回押し:ロールフォローモード
この様な感じになっている。
気になるのはアクションモードへの切替が電源ボタン内にあるのと、ロールフォローモードが1回押しからトグルしているのではなく、3回押しで発動する点だ。
個人的な意見を言えば、アクションモードはモードボタン内にあるべきだ。
インターフェイス操作の同一性から言えば、ロールフォローモードもアクションモードも、ボタン1回押しによるトグル操作上にあるのが好ましい。
ただし、最大4回押さないと最後のモードに入れないのは使い勝手が良いとは言えないだろう。
その点では、特殊なモードへは複数回押しで入るというのは正解だと思う。
そうすると、アクションモード切替はモードボタンの連続2回押し、センタリングは電源ボタンの連続3回押しでも良かったのでは無いかと思う。
センタリングで言えば、電源2回押しでスタンバイに入った後、再び2回押しでスタンバイ解除でもセンタリングと同じ動作をする。その点からも電源ボタンの複数回押しにセンタリングを持ってきても違和感は無かったはずだ。
電源ボタンは、扱う他の機能を見てもシステムファンションボタン的な動作をしているのだから、そうした動作は電源ボタンに統合して、モードボタンはモード切り替えに関連する機能のみ集中的に扱うべきであると思う。
・操作系ユニットオプション
両手持ちグリップ“GD-3B”を試用した際の操作系ユニットのオプション製品の登場を期待している。
両手持ちグリップで撮影すると、当然ながら TH-G3本体の操作系ボタンは触れなくなる。いや、操作できなくはないのだが、片手は本体をグリップして、もう片手は GD-3B をグリップするというスタイルになる。それなら操作可能だ。
が、贅沢を言えば、GD-3Bのグリップ上でも操作出来ると最高だ。 例えば、右手にジョイスティックやモードボタンユニット、左手にフォーカスフォローダイアルユニット……などだ。スマホをGD-3Bのアームに取り付けるなどして、代替案も考えているが、やはりフィジカルな操作系オプションがあると嬉しい。
■まとめ
とりあえず、今回は短時間フィールドテストしたファーストインプレッションだ。
なんせ、本格的なジンバルを導入するのは初めてなので、移動ショット滑らかに撮れるだけで楽しい。
これから色々使いこなしてく中で、ジンバルならではのワークをマスターしたり、また課題点をみつけたりするだろう。
ジンバルとしては最後発とも言える状況で、このようなスタンダードなジンバル製品を Libec が出してきたことは正直驚きだった。
価格も先行する他社ライバル機に揃えた価格帯で、厳しい戦いの舞台に上がってきたと言える。
最後発として、日本メーカーとして、そのようなオリジナリティーや優位性を出していくのかが楽しみである。
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