#!/usr/local/bin/php 【Next-Zero】『カメアシ興行紀』(/2003年10月)
 
 


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〜カメアシ興行紀〜

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■2003年10月02日(木)  SP○○D コンサート。
 カメアシ興行紀の更新を滞らせると、「死んだのか?」と思われるのですが、ちゃんと生きてます。
 この間の週末から週明けにかけてのスケジュールは…
 金曜日=休暇
 土曜日=出勤
 日曜日=休暇
 月曜日=休暇(小学校の撮影)
 火曜日=出勤
 水曜日=休暇
 ……という風に休暇続きで、火曜日の出勤も「機材整備」で機材庫で一人黙々と機材を整備して、中継用の小物を製造していたので、あえてネタもなくカメアシ興行紀には記しませんでした。

 さて、本日の話。
 起床、7:00。
 まずいっす…。
 7:02のJRに乗って現地集合するつもりが、起床が7:00。
 朝から、心臓バクバク状態です。
 直ちに、脳をフル回転させて、ひげも剃らず、歯も磨かず、顔も洗わず、もちろん寝癖も直さず、服だけパジャマから着替えて、部屋を飛び出します。
 マンションの最上階に住んでいますが、こういうときはエレベータの到着が待ち遠しくて仕方ありません。
 自転車を全力疾走で漕いで、駅に飛び込みます。

 今日は、某アーティストグループのライブ中継収録。
 2000年に解散した女の子4名からなるこのグループは、今年チャリティーライブで再結成し、現在全国ツアーの模様です。
 府内の某ホールでの公演で、本日が大阪最終日。その最終日だけ中継収録が入ります。
 開演は18:30ですが、技術スタッフの現場集合は7:45。
 リハーサルやサウンドチェックなど、事前の準備が色々とありますので、朝早くからのセッティングとなります。

 さて、寝坊した私ですが、現場最寄り駅到着が7:25。
 現場に7:30で何とか余裕を持って到着することが出来ました。もうヒヤヒヤものです。

 現場に入ればまずは機材をトラックから降ろします。
 次に、カメラの組み立て。
 布線は前日に終わっているらしく、カメラを運び込んで、その後モニターなどの設置をすれば準備は早々に終わってしまいます。

 11:00に大体のセッティングが終わり、11:30よりカメ調。
 その後、昼飯、技打ちとなり、午後からはリハーサル。
 アーティストも入れての部分的なリハーサルで、ゲネプロではありませんでした。
 私はステージ前下手のレール付きクレーンカメラのCA。
 カメラマン、クレーンオペレータ、CAと三人で一台のカメラのワークを操ります。
 
 夕飯を早々に済ませ、本番に備えます。
 お客さんがどんどん入り始め、予定より10分ほど遅れてのスタート。
 大変な盛り上がりです。
 コンサートの仕事に就くのは初めてでしたので、新鮮な感じ。仕事をしつつですが、間近で有名アーティストが見られるのは良い気分。
 以前から言っている様に、私はタレントやアーティストには疎いのですが、それでも有名なグループでメンバーの顔も判りますから、ファンでないにせよ十分楽しめました。
 
 レール付きクレーンのケーブル捌きですが、クレーン台車がレールを前後に動くに従って、ケーブルを巻いたりのばしたりするのですが、何せステージの直ぐ下で観客席の直ぐ前。スペースがあまりありません。
 初めは上手くケーブル処理が出来ていたのですが、動きが激しくなるしに従い、上手くケーブルが捌けなくなります。
 クレーンオペレータが、ケーブルを踏んで台車の前進を妨げたりしてしまい、迷惑を掛けてしまいました。
 しかし、やっていく中でやがて、橋頭堡とも言うべきポジションを見つけ、そこを基点にケーブルを捌くことで、素早く巧くケーブルを介錯することが出来ました。

 アンコール終了後、撤収作業へ入ります。
 スタッフの人数が多い分、撤収も素早く行えます。
 二階席のデカカメを撤収後、一階フロアーのケーブルを巻き取り、あとは機材車に機材を積み入れて終了は22:45。

 全18カメ体制。クレーン全4台と大規模なコンサート収録でした。
031002.jpg 550×413 37K

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■2003年10月03日(金)  なんだかなぁ〜。寝坊するとその日一日の調子が狂う…。
 どうしたんだ、俺? ……と自問したくなる程に、今日も寝坊です。
 おかしいです…。
 いつもなら集合時間の30〜15分前には現地に到着している私が、昨日といい、そして今日といい…。
 おまけに昨夜は寝ている間に鼻血は出るわ……で、朝から鬱です。(尤も、鼻血の件は、寝ていたにも拘わらず、鼻血が出た瞬間に気が付いて起きてしまい、処置を直ぐに施したので枕を汚したりはしませんでした。)
 
 今日は通常出勤時間の10時に機材庫集合だったのですが、起床したのが9時50分。
 過去最大の危機です。
 昨日と同様、時計を見るや否や全力疾走です。
 全く、連日何をしているのやら…。

 結局、到着したのが10時2分。
 事実上、入社以来初めての遅刻です。
 タイムカードを切るとかいう習慣は仕事の性質上ありませんから、私が遅刻したかどうかなんて本人にしか判らないのですが、運の悪いことに、今日は10時集合としながら、到着したときには既に機材の大半の積み込みが進んでいる最中でした。
 ……であるからこそ、私はいつも最低でも15分前には出社しているのですが…。

 流石に、準備が始まっている途中に顔を出せば、記載された時間に対して遅刻していようがどうであろうが怒られます。
 「ギリギリに出てきてどうすんねん!」と状況に対する遅刻に関して叱られてしまいました。
 やばいですね…。、明日は絶対に起きないと……。ちなみに、明日の集合時間は機材庫に7時です。

 さて、本日のお仕事は「ゴルフ中継」。
 ただし、いつものような大規模なものではなく、チャリティーゴルフの中継録画。
 スタッフも多くなく、また複数の中継車間を光ケーブルで結んだりすることもなく、後日の編集を前提としているためにセッティングはあっという間に終わってしまいました。
 私が担当するホールはショートホールということもあって、カメアシは私だけ。
 ですから細々とした雑事などは全て私が引き受けます。
 何度もグリーンそばの中継車からTeeまでを往復する一日となりました。
 途中、出先の50メートルのトライケーブルが死んでいる事が判り、そのチェックとケーブル交換に伴う再回線チェックに時間を割きましたが、そのほかは概ね良好。
 他ホールでも同様にケーブルトラブルがあったようですが、それ以外はスムーズに作業は進んだようです。
 いつもは全ホールの作業が終わって、揃って解散するのですが、今日はホール別に解散。
 明日も、ホール別に集合出発で、別ホール担当者は5:45集合。
 私は、7時の遅出班で良かったです…。
 ということで、明日こそ頑張って起きます!(何故最近起きられなくなったのかは不明…(汗))

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■2003年10月06日(月)  超図解! これが大ゴルフ中継の正体だ!
 最近、少々カメアシ興行紀の更新をさぼり気味だったので、お詫びという訳ではありませんが、以前からやっておきたかった「ゴルフ中継の基本的なカメラ配置」を紹介したいと思います。

 まずは下の図をご覧下さい。

 これが、大体何処の放送局でも採っているゴルフ中継の基本的な形態。
 今回はロングホールでのカメラ配置を図式にしてみました。
 とりあえず、復習として各カメラの説明をします。

バックティー(B.T):ティーの背後にあるカメラで、プレーヤーを背中側から捉える。見通しの良いホールではボールの方向などがわかりやすい。カメラはデカカメの場合もあるが、狭いティーの場合はハンディーカメラの時もある。
フロントティー(F.T):ティーサイドからプレーヤーのフォームや表情を捉えるカメラ。打つ前はF.Fでおいておいて、球を打ったら半拍ほどおいて表情にズームアップするのが一般的。
セカンド受け(2nd.ウケ):ティーからの飛球を捉えるカメラ。ボールをフォローし終わった後は、引きの画でボールの落下地点とグリーンまでの距離などを見せる。また、ティーからセカンド地点まで歩いてくる選手をフォローしたりもする。基本的にデカカメが多く、3段以上のイントレに配置される。ロングコースの場合はハイタワー(10段以上のイントレ)に据えられることも。
セカンドハンディー(2nd.H):セカンド地点からの2打目を打つ選手を捉えるカメラ。基本的には選手の背後に立ち、「カメラ−−選手−−グリーン」が一直線になるようなポジションへ回る。必ずケーブルを捌くカメアシが必要。ミドルホールなどでは最終組の場合選手を追いかけてグリーンまで上がることもある。
サードハンディー(3rd.H):セカンドハンディーと同じ役割をサード地点で果たす。ロングホールでしかあり得ないカメラであり、そもそもサードハンディーが用意されること自体が少ない。もしもサードハンディーがあれば、よほど注目のホールであり、また放送局もお金を掛けている…ということになるだろう。
グリーン受け(Gウケ):グリーンに向かって飛んでくるボールをフォローするカメラ。基本的にデカカメで組まれ、グリーン背後の3段以上のイントレの上に置かれる。グリーンに選手が来てからは、グリーン上のプレーをやや俯瞰気味で捉える。選手とカップが両方入っている画で待ち、球を打てば球の動きに合わせてカップに詰めていくのが基本的なカメラワーク。
グリーンサイド(G.S):グリーンのサイドに配置されるハンディーカメラ。選手のグリーン上でのフォームや表情を捉えるのがメインの仕事。選手とカップの位置によって顔が見える方にカメラを動かすが、基本的には三脚ごと移動する。そのためグリーンサイドカメラにもカメアシは必須。「選手−−カップ−−カメラ」という一直線上の関係になれば、スイッチして貰えることもしばしば。グリーン受けカメラとの連携が重要で、Gウケの映像を常に確認し、上からは捉えられない表情や判りにくい状況を見せるのが重要。

