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−>>2019/05/04/(Sat) ベトナム、そして、タイ。

 令和元年。
 皆様いかがお過ごしでしょうか?

 NAB Show 2019 のレポートはどうしたかって?
 ………すみません。
 PRONEWSさんと VIDEO JOURNALさんの記事執筆で、力尽きました。
 レポート記事はこちらからご覧下さい(汗
 https://www.pronews.jp/special/nab2019
 http://www.videojournal.co.jp/



 
 さて、私は4月25日から海外ロケに出ています。
 今回はベトナムとタイの2ヶ国。
 「平成」から「令和」に変わる瞬間は、タイにてスタッフと祝杯を挙げていました。


<ベトナム取材中。>


 ベトナムは今年の1月にロケに行ったばかりなのですが、半年を待たずして、またやって来ました。
 前回はハノイでしたが、今回は別の地方なので、また別の視点やネタで取材できていて楽しいです。
 今回のベトナムには、メインカメラの JVC GY-HM660 の他にもドローン DJI PHANTOM 4 Pro を持ち込んでいます。
 海外ロケ……特にリゾート地などの取材では、陸は勿論、海や空からも映像を捉えます。
 しかし就中ドローン撮影は注意が必要です。
 それは、国によってドローン対する規制や法律が違うからです。


 ベトナムの場合は、基本的には無許可でドローンを飛ばすことは禁止されています。
 政令第36号/2008/ND-CPにより、事前申請が必要になります。
 また外国人がドローンを持ち込む際、無許可の持ち込みは、そもそも空港での入国時の税関検査でドローン自体を没収される恐れがあります。
 当然ながら我々は、事前にドローンのベトナム持ち込み許可と、国内でのフライト許可を取っています。

 ベトナムでは、テレビ撮影には取材を監視する役人「インスペクター」がベトナム政府の外務省から派遣されます。インスペクターは我々の取材に終始同行し、ロケ内容を監視する役目を負っています。
 ……と書くと、すごく窮屈そうに聞こえますが、実際ところは「監視」というほどの事は無く、むしろ政府から取材許可を得ているお墨付きを与えてくれる役割を現在は果たしています。政府から出されている許可書を携帯しているので、公的施設などの取材は寧ろスムーズに行えます。
 10年程前は、帰国前日から数時間前に取材テープを全てインスペクターに預けて、当局で内容をチェック。その後、収録テープは厳重に封印がされ、ベトナムを出国するまでは開封不許可の体制が取られていましたが、現在はそんなシステムも無くなっています。
 私は何度かベトナムロケを行っていますが、インスペクターさんが以前と同じ人ということも度々あり「ご無沙汰しています。今回も宜しくお願いします」ぐらいのお互い勝手知ったる関係だったりもします。

 さて、インスペクターの話が長くなりましたが、ベトナムの空港では無許可のドローンの持ち込みは没収対象のため、空港税関までインスペクターさんが来てくれて、我々のドローン持ち込みが政府公認であることを税関に証明してくれます。そのため、スムーズにベトナム国内にドローンを持ち込むことができました。

 また、ベトナム国内でのドローンフライトは無許可ではできないのは先に述べた通り。
 こちらは、現地のコーディネーターさんを通じて『国防省』にフライトを申請。
 人民軍総参謀部作戦局から許可をもらっています。

 さらに、日本でいう国土交通省に当たる機関からも、市街地でのフライト許可をもらっているため、飛行制限エリアでのフライト規制も解除されています。
 夜間飛行もOKになっていました。
 加えて、世界遺産上空のフライトも許諾申請を通して頂き、貴重な世界遺産の空撮も実現しました。


<ベトナム、世界遺産でのフライト。>


 もちろん許諾とは別に、最大限の安全管理をフライト時には行っています。
 ドローンの飛行状態を目視で確認する監視員を2名立てて、有視界内で常に機体の位置を把握し、衝突などによる制御不能や墜落の無いように体制を作りました。
 一回一回のフライト時間を短くし、不用意に滞空させないなど、安全を考慮しています。
 当然ながら、海外対応のドローン保険にも加入しています。

 そうした体制で、海外でのドローンフライトを行っています。

 ドローンに対しては、各国で年々法整備が進んでいるため、前回と今回では法律が変わっている場合もあります。
 国によっては、免許制になっていたり、自国の業者しかドローン空撮を認めていなかったり、そもそもドローンの海外からの持ち込みを規制したりもします。
 いま滞在2ヶ国目であるタイ王国は、海外からのドローン持ち込みは禁止。税関で見つかると没収並びに罰金が科されます。我々のように別の国で利用して、やむを得ずドローンをタイに持ち込む場合は、税関で事情を説明して税関で預かってもらう事もでき、帰国時に返却手続きを取るなどの方法もあります。

 ドローンは、軍事や安全保障にも関連するため、海外での利用や持ち込みは大変に注意が必要です。その国ごとのドローン規制をしっかりと勉強しておきましょう。
 日本国内でのドローンに関する法律すら理解していない人は、絶対に海外にドローンを持って行くべきではありません。

 ドローンでの空撮は、いつも素晴らしい映像を提供してくれます。
 そのような体験を、今後も続けるためにもドローンを正しく使っていきたいですね。


<只今、タイで取材中。>


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