 大体こんな感じです。
 各カメラの呼び名は放送局によっても違うと思います。例えばG.Sですが、CX系の局なら「GHL」と呼んだりすることもあるようです。
 また、今回はロングホールでの説明でしたが、ショートホールやミドルホールではカメラの台数は減っていきます。ホールインワンホールなどのショートホールではティーカメ・Gウケ・G.Sの三台程度しか出ません。
 反対に、18番ホールなどでは規模が大きくなり、クレーンによる超ハイアングルからの球フォローや、スーパースローカメラによる大変に綺麗なスロー映像などを用意することもあります。
 さらに、ワイヤレスカメラが最終組に付いて13Hあたりから各ホールを上がってくるのも基本的な形態で、マイクロ波を飛ばすカメアシとそれをパラボラで受ける担当が必要となります。
また、そういった「中継」の体制が敷かれるのは大抵は13番ホール以降で、それ以前のホールはENGカメラ数台が収録撮影しており、オンエア時にハイライト編集されて放送に組み込まれる。

 なお、新人の登竜門は「F.T」
 単純な動きをするカメラではあるのですが、表情や仕草を丹念に見せることが出来るカメラのため奥深いカメラであるのも確かです。
 そして今回私は、このゴルフ中継でゴルフ中継カメラデビュー……事実上のスポーツカメラデビューを果たす予定です。
 全国ネット。
  ↑いいのでしょうか?

 明日から先発組として布線を行いに現地へ向かいます。
 ということで、一週間ほどの出張です。

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■2003年10月07日(火)  張ったり張られたり。
 只今愛知県の何処か。
 今日から先発組としてゴルフ出張です。
 私が先発組としてゴルフ中継に就くのは初めてのこと。映像組3名、音声組4名という非常に少ない人数がひとまず先に現場に入ります。
 さて、このたった7名で何をするかというと、ケーブルの敷設です。
 確かに、いつもの出張の時でもケーブル敷設は必ずやっている仕事なのですが、先発隊の仕事は、まずは「幹線」を張ることです。

 今日は簡単にゴルフ中継に於ける各ホールのカメラと中継車、そして中継(放送)センターとの関係を説明します。
 まずは図式を。

 さしてややこしくはありませんが、中継信号の流れとしては、末端の各ホールのカメラの映像を中継車でスイッチします。
 中継車は一台で2ホールを担当することが多く、一台の中継車に二人のSWが就くことになります。
 ゴルフ中継は、昨日も書いているように大体13番か14番ホール以降のプレーを中継しますので、平均3台の中継車がゴルフ中継の現場に入ることになるようです。
 しかし、これではまだオンエア出来ません。
 さらに各中継車から中継センターへとラインが伸び、中継センターでは各中継車がスイッチングした映像を更にスイッチングし、そこにCGやテロップなどを乗せて送り出します。
 この様に中継ぎ中継ぎで映像と音声が伝送されていくゴルフ中継は正にテレビ中継技術の基本が満載であり、また集大成でもあると思います。

 さて「幹線」ですが、それがこの中継のラインの何処に当たるかといいますと、「中継車−−中継センター」の事です。
 幹線は光ケーブルが布線され、日頃使っているカメラ用のオプティカルケーブルとはまた違う規格で、細くて堅いケーブルで扱いはカメラ用オプティカルケーブルと違って丁寧にしなければなりません。
 中継車とセンターの間の距離は、ゴルフ場やホール、中継形態によって変わってきますが、大体1km前後。
 今日布線した距離は大体1200mぐらいでした。

 またゴルフ中継のオンエア形態はちょっと複雑で、多くのゴルフ中継が追っかけ放送か、1時間遅れぐらいの収録中継です。
 追っかけ放送とは、最近のHDDレコーダなどで一般的になったタイムシフト再生の様な物。
 朝からやっている競技を、午後からオンエアしているわけですが、オンエアが始まった時間でもまだ現場ではプレーをしている事はよくあります。
 ですから、完全な録画中継ではなく、現場のプレーをスイッチしながら、VTR収録されている午前中の競技やオンエア前後の競技を見せていくというものです。
 これらの組み立てはセンターで行われるので詳しいことはまだ私には判らないのですが、例えば、目の前で実際やっているプレーを切った(使った)後に、同時に行われていた他のホールでの他の選手のプレーをVTRで再生して、生とVTR収録との差を見せることなくオンエアするようです。おそらく視聴者にはこれは生なのかVTRなのか…ということを見分けることは出来ないと思います。
 ゴルフをプレーされたことがある方なら判ると思いますが、ボールを打ってから次にそのボールを打つには、フェアウエーを歩いて移動する(カート移動もありますが)ために、時間が空きます。
 テレビでのゴルフ中継でそれらの間をずっと見せている訳にはいきませんので、どんどん他のホールや他の選手、あるいは他の時間のプレーを挟み込んでいって、2時間前後の放送枠いっぱいにゴルフプレーを詰め込んでいるわけですね。

 今日は、とりあえずは幹線の光ケーブルとあと2ホール分のティーカメのケーブルを布線して終了。
 明日からはメンバーがどんと増えて30名になり、一気に他の布線を終わらせカメラなどの機材を配置していきます。
 週末にはさらにスタッフが増えて、計40名。
 それも、我々が担当するホールだけですから、他のホールも混ぜると軽く100人を越えてしまうのです。

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■2003年10月08日(水)  馬鹿になれ。
 出張で何より勉強になったり、あるいは精神的に凹んだりするのは、日中の現場ではなく「夜」にあることが多いようです。
 出張の時は周りの先輩方と一緒に夕飯を食べたり、飲みに行ったり、夜の街で遊んだりとなるわけですが、特に「夕食+呑み」に同席すると様々な話が聞けて勉強になります。
 そこで聞いたことをふまえた上で現場を見てみると、また新しい発見があるかもしれないからです。
 先輩方の話は半年以上遡れば、もはや私の知らない話ばかり。
 いろんな人の昔話や武勇伝を耳にすることが出来たり、本音の人間関係が見えてきたりと楽しい話も多々あります。

 しかしそれ以上に、私が居る席で話題に上るのは「私についての評価・評判」
 当然、褒められたことなど一度もありません。
 大抵は、「お前はイケてない」と言われるか「もっと頑張れ」と言われるかのどちらか。
 今日は「もっと頑張れ」系の話となりました。
 酒の席で且つ若い先輩と一緒だと「お前はイケてない」系の話になり、その晩は凹み続けます。
 そして、耳にも痛いですが、心も痛い事がしばしば。
 自分がもっとしっかりと気が利いて色々と出来る人間であれば、そもそも言われる事ではないので、己の出来の悪さに消沈します。

 殊更、私の悩みの種というか、不甲斐なさの根幹は職場の人間関係の構築の失敗にあるような気がします。
 まだ失敗と決めつけるには早いのかも知れませんが、なかなかに己のスタンスや性格や無意識のうちの言動を変質させるのは難しい話で、しかし、そういった部分を見直していかないと職場にとけ込んでいけないのではないか……いや、実際その必要があるのだと思います。
 同じ会社という身内で、しかし一番身近な目上の人々…というバランスに対してどう接すればいいのか計りかねているのです。
 丁寧すぎると、もっと砕けることを求められているようですし、しかし先輩・後輩の上下関係の一線を越えることない丁寧さを求められます。
 そのバランスの取り方が文科会系のものではなく、体育会系のそれであるために、余計にどうすればいいのか判らなくなっているのです。

 まずは先輩方に「可愛がってもらう」ようにならねばならいといけません。
 しかし、私が発している無自覚のオーラは先輩方には多少鼻持ちならない色であるようで、また質の悪いことに、何故そのような色のオーラを私が出してしまっているのか自分でもよく分かっていないのです。
 いや、あるいは根本的な部分では把握しているのですが、であるからこそ変質させるのが困難な課題であるともいえます。
 対処療法的には「馬鹿になること」。いや根幹をオブラートで包むという意味では「馬鹿を演じること」であるかもしれません。
 今日の先輩の話でも「お前はもっと馬鹿にならんとあかんわ」と言われました。
 そして、その先輩が仰るには「今のお前は俺の昔の姿を見ているようで恥ずかしい」とのこと。「きっとお前は現場にいて仕事している時は『この人こんな事してるけど、自分だったらこうするのに』『自分はこうしたいんだけど…』と色々と考えていると思うし、そういうのが周りから見ていてよくわかる」と。
 これは少なからず私の心の内を言い当てて居られますし、またそういう風に周りに見られてしまっている、いや、そう見せてしまっている事を恥ずかしくも思い、かつ己に落胆します。

 私自身は、社交的であっても社会的でない側面があると思っています。
 言い換えれば、「閉じられた社会での社交性」を自分の人生の中で育んで来たと言ってしまって良いかも知れません。
 しかし、現実問題として社会不適応者を気取っている訳にはいきません。
 文字にするとたった6文字でしかない「自分を変える」という一大変革を、「もっと馬鹿になれ」という先達の言を如何に為し得るかが当面の課題です。

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■2003年10月09日(木)  TMP WARNING!!
 果たしました。ゴルフ中継カメラデビュー。
 或いは、スポーツ中継デビューといった方が相応しいかも知れません。

 本日ももちろん引き続きゴルフ中継出張中。日曜日まで愛知県におります。
 そして今日が中継初日。
 朝8時に現場に入り、ハンディーカメラを定位置に配置します。
 今までは朝に現場へ入ってからはカメアシとしての仕事をしておりましたから、今日はそういう仕事をしないでカメラマンとしての準備をしていましたから変な気分です。
 私が担当ホールのTeeにカメラと三脚を持っていこうとすると、他のカメアシさんがやって来て三脚を持ってくださいます。
 しかも、そのカメアシさんはカメアシの中でも一番良く仕事の出来る方の一人なので、「いいのかなぁ〜、こんな自分のアシスタントをしてもらって……」と本当に恐縮しました。
 
 Teeに着いた後は、回線チェックを行います。インカム、赤タリー、グリーンタリー、リターン1・2。VEさんがアイリスやフィルターを中継車内のCCUから操作。それが無事に確認できれば、アイリスを開放してもらい、バックフォーカスを合わせて終わりです。

 現場の天気は良く、雨などの心配はないのですが、芝生は少々朝露に濡れています。
 私のTeeカメは、ティーグラウンドのサイドに設えられた平台の上に置くのですが、その台に敷かれているカーペットも湿っていましたので、ビニールシートを敷いてその上にカメラを寝かせて、現場を離れました。
 しかし……この習慣が後々大変な事態を招きます。

 回線チェックが終われば昼飯までは空き時間です。
 先輩カメラマン達はのんびりと中継車周りで寛いで居られますが、初心者マーク付きの私はその時間を利用してカメラの練習をしに、再びTeeカメの場所に戻ります。
 練習はいつも通りのTeeカメ的練習。
 選手が居るときはティーグラウンドでのワンカメショー。
 選手が居ないときは、左右のティーマークパンしながらズーム操作してフォーカスも同時に合わせる練習。
 あとは、「イーグル賞」が設けられているホールでしたので、「イーグル賞 1,000,000円」と書かれたその看板のFFとスポンサーの名前からのズームバックの練習などを行いました。

 暫くするとディレクターが中継車に来られて、センターとのやりとりが始まります。
 そして、リハーサル前に素材送りをするということで、各カメラはビューティー撮りを行い、また私のカメラは先に述べた「イーグル賞」の看板をスポンサーからのズームバックでFFまで…というショットを収録します。
 おおお、緊張。
 インカムからVTR収録のカウントダウンが聞こえてきます。
 「5秒前,4,3,2,1。はい、4,3,2,1,引いてきて……3,2,1……」
 一回目はズームバックの速度が遅くて失敗。
 動きは滑らかだったようなのですが、カウントを私がうまく把握出来ていなかったために尺に収まりきらなかったのです。
 そして、2回目。
 5秒間で引けば良いと理解できましたので、さっきよりも速度を上げる気構えで再びカウントを待ちます。
 そして、引きます……。
 「うぐ…」
 ズームバックを始めたあたりで“しゃくって”しまいます。
 “しゃくる”というのはズームの途中に動きが引っかかるような感じの画になることで、マニュアルズームに慣れていないと、特にゆっくりとしたズームで起こしがちになります。
 「おっと今しゃくったけど……どうします?」とスイッチャーさんがディレクターさんに聞かれます。
 「う〜ん、私はかまわないと思うけど、センターの○○君はどうかな? やり直した方が良い?」
 とやりとりが続き、センターからは「いえいえ、良いですよ。問題ありませんから」と返事が返ってきたのでとりあえずOKになりました。
 う〜ん、緊張します。
 
 それが終われば昼食。
 朝やったように、カメラを三脚から外して三脚の足下に置き、ビニールシートを敷いてその上にカメラを乗せ、余ったビニールシートをカメラの上に覆い被せてその場を離れました。
 中継車周りに戻ると、ディレクターとカメラマンを初めとする技術陣の「顔合わせ」があります。
 ディレクターがまず挨拶を行い、続いてスイッチャーがカメラマンや音声マンなどを一人一人紹介していきます。
 当然カメアシはこの場では紹介されませんから、顔合わせなどいうのは初めてで、「あぁ、確かに今日から自分はカメラマンをやるんだ」と何とも言えない気概に満ちてきました。

 そして昼食後、再び練習もしたかったので早々にTeeカメへ。
 が、ここで事件…というか事故が起こりました。
 Teeカメに着き、ビニールシートを外してカメラを持ち上げようとしますがカメラがめちゃくちゃ熱くなっているのです。
 「熱ちっ」といいながら三脚にカメラを乗せ、ファインダーを覗くと「TMP WARNING」の文字が…。
 そうです、『発熱異常』の警告です。
 やってしまいました。
 もちろん原因は、ビニールシートを被せておいたためです。
 今回のTeeカメはハイビジョンカメラ SONY HDC-750 です。
 ハイビジョンのハンディーカメラはSDのカメラに比べて発熱が多く、常にファンが回転している音が聞こえます。
 にも拘わらず私がビニールシートを被せておいたために熱が籠もり、異常が起こったわけです。
 すぐさま中継車のVEさんに連絡して対処法を聞きます。
 本当は電源を落として、無発熱の状態で冷やさせればいいのですが、リハーサルスタンバイの15分前ですし、もちろんカメ調が終わった後なので電源を落としている余裕がありません。
 「とにかく、日陰で風通しの良い所に移して冷やせ」といわれましたので、すぐさま三脚からカメラを外し、平台横の日陰に移動させます。
 その際に「カメラの横のパネルを外しても良いですか?」と念のためにVEさんに確認すると、外してくれと言われましたので持っていたドライバーでカメラ本体の側面のパネルを取り外して、基盤を剥き出しにし、さらに外したカバーで基盤を仰いで冷却が早まるように精一杯の努力をしました。
 10分後、TMP WARNING の表示は消えましたが更に5分放っておいて、手で触っても問題のない熱さまで冷えてきたようでしたので元に戻しても良いか確認して、OKが出ましたので元通りパネルを取り付けて三脚に戻し、スタンバイ体制に入りました。

 自分のミスで、本番前から汗ダラダラです。
 本番が終わってから聞いた話ですが、中継車に乗って居られたもう一人のベテランカメラマンは、私のその報告(発熱異常のサインが出ている)を聞いた時「○○(私の名前)、殺す!」と激怒されていたらしいです。
 それは当然です。
 今回の中継にはHDカメラの予備は持ってきていないらしく、もし何処かのカメラで故障が発生したら中継プランは大きく変更を余儀なくされてしまいます。
 ですから、今回の私が起こした事故は中継の死活問題であったわけです(もちろん予備があったとしても起こしてはならない事故です)
 今後はHDカメラの特性を良く理解して取り扱っていかねばならないと今回の事を教訓に深く心に刻みつけました。
 
 本番は、リハーサルとの境界線が不明瞭で、なし崩し的に収録が始まってしまいました。
 今日は準備体操の意味が大きいために移動カメラの動きも少々決勝ラウンドとは違っていて、ワイヤレスカメラがバックティーに入ってくれましたので、私の仕事は選手の表情を抜くことが殆どで、私が苦手とする選手の乗り換え(打った選手のリアクションをフォローして、その後、次のプレーヤーに画を持っていく)がさほど無く、酷い緊張状態の中でのカメラとはなりませんでしたが、「本番」という空気をカメラマンとして体験できたことは明日以降の貴重な経験となると思います。

 今日は中継収録が早く終わり1430時には終了。
 ハンディーカメラを撤収します。
 ホテルに帰る前にセンターに寄る用事があり、そこで丁度今日の中継収録のオンエアが始まったのですが、残念ながら私のティーショットの映像は使われていませんでした。
 バックティーの映像もまるまる無かったので、構成的に見せ場でなかったティーショットは全面カットされたようです。
 しかし、例の「イーグル賞」の看板ショットは使われていました。
 う〜ん、確かに出だしがしゃくっている……。
 というか、全体的にスムーズじゃない…。
 一緒に見ていた先輩からも別のアドバイスをもらい、明日も同じショットを撮らねばならないらしいので、明日こそは成功させようと意気に燃えています。

 なお、余談ですが中継車に帰ってから、発熱異常の件でやりとりをしてくださった若いVEさんにお礼を言いに行くと、
 「あぁいう時は、こっそりとカメラを日陰に持っていって冷やしておいて、本番は何事も無かったように仕事をしておいて、本番が終わって戻ってきてから、こっそり『こういうことがありました。すみません』って言っておいた方がよかったかも。インカムで『発熱異常が』って喋ったらみんなに聞こえてしまって、後でみんなからどやされてしまうからな」と小技を聞いてしまいましたが、なるほどと思うと同時に、もしもそのまま何も言わず本番に入ってしまって、本番中に発熱異常の影響でカメラが壊れたら、それこそ殴る蹴るの制裁を受けて、ゴルフ場の何処かに埋められてしまうのではないか……などと思わなくもありませんでした(笑)

 明日もTeeカメ、頑張ります!

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■2003年10月10日(金)  日々是焦燥。
 Teeカメ2日目。
 極度の緊張状態です。
 今日も昨日に引き続き、イーグル賞の看板撮りがありました。
 しかし、今日は昨日より酷い状態。
 “しゃくる”程度では済みません。
 昨日の失敗を挽回しようと意気込んでいたのはいいのですが、それが自分にプレッシャーを掛けてしまい、ズームアウトがガクガクになってしまいました。
 そうです。レンズを扱う左手の『震え』が止まらなくなってしまったのです。
 直前の練習や、収録後の練習ではスムーズに出来るカメラワークが、赤タリーが点いてVTR収録がされると思うと、プレッシャー負けしてしまいどれだけ頑張っても震えは止まらず、更に焦って悪循環の坩堝に陥ってしまったのです。
 
 結局、幾つかVTR収録された中で、一番マシな映像をセンターに送ってもらいその場を凌いでもらったのですが、私一人の失敗が大勢の方のサポートによって補って頂いた形となり大変に申し訳なく思いました。

 中継車に帰った後、その映像の様子をリターンで確認されていた他のカメラマンの先輩方に色々とアドバイスを頂き、また「初めは誰でもそんなもんや。やっていって場数を踏んだら慣れてくるし、今はしゃーない(仕方ない)」と色んな先輩から言って頂き、焦燥に駆られていた私の心理状況も多少落ち着きを取り戻せました。

 なお、本日までのオンエアは東海地方ローカルです。
 明日から日曜までは全国ネット(一部地域を除く)となります。
 昨日・今日と東海地方でご覧の視聴者の方々には大変に見苦しい映像をお見せすることになってしまいました。
 明日からはさらに多くの視聴者の目に触れることとなります。
 視聴者にも、他の技術陣にも「こいつ下手なカメラマンやなぁ」と思われないよう精一杯の努力をしていかないとなりません。


 さて話は変わりますが、昨夜、ある方から突然携帯電話に電話を頂きました。
 その方は、私の大学時代の友人のKOHSHIさんの友人で、現在は私と同じテレビ業界にいらっしゃる先達なのですが、昨年、今の会社に入社することが決まった後に、KOHOSHIさんの計らいで直接お会いすることがあり、色々と業界のお話を聞かせてくださった方でした。仮にAさんとさせて頂きます
 お会いしたのはその時限りだったのですが、下名の事をAさんも覚えてくださっていて、今回偶然にも同じゴルフ中継の仕事に就いていたのです!
 Aさんが今回のゴルフ中継に関わる技術スタッフ陣のリストを確認されていたところ、私の名前をリスト内に見出されて、それで「今回、同じ仕事ですね」と連絡を下さったのです。
 私はホールでのTeeカメで、Aさんは放送センターのインタビューカメラを担当だそうなので現場で会うことは難しいのですが、リターン映像ではお互いの画を確認することも可能ですので、間接的に撮っている映像を通してお互いの健在を確認し合いましょうと電話でお話をさせてもらいました。
 また後日、休暇を利用して直接会いましょうという約束をしました。
 恐らくはお互いの職場での苦労話や愚痴大会になるような気がします(笑)

 明日はネット放送が始まります。
 何が何でも頑張るしかありません!!


↓今週の職場です☆ (写っているのが私。カメアシさんに撮ってもらいました)
031010.jpg 550×413 88K

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■2003年10月11日(土)  イーグル、出過ぎ…。
 今日から全国ネット。
 カメラを構えている限りは全国ネットであろうとローカルであろうと、その緊張感も仕事内容も大きく変わることはありません。

 まずは今日の目標は、「イーグル賞」看板を綺麗にズームアウトすること。
 Teeカメに就いて、回線チェックやカメ調が終わってからひたすら練習を繰り返し、身体に動きを覚えさせます。
 VTRで念のための収録をしてもらいましたが、結局センター送りの「生」で撮った画を使ってもらうことになりました。
 昨日と比べると全然マシな画になっていましたが、やはりまだ本番の時の画は練習の時の画と比べるとガクついてしまっています。

 看板収録が終われば、1330時まで休憩です。
 私は1時間半ほどTeeで選手を撮る練習を繰り返し、12時過ぎに昼食を摂り、13時過ぎに再びカメラに就いて練習をします。
 そして、気がつくと生放送が始まっています。
 私が担当しているホールは先述の通り「イーグル賞ホール」
 いつ、イーグルが決まるか判りませんので他のホールと違って常にカメラを回し、中継車側で収録を行っています。
 ですから、リハーサルであろうと本番であろうと、その境界線は無く、センターの一斉指令をインカムで聞いて「あ、今から本番生中継か…」という差しかありません。
 今日は流石に私のTeeカメの画を使ってもらうことが出来ました。
 スポンサースーパーが入る前のアバンタイトルでの乗り画としてオンエアされることになりました。
 今日も色々と失敗しましたが、そういった失敗を経験していく中で「なるほど、この時はこういった画が求められているのだなぁ」と判っていくのだと思います。

 ホテルに帰った後は本日の中継の「プレビュー会」
 本番の担当ホールだけのスイッチング映像を中継車でVHS録画して頂けるようVTRさんにお願いしておきましたので、それを持って帰り、会社から持ってきたテレビデオで先輩カメラマンと一緒に鑑賞して、色々とアドバイスをもらいます。
 VHSにはホールの画の他に、ローカルのインカム音声、センター一斉のインカム音声、そしてテレビ放送で流れているのと同じ音声が入っているPGM音声が収められていて、中継の現場でどういったやりとりがされているのかが記録されています。
 それを聞きながら現場の当時を思い起こし、その時どういった画が必要だったかを再確認するわけです。
 勿論インカムの音声が入っているので私が怒鳴られている音声も入っています。
 そういった物も聞きながら、今日を反省し明日に繋げていくのです。

 明日はいよいよ最終日。
 収録の後には撤収を行わなければなりません。そして私は機材と共に車で大阪まで帰って、そこでさらに機材とトラックから降ろして………というスケジュールになりそうです。
 私のスポーツカメラデビュー戦を有終の美で飾れるよう、明日もファイトです!!


追伸:先日紹介しました「ゴルフ中継の基本的なカメラ配置図」ですが、先輩に確認したところ図解に関しては特に問題ないようでした。だいたい何処の放送局も同じ様なカメラ配置ですし、またそれぞれのカメラポジションに於けるノウハウなどは今回紹介していませんので(…というかそんなノウハウ、今の私にはさっぱり判らないですし…)、企業秘密的な部分には触れておりません。
 今後のカメアシ興行紀でのゴルフ中継の話題に対してご活用下さい(笑)

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■2003年10月15日(水)  赤い三連休。
 いかん、いかん。
 ちょっと気を抜くと、更新が滞ってしまいます。
 ……とは言っても、現在三連休中。
 月曜日から休みが始まり、本日が連休最終日。
 出張最終日の日記が書けなかったのでこのままだと四日連続更新停滞になってしまうところです。

 さて、久々の連休。三連休とも来れば5月以来だと思います。
 ハッピーマンデーもカレンダー上の連休も関係ありませんので、こうやって出張後に連休を頂けるのは有り難い話。しかも、他の殆どのカメラマン達も連休ですので、丁度閑散期だったのでしょうか?

 さて、ちょこっと出張最終日の話。
 ゴルフ中継最終日も連日同様。
 ただ、大分緊張もほぐれてきて、また先輩方からの様々なアドバイスもしっかりと頭に入れて実践。
 特に、選手の名前と顔が全く判らない様な状態ですから、それだけで緊張の度合いが上がります。
 選手の顔と名前が判っていれば、インカムでの指示があったときも迷うことが少なくなりますので、まずは自分の目の前にやってくる選手…特に注目選手をインプットします。
 手元には「ペアリング表」といって選手の名前と、前日までのスコア、そして所属だけが書かれた紙しかありません。
 顔写真など当然ありませんし、「服装チェック表」といって選手の服装をイラスト化した物も今回はありませんでした。
 そこで活用するのが「リターン」です。
 カメラのリターン1にはローカルホール(自分が担当しているホール)のスイッチング映像しか入っていませんが、リータン2にはセンターアウトの…つまりラインが送られています。
 ですから、リターン2をこまめに確認して、直前ホールのグリーン上での選手の服装や顔を一生懸命に見て、自分の所に来るのを待ちかまえるわけです。
 今回はその甲斐あって、自分のホールへやってくる注目選手に安心してズームイン出来るようになりました。それまでは、結構無闇に選手に寄っていってましたので…(汗)

 緊張は多少ほぐれていたものの、失敗が無かったわけではなく、撮らなくても良い選手に寄っていったりして怒られましたが、そのあたりは今回の仕事で「注目選手以外は完全に無視しても良い」というルールが見えましたので、次回からは割り切って出来そうです。
 
 寧ろ問題が多かったのは、撤収時の「カメアシ」としての私の働きでしょうか。
 色々と、カメラワーク以上に拙い仕事ぶりになってしまいました。
 ハンディーカメラが全部現場から帰ってきているのにカメラバッグの中の小物を確認出来ていなかったり、持ち出しケーブルのリスト表が行方不明だったり…。
 カメラマン云々の前に、カメアシとしての不出来さに深く反省です。

 機材撤収後は、新幹線帰阪組と車組に分かれます。
 勿論私は車組。
 車組は高速道路経由で大阪に帰って、それから持ち帰った機材を片づけます。
 それほど機材が多くなかったとはいえ、朝から中継→撤収→機材片づけ…とヘトヘトです。
 が、翌日から連休だと判ると、最後の力を振り絞って頑張ってしまいました(笑)

 さて、待望の連休です。
 初日は昼過ぎまで死んでいました。
 何をする気力もなく、荒野のごとく荒れ果てた部屋に屍のように横たわって一日を過ごしました。
 2日目は編集です。先日の小学校のビデオレターがまだ完成していません。
 メインのダンスパートは既に完成しており、あとはメッセージ部分。
 メッセージ部分は2パート有り、先生からの挨拶と、児童からのメッセージ。
 先生からの挨拶部分は直ぐに編集が終わり、ダンスパートの前につっくけます。
 児童からのメッセージは、私の友人である担任の先生が現在撮影中。本日中には収録テープが私の手元に届くはずです。
 ですから、このパートは後回しにするしかありませんので、タイトル部分を作成します。
 色々と考えていたのですが、シンプルに After Effects を使って2Dでのモーショングラフィックにしました。
 明るい色合いで可愛らしい丸文字の文字をメインに使い、背景は落ち着いた蝶々の壁紙を使用。
 封筒からビデオテープが飛び出て来て、そしてタイトルがワイプで出る…というありふれた構成です。
 幾つかグラフィックやモーションの修正を行いましたが、canopusのPhotoshop/After Effects プラグインは大変に重宝しますね。
 今回の編集はEDIUSでやっていますが、やはり少々使い勝手が悪い…というか慣れない点がいくつもあります。
 この編集で一番困っているのが、EDIUSでトランジションを掛けた場合、同一トラックのトランジションでならレンダリングをすることで負荷の高い部分も再生できるようになるのに、トラック違いのトランジションではレンダリングが出来ないという仕様です。
 バッファを貯めても途中で止まってしまうので、タイミングの確認作業に手間が掛かって厄介です。
 2日目はこんな感じでした。

 3日目の今日は、家事など。
 溜まっていた洗濯物を洗って干して、買い物へ行って、久々に自炊し、部屋も掃除して、現在に至ります。
 夕方からは彼女が遊びに来るので、出かける準備などもしないといけませんね。
 
 明日は、課会。
 珍しく非現場でのお仕事です。
 

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■2003年10月16日(木)  おふれこ。
 半年ぶりぐらいの課会。
 こういう機会か、飲み会でもないと中継のカメラマンが一同に介することはなかなかありません。
 会議の内容は大体が機材状況の連絡。
 どの機材が壊れていて修理中か。今後導入予定の機材について。機材の仕様変更の検討…などなど。
 まだまだ私は話を聞いているだけですが、前回の時の会議と比べると、この半年間いろいろな機材に触れてきましたので、話の内容が大体判るようになりました。
 カメラやレンズの型番を言われて、またその機材の状況を説明されると、「あぁ、確かあのときの中継ではそんな問題が出ていたなぁ〜」と機材とその状況を思い描けるまでにはなりました。
 課会は予定をオーバーして昼過ぎまで。
 
 昼食を摂った後は、デスク勤務者はデスクで、私などは機材庫で機材の整備を行いました。
 そんなこんなで18時。
 私の肉体も精神も、三連休明けの緩やかな再起動となりました。

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■2003年10月17日(金)21:34  深夜待機。
今日の仕事は企業イベントのビジョンモニタの会場出し…のセッティング。本番は明日です。
朝、1000時に機材庫集合で、1300時に会場となる琵琶湖湖畔のホテルに入ります。セッティングは大層なものでもなく、2時間程度でとりあえず会場の1ホールが終了。もう1ホールは、今日は別のイベントが利用するため、終了予定の2100時まで待機です。…が、そのイベントの終了時間が延びて、現在も延長待機中。最短でも2230時まで待ちます。その後、セッティングに加えてリハーサル。…元々27時のリハ終了が29時になりそうな予感です(汗) 明日は本番です

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■2003年10月18日(土)  すいみんすいみんすいみんすいみん、睡眠不足っ♪
 昨日の仕事は結局2730時に終了。つまり朝3時半。
 幸いにも寝床はホテルの部屋が割り当てられていましたので、崩れるように床に就きます。
 しかし、睡眠は3時間程。
 県下でも一位二位を争う高級ホテルで、明け方の琵琶湖湖面を展望できるロケーションにも拘わらず、それを堪能できるのは僅かに3時間です。
 0630時に起床し、0700時にはホテルの37階にある展望レストランにてバイキング形式の朝食を摂ります。
 そして、0800時には中継車に集合です。
 皆、一様に睡眠不足の表情。
 無論私も例外ではありません。

 現場では0900時よりリハーサル開始。
 このイベントは某県下企業の創立○周年記念イベントで、ホテルの大ホールを2会場借り切っての盛大なものです。
 1ホールでは祝賀パーティー会場であり、立食や各種ステージイベントが開催され、もう1ホールでは音楽コンサートが開催されました。
 そのイベントの様子を祝賀パーティー会場に設置された5台のプロジェクターに中継するのが今回の仕事内容です。祝賀パーティー会場自体は横長の会場であるので会場左右の参加者は会場中央のステージが見づらくなるためスクリーン画面が必須です。またコンサートも参加者全員を会場が収容できませんのでプロジェクターにそのコンサートの模様を中継するわけです。
 祝賀会場は0900時にリハーサルで1100時本番。
 コンサート会場では1100時頃よりバンドリハーサルが始まり、1430時本番という予定でした。

 今回の仕事は私もカメラマンとして就いており、コンサートのカメラを担当。
 カメラマンは私を含めて3名で、うち2名が祝賀会とコンサートのカメラを掛け持ちします。私は、コンサートのカメラのみでしたから0900時からのリハーサルも1100時からの祝賀会も関係なくリハーサル中はリハの様子を見学し、本番が始まったらコンサート会場の方へ向かい、コンサートのリハーサルの様子を見ていました。何しろコンサートのリハーサルを見られるのは私だけ。他のカメラマンはコンサートのリハーサルの時間帯は祝賀会の本番中ですのでコンサート内容は本番で初めて知ることになります。
 ですから、何かカメラワーク的に重要な箇所がないか、しっかりとコンサートリハを見ていました。
 また、今回はデカカメでの撮影でしたので、デカカメ操作の練習も同時にしていました。
 今までのカメラマンとしての仕事は殆どハンディーカメラでしたので、本番でデカカメを扱うのは久方ぶり。それこそ夏の高校野球の時の応援実況カメラで1〜2回振ったことがあるだけです。
 音楽コンサートですから、どのようにすれば「それらしい」映像になるのか試行錯誤します。
 フォーカスインで始めてみたり、楽器を奏でる手元をアップで抜いてみたりと「それらしい」画を作ってみますが、今の私ではなかなか様になりません。

 リターン映像で祝賀会場の進捗を確認しながら、コンサートリハを撮り続けて2時間余り。
 漸く、祝賀会場の方は中締めとなり、いよいよコンサート会場が開場しカメラマン2人もコンサート会場へやって来られます。
 インカムをつけられたカメラマンがリハーサルの内容を私に確認してこられます。
 楽器のソロがあることを伝えて、本番です。
 コンサートは私を含めての3カメ体制。
 う〜ん、流石プロ。いきなりの本番でも「音楽もの」の画を作り、それをスイッチャーさんも巧く繋げていきます。
 表情のアップと奏者のFFとの長いオーバーラップ。フレームインがアンニュイを表現し、デフォーカスが光を演出。
 リアルタイムに組み上がるミュージッククリップです。
 そんな中で、なんだか私の画だけが「浮いている」ような感じ。
 「その画は駄目だ」とは一度も言われませんでしたが、しかし何か物足りない画になります。
 何と言いますか…もう一捻り必要だ、といった具合でしょうか。自分的にも生煮えです。

 今回難しいな…と思ったのはタリーが来るタイミングです。
 カメラは1台がハンディーカメラでドリー付三脚によるステージ下の自由移動。
 残り2台は会場後方に2台並べて置かれています。
 当然、この後方2台の画は被ることがありますので、こまめにリターンを見て違う画を作り合います。
 隣のカメラが手元のアップを抜いているときは、私は表情やFFを収めておきます。
 反対に私がアップの時は隣のカメラマンは引き画で待ちます。

 さて、私が不慣れなのと睡眠不足の相乗効果で、ミスも起こります。
 スイッチャーさんは中継車内でどのように画を繋いでいくか考えて居られますが、そのため、自分が画を作っていても直ぐにタリーが来ない場合があります。
 そうなると経験の少ない自分は自分の画に自身がまだ持てませんから「タリーが来ないって事は、この画は使えない…ってことなのかなぁ」と思ってしまい、画を変えてしまいます。
 しかし、実際はそうではなく、切り替えのタイミングを計って居られるだけですので、「そのままで」と自制を求められることも。
 また、リターンを繰り返しこまめに見ていると、途中で一瞬自分の画なのか他のカメラの画なのか判らなくなる瞬間がありました。
 ドラムのアップを私が抜いていたのですが、その際はタリーが来ませんでした。
 ですから上述のように「使えない画なのかな…」と思っていて、またリターンをこまめに見ていて………と一瞬、自分の画と隣のカメラの画が被っているように勘違いしていまい、瞬時にドラマーの引きの画を作ろうとしました。
 しかし、実際はリターンと自分の画を混同してしまっていただけで、またスイッチャーさんもそのドラムのアップの画を使おうとしたようで、画を引いた瞬間…いや引いている最中にタリーが来てしまいました。
 それはもう見苦しい画です。
 たまに生中継の番組で見ると思いますが、画作り上のズームバック中の画ではなく、画を探すときの素早いズームバックですから、「スイッチングの失敗」とはっきりと判る画です。
 もう悔しかったです。
 アップの効果的な画を作っていて、使って貰えれば嬉しいなぁ〜と思っていながら、それを自分でぶち壊しにしてしまったわけですから……。
 これからはある程度の節度を持って、スイッチャーさんに「その画は使えない」と言われない限りは、自分が作っている画に自身を持ってホールドしておこうと思いました。

 そんなこんなで、1600時にイベント終了。
 機材も少なく簡単なセッティングでしたので直ぐに撤収も終わります。
 猛烈な睡魔が襲ってくる中、帰阪。

 幸いにも明日、日曜日は皆お休み。
 ゆっくりと睡眠を貪りたいと思います。

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■2003年10月20日(月)  ビデオ de レター。
 昨日は休日だったのを利用して、滋賀県へ帰りました。
 もっとも一昨日はその滋賀の県庁所在地で仕事をしていたわけで、移動経路には無駄があるような気がしなくもありませんが…。
 さて、今回の帰郷目的は例の「小学校のビデオレター」を依頼主に届けること。
 依頼主とは勿論私の友人であり小学校教師をやっているN氏。
 先々週のゴルフ出張から大阪の部屋に帰って以来、急いで作品の最後の仕上げを行った訳ですが、無事に作品は完成しました。
 作品は小学生が見るビデオレターということをふまえて10分程度にまとまっています。
 それをVHS2本と、DVD2本にダイビングして手渡します。
 作品のDVD化はN氏に頼まれていたことではなく、ただ単に私の自己満足(笑)
 やはりVHSの画質は見られた物ではありませんので、DVDで見られる環境があるならば、そちらで見て頂きたいと思いDVDパッケージも制作しました。
 ただし、オーサリングなどが面倒であったため、RD-X3 にDVからアナログダビングして、X3内でチャプタを作成し、またタイトルバックはX3のネットdeナビの機能を利用して、オリジナル背景を送り込み、ライティングしました。
 DVDのレーベル面にはプリンタでダイレクト印刷を行い、ケースは作りの良い透明なDVD用トールケースを用いて体裁を整えます。

 そうやってできあがった作品をN氏の元へ持っていきます。
 彼が、転校した子にこの作品をビデオレターとして送ってしまう前に、作品内容を確認してもらいました。
 結果は、大変に喜んでもらえました。
 自分の教師としての姿を自分の目で見るのは初めてだったらしく、「恥ずかしい」と照れたり、「なかなか学級経営が上手くいってるよね」と客観的な視点で再確認したり、爆笑したりと好評の様子。
 次は何を撮ってもらおうかなぁ…と早速次回の撮影会の検討へ…(笑)

 今週中にはビデオレターが相手先に送られると言うことです。


 なお、本日の仕事の方は今週のゴルフ中継の機材準備。
 朝からせっせと中継小物を準備し、また他の中継に出て行く班の機材の積み込みなどを四六時中手伝い、そうこうしてまた不足していく中継小物を再生産して……という作業に明け暮れました。
 明日は先発隊としてケーブル布線を行ってきます。

 今週はゴルフが2番組、そして日本シリーズの中継と会社としてはかなり忙しい時期となるようです。

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■2003年10月21日(火)  日本シリーズ 甲子園戦も延期だし。
 本日は雨。
 関西では結構降りました。
 が、しかしそんなことには関係なく我々はケーブル布線を行わねばなりません。
 朝、現場に向けて会社を出発する前から雨が降っております。
 皆、朝からヤル気減衰モード。

 現場に入って初めに行う作業は……そうです幹線となる光ケーブル敷設です。
 雨が降りしきる中、合羽を着、長靴を履きびしょびしょになりながらも1km余りを布線します。
 これが終われば一旦昼食休憩。
 午前中だけで体力の殆どを使い切ったほどに疲労。
 やはり雨の日は、動きにくい服装でまた熱が籠もり、しかし動きを止めれば濡れた合羽が冷たくて寒く……と体力の消耗が激しいです。

 昼食休憩中、午後からの作業を続けるかどうか………冗談混じりに相談。
 勿論雨だからセッティング中止となるわけはなく、しかし予定よりも本日の作業を減らして終了させようと言う運びになりました。
 今回の担当ホールは15・16・18Hと3ホールなのですが、そのうちの15Hの全ての布線(カメラ・音声・マイクロ)と16HのGreen周りの布線だけを行うこととなりました。
 布線を行う際、例えば2ndからGreenに向かって布線を始めると途中でGreenのカメラ(GやGS)のケーブルと布線ルートが合流します。いや、寧ろ合流して出来るだけ同じルートでケーブルを通すように布線作業を進めるのですが、そうなると多くのケーブルが錯綜し、ケーブルをジョイントする際にどのケーブルがどのカメラの物か判らなくなりますので、ケーブルにマジックペンで例えば「15H G受け」と言った風に現場でラベリングをしていきます。
 しかしながら今日は雨。ラベリングするビニールテープが濡れて、油性ペンでも文字がなかなか書けません。ウエス(タオル)でテープの表面を拭きながら、雨を鬱陶しく感じつつ記入していきます。晴れの日なら何の苦にもならないこの作業ですら、今日は放り出したくなるほどに面倒でした。

 そうこうして、夕方と呼んでも差し支えない時間帯に本日の作業は終了。
 残りの布線作業は明日へ持ち越しとなりました。
 明日は今日よりも現場入りのスタッフが倍になりますのでもっと早く作業が終わることでしょう。

 なお、本来ならば今回のゴルフ中継も一週間宿泊での予定だったのですが、どうもホテルが取れなかった……取れても大してゴルフ場に近くない…という理由で、ならば会社から毎日通った方が早い、となり毎朝ちょっと距離のかかるゴルフ場まで車で向かうことになります。

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■2003年10月22日(水)  整骨院を変えずに、腰痛軽減を目指す。
 ちょっとネタ不足なのですが、とにかくも今日もケーブル敷設。
 昨日やり残した箇所のケーブルを張っていきます。
 幸いにも今日は長袖では熱いと感じるほどの天気。
 
 今日の朝、出社してから気が付いた大きな忘れ物は「ウエストポーチ」
 カメアシ必須のアイテムですね。中にはケーブルを縛るための紐、雨養生用のビニール筒、ビニールテープ、ドライバー各種、レンズペーパ…などなど。
 それを鞄ごと忘れてしまったので、ちょっと困りました。
 もっとも、昨日の雨に対応する都合で紐やビニール筒はウエストポーチには殆ど入って居らず(合羽の下にウエストポーチをつけても小物が取り出しにくいですし、合羽の上にウエストポーチをつけると中身が濡れてしまいます)、小物の殆どを合羽のポケットに入れていたため、「物が無い」という事にはならなかったのですが、一方で「小物を入れる場所がない」という点で困ってしまった訳です。
 昨日は上述の通り合羽のポケットに入れていたためそれなりのペイロードを確保できていたのですが、今日は上着すら脱ぎたくなる気温だったため小物を入れる場所は上着の胸ポケットとズボンのポケット四カ所…と心許ない容量です。
 仕事には差し支えがありませんでしたが、度々ビニール筒がズボンのポケットから飛び出したりして厄介でした。

 さて、話は変わりますが冬期ボーナスの時期が近づきつつあることもあり、社内では「冬季評定」が行われいます。
 我が社では被評定者自身の自己評価、被評定者が指定した指定評定者、そして直属の上司に当たる課長の評定によって判断が下されるようです。
 今日、自己評定をするようにとの連絡をメールで受け、「明日中に提出します」と返信したのですが、指定評定者が必要であるとは知らず……明日中の提出は無理そうです……。そもそも誰に評定をお願いしたら良いのでしょうか…。やはり、直ぐ年上の先輩が良いのか…それとも若手グループのヘッド級の方が良いのでしょうか…。
 それも明日聞いてみないといけませんね…。

 ちなみに、自己評定をしましたが……う〜ん、グレード(各期の初めに各個人の期内目標が定められる)目標を十分に満たしているとは言えませんね…。
 業務目標の達成評価と意欲評価があるのですが、意欲はあっても結果に結びついていない事例が多くて、8割前後達成といったあたりです。
 自分ではその程度と評価していますが、先輩や上司の評価はもっと厳しいかも知れませんね…。
 来年もお給料据え置きだったたら厳しいなぁ〜、とちょっと鬱な今日この頃です。

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■2003年10月23日(木)  カスタムオーダー
 まだちょっと今日もケーブル敷設が残っておりました。
 我々大阪組の担当ホールは昨日中に終わっていたのですが、東京組担当のホールは全く布線のなされていない状態でしたので、まず我々の担当ホールのカメラをくみ上げてから、東京組を応援に向かいます。

 それが終われば、各ホールの回線チェック・カメラチェック。
 本来ならば一番遅くまでかかる18番ホールのチェックが真っ先に終わってしまい、その後は他のホールを手伝いに行きます。
 という流れからも判るように今日は結構余裕のあるスケジュールでした。

 さて、今回のゴルフ中継は私は 2nd Handy のカメアシ。
 まだまだゴルフ中継に出てもカメラマンを必ずやるまでには認められていません。
 来週もまたゴルフなのですが、今度はF.Tカメラのカメラマンをやる予定になっており徐々にカメラマンとしての仕事が出来るようになってまいりました。
 しかし、実はちょっとこの運びには裏の事情があったらしく、今日はそれを聞いて色々と考えさせられました。
 これは今回私がアシスタントでつく2nd Handy担当のカメラマンAさんから聞いた話なのですが、来週のゴルフ中継の各カメラ担当を決めるに当たって、シフターさんは某ホールのF.Tカメラマンを誰にするか困っていたらしいのです。
 一般の番組もそうですが、ゴルフ中継などの大規模な中継になってくるとスタッフは混成艦隊となります。
 うちの会社から人間が出せない場合は他の会社から入って頂いたりする訳で、ともすれば来週のゴルフ中継でのくだんのF.Tカメラマンは他社のカメラマンが担当することになっていたかも知れません。
 しかし、その各カメラ担当を決める時に、Aさんが「○○君(私の名前)がいるじゃないですか?」とシフターさんに提案してくださいました。
 ですが、「あ、そうか。ではそうしよう」と言って頂けるほどにまだ成長しているわけでも認められているわけでもない私です。
 同じくゴルフ中継に就いて居られる他のカメラマンやスイッチャーさん達の意見を聞き、「まぁ、B.Tカメラもあるから大丈夫か…」ということで私は無事にF.Tカメラマンを任せて頂けるようになった次第です。
 Aさんは前回の私がF.Tカメラをした際に同じホールに居らしたカメラマンで、今回このようにシフターさんに口添えしていただけたことは大変に嬉しく思う一方で、担当決定に至るまでの話を聞くと、まだ私の『指定席』が中継部内には出来ていないのだなぁ…と痛感しました。

 余談ですが、このAカメラマンは近々DVStrom搭載のパソコンを導入するらしいです。
 前回の出張の時に「新しいパソコンを買いたいのだがどうすればいいか…」といった相談を受けたのですが、結局ショップがカスタムオーダーで販売するシステムを導入することになったようです。
 話を聞いていると「尼(尼崎)にある専門の店を知り合いに紹介してもらった」という事だったのですが、尼崎…と聞いてピンと来ました。
 明日、そのカメラマンに確認するつもりですが恐らくは「オーダーメイドビデオ編集パソコン工房 まつでん」というお店だと思います。
 まつでんさんには先方からもリンクも張って頂いており、ある意味このAさんが仕事関係では最も私のサイトに近づいている人となりそうです。
 AさんがDVStromの件でネット検索を掛けられれば当サイトを発見されるのは必至ですね…。

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■2003年10月28日(火)  (涙)
 ※更新不可能(汗)

■2003年10月29日(水)  復活。
 お久しぶりです(苦笑)
 漸くキーを叩く余裕が生まれました。
 が……なかなか皮肉な事にこの余裕が生まれたのはゴルフ中継業務のため兵庫県で『宿泊』しているため。
 只今は大ベテランのVEさんとの相部屋でカメアシ興行紀を書いております。
 
 さて、ここ数日はご無沙汰してしまったわけですが、簡単に本日までの経過を記せば……、
・24日:ゴルフ中継
・25日:ゴルフ中継生放送
・26日:ゴルフ中継生放送・撤収・機材降ろし
・27日:休暇/腰の治療のため帰郷
・28日:ゴルフ中継機材積み込み〜ケーブル敷設

 というスケジュールでした。
 特に昨日は結構忙しく、スケジュールも先週のゴルフ中継が終わって、帰宅して暫くすると今週のゴルフ中継のTDさんよりメールがあり、28日の出勤時間が1時間繰り上がる旨が連絡されてきました。
 当初28日は「機材の積み込み」だけの予定だったようなのですが、急遽「ケーブル敷設」も行われることになり、そのために時間が早まったのです。
 メンバーはたったの4名。それで、2ホール分の布線をしようというのです。
 「これは大変な作業になるなぁ〜」と思いながら現場に入ります。
 が、実際作業をしてみると少人数の方が作業が捗ることが判ります。
 というのは、少人数だと全員がその一つの作業に掛かるわけで、自分が把握している作業=全体の作業となるので、次に何をするべきか判断しやすく、動きやすい、というわけです。

 結局、たった4人で作業したにも拘わらず敷設予定ホールの1ホールは完全に布線完了。もう1ホールも翌日1時間も作業をすれ完了するほどまでに布線を行うことが出来ました。
尤も、少人数のために作業が大変であったことには変わりありませんでしたが…。


 さて、本日。
 私は昨日の「先発隊メンバー」に続いて、本日も「早出メンバー」
 朝の5時半に会社集合で現場に向かいます。カメラマンは私を含めてたったの2名。
 他にVEさんが2名とドライバーさんがおられるだけで、またまた少人数です。
 現場に早く入った理由は、中継車をゴルフ場に入れるため。
 ゴルフ場の朝は早く、8時前後になるとゴルフをプレーする人が現れますので、その邪魔にならないように早朝に車を入れる必要があるのです。
 中継車入れが終われば、手の空いた中継車のドライバーさんに手伝ってもらいながら、昨日の残りの布線作業をカメラマンだけで行います。
 結局、本隊が現場に到着するまでに映像ケーブルの布線はほぼ全て終わってしまい、今日は一日楽な日になることが予測できました。
 
 実際、その後はカメラを組み立てて、回線チェック・カメラチェックを行うだけ。
 快晴の秋空の下、時間は大変にゆっくりと流れ、少々肌寒くなる夕方まで私はカメラの練習をたっぷりと行うことが出来ました。
 そう、今回のゴルフ中継も私は「カメラマン」。
 ホールインワンホールのF.Tカメラ担当です。

 ちなみにホールインワンホール坦務は何度も言うように、いつホールインワンが出るか判らないため、第1組目から最終組までずっと収録し続ける必要があります。
 今回は、第1組目の開始時間が早い…ということもありホールインワンホール担当組の何名かは『宿泊組』となります。
 SW x1、CAM x2、VE x2、AUD x2 の合計7名が泊まりとなります。
 他の人々(40名ほど)は毎朝マイクロバスで大阪から通ってきます。
 ですから「出張」という扱いにはなりません。
 我々7名は今日から最終日まで4泊いたします。

 本日の終業は18時。
 流石に疲れました…。 

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■2003年10月30日(木)  みんなのゴルフ。
 本日より予選が始まりました。
 予選であってもテレビ収録は行う必要があり、また特に私が担当するホールインワンホールは第1組目から最終組までをすべて収める必要がありますので、昨日記したとおりゴルフ場の近くの旅館に宿泊して朝早くに現場入りを果たします。

 とにかく、一日中カメラを振ります。
 10時過ぎに選手が担当ホールに現れ、それから最終組が通り過ぎる16時までが仕事です。
 昼食時に20分間だけ他のカメラマンに交代して頂きましたが、その時以外はカメラに付きっきり。
 選手がTeeに居ないときはGreenにカメラを向けておいてリターン映像を見たりしながらダラダラっと過ごします。
 選手がTeeに来れば、腰痛のことも忘れて必死にカメラを振ります。
 選手のFFからウェストショットぐらいまで詰めながらフォローし、ボールを乗せたティペッグがティーグラウンドに刺される手元へズームイン。そこからやや画を引きながら再び選手へパンアップし、素振りする選手のグリップが入る程度のルーズ目のウェストショットへ。アイドリングに入る選手をフォローしつつボールとスイングした際に振り上げられるアイアンのヘッドが収まるルーズなFFでフィックス。
 ボールを打ったならば、半拍置いて選手のバストショットややルーズ目に素早くズームインを決め、リアクションをカバー。
 タリーが消えれば次の選手へ素早く乗り換え、必要があればアイドリング中の選手のグリップへズームインしそのままシャフトを下って、クラブとボールのフェイス合わせを見せて番手判断を行う画を作り……。
 と、大体この繰り替えし。
 移動式のクレーンやワイヤレスカメラが着いているときは、またちょっと画の作り方が変わってきますが、ティーカメの仕事はティーの様子と選手のスイングを見せることですので、その基本を忘れずに。

 全ての選手が担当ホールを通過し、ビューティー収録が終われば「お疲れ様でした〜」。
 今日は初日でしたので、中継車に帰った後に担当ホールのディレクターさんに挨拶に行きます。
 本番中のディレクターさんは新人の私に対しても、他のカメラマンに対しても対応が丁寧で、「○○(私の名前)さん、チャンスがあったらアイアンを見せてもらえますか?」などと仰ってきます。
 若手に対しても偉ぶらない人だなぁ、とインカムで指示を聞きながら思っていましたが、中継車に帰って判ったことは、私を「新人若手だと思っておられなかった」ということです(笑)
 TDが、「これが Front Tee の○○(私の名前)です。」と紹介すると、ディレクターさんは「え? ○○さん? Front Tee のですか?」と驚きの様子。
 話を聞いてみると、本番前に現場を見に行ったときにF.Tのカメラを振っていた人は年配の方に見えたそうなのです。
 なるほど、それはタイミング的に私が昼食のためにF.Tカメラを交代してもらったベテランカメラマンの姿を目にされたのだと思われます。
 ですから、そう思っておられたわけで、「○○さん」とか「……してもらえますか?」とか妙に丁寧だったわけです。
 TDが「今年入った新人ですよ。ご迷惑お掛けしますが宜しくお願いします」と言うと、ディレクターさんは「え、今年の4月に入って、もうカメラ振ってるの?」とまたまた驚きの様子。
 そう驚いて貰えたことで、モニター越しに判るほどのミスを今日は犯さなかったと思って良いのかな…などと慢心したりもします(笑)
 実際、他のカメラマンと合流してからも「今日はコイツ、無事やり遂げた満足感で上機嫌なんよ」と茶化してもらえたりもしましたので、まずまずの合格点が貰えているのではないでしょうか?
 
 ただ、週末に向かうに従ってだんだんと選手のフォローがシビアになってきます。
 注目選手や優勝候補など番組的に落とせないカットがいくつも生まれますので、慢心は禁物。
 まだまだTDやディレクターの的確な指示があってこそ、画が作れているのですから、左目で状況を見、ファインダーを覗く右目で確実な画作りをし、左耳でインカムのやりとりに傾注し、右耳で現場の音を聞き、右手でパン棒を握りつつもリターン映像を確認して、左手でズームリングとフォーカスリングをオペレートし、全身で空気を読んで、頭でその時々に対して必要な画を判断する……以上のことを全力で行わなければなりません。
 
 明日も8時半に現場入り。
 予選2日目です。

 なお、本日の収録の結果は今日の深夜25時台からオンエアです。

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■2003年10月31日(金)  cam vs ve...
 ゴルフ予選中継2日目。
 ディレクターさんが変わると仕事のやり方も変わります。
 昨日のディレクターさんは結構カメラマン任せで、必要なシーンを順番に組み立てて行かれることを中心に指示を出しておられましたが、今日のディレクターさんは細かなカメラワークの指示を出してこられます。
 私の担当している F.T に関してもいつもよりも多い指示があります。
 まず、ゴルフ的 F.F サイズですが、普段は足下のボールとスイングの際に頭の上に振り上げられたグリップを握っている手首が入る程度のサイズで画を作っているのですが、今日はスイング時に振り上げたクラブのヘッドが画面に収まっている様にして欲しいと言うこと。
 CSなどの専門チャンネルでは良くある見せ方ですが、普通の地上波中継では余り無いサイズの画ではないでしょうか?
 また、Teeでスイングしたあと選手の顔にギュッっと寄っていくカメラワークですが、「ゆっくりしたズームインをしてくれ」と指示があり、「え? こんなスピードで良いのですか?」というぐらいゆっくりとしたスピードでズームインをしていきます。
 普段なら、私のカメラでボールを打たせて、その次にG受けのカメラに切り替えてボールフォローを見せているのですが、普段のズームインの速度だと、ボールがまだ上昇している最中にボールフォローの画に切り替わるのですが、今回のようなゆっくりとした速度で顔に寄っていくと、ボールが落下運動に入っているか、場合によってはグリーンにボールが落ちかけのタイミングになります。
 それでも、ズームが遅い…とか言われませんでしたので、今日のディレクターさん的にはOKだったようです。
 今日のディレクターさんは受けカメのベテランカメラマンやスイッチャーさんが、「○○さんがディレクターで緊張するわ〜」と仰るぐらいの敏腕ディレクターのようで、指示も厳しく、私も結構叱られました。
 そんな中、無事に朝から30組90名のフォローをやり遂げ、流石に息が上がります。

 そうそう。今日、気になった指示といえば、最後の組を撮っている際にSWさんに、「今度はデマンドでなくて、手動でズームインしてみろ」と言われてしまったこと。
 デマンド……つまり電動のズームシーソのことですが、……えっと今日は一度もデマンドは使っていませんよ……。ずっと手動でズームリングを動かしていたのですが…と戸惑います。こう言われてしまうと言うことは、抑揚のない“のっぺり”としたズームワークをしていた…ということでしょうか。
 手動でやっているのを判っての皮肉なのか、本当にデマンドを使ってやっていると思っておられたのか……結局確認出来ずじまいでした…。

 ちなみに、旅館に帰ってからの話ですが、今回の宿泊はVEさんと一緒の2人部屋なのですが、今日はもう一人のVEさんもいらして、技術部の冬季評定をなさっておられました。(ちなみに私は映像課。技術課は「VE」と「VTR」部門です)
 その席に私も同席(酒をそのお二人のVEさんと一緒に呑んでいました)していました、が、その2人のVEさんに何度も何度も「○○(私の名前)、お前VEに来い。お前はVE向きや。VEに来たら、しっかりと仕込んだるぞ」と仰ってもらいました。
 「お前は、性格がおっとりしてるから、ゆっくりじっくりと考えて仕事が出来る職場の方が合ってるんちゃうか? お前は勉強したら頭に入るタイプやから、理論をしっかりと本を読んで理解できれば、あとの方法論は自分のやり方で自由だから似合ってるんとちゃうか?」とずっと、それこそ風呂場ですら言われてしまいました。
 確かに私はハードウェアは好きですし、コンピュータ的なソフトウェアも弄るのが好きです。NTSC信号の基礎も高校時代に独学したぐらいですから、映像信号などの原理や論理には大変に興味を持っています。
 今はまだカメラマンとして成長したいと思っていますし、今VE課へ移ってしまっては、ただの負け犬ですし、そんな人材をVE課も求めては居ないでしょうから、しっかりと一人前と認められるカメラマンに成長してから、それでも機会や興味があればVEという路線も考えて良いのではないかと思います。
 
 それにしても技術課の冬季評定の現場に居合わせたり(ある意味、問題ありですが)、今回の私へのVE課への転属推薦を受けて思ったのですが、皆さん本当にしっかりと人を見ておられます。
 技術課の人ですらこれほどに私を見てくださっているのですから、同じ映像課の先輩方は更に深くしっかりと丁寧に私を見ていてくださっているのかと思い、嬉しく思う反面ゾッとします。
 今回の冬季評定の結果がどうなるのか不安でいっぱいです。

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