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〜 立命館大学 エコテクノロジー研究センター(プロモーションビデオ製作) 〜
さて、当「ACC visualization」は立命館大学放送局からの要請で、同大学のエコテクノロジー研究センターのプロモーションビデオの製作を請け負っている。
エコテクノロジー研究センターは今後ますます重要となってくる環境問題に対する技術的対策を日々模索しておられる。その研究内容は大きく2っつに分けられ、難分解性有機ハロゲンの排出抑制研究と廃プラスチックを燃料として再利用するサーマルリサイクルの研究である。
当ビデオはそれらの研究をより多くの人々に知っていただき、また企業や自治体より賛同を得るために製作するものである。
センターとの打ち合わせや外部との交渉は、主に立命館大学j放送局(RBC)が行い、ACCは機材と人材の提供及び、製作を担当している。
しかし、ACC visualizationにとっては初めてのプロモーションビデオ製作となるため、暗中模索と試行錯誤の連続である。
実際に頭で理解していることを、実践に移すこと、またそれを具体化することが如何に困難であるかを改めて痛感した。
ここでは、その製作過程を簡単ではあるが紹介していきたい。
混乱は、かなり初期の段階からあった。
まず、連絡・交渉系統が2本3本と複数RBCとエコテクノロジー研究センター(エコテク)の間にあったため、その情報を頼りに動こうとしていたこちらには大きな混乱があった。
実際、初めての打ち合わせの時ですら聞いていた話と色々食い違う所があり、歯がゆい思いをした。
とりあえず、本題に入る前に製作側の構成を記述しておくと、渉外がRBC、撮影がACCとRBC、さらに編集がACC、CG等のコンテンツ製作もACCの担当である。
作品の台本とも言えるナレーション原稿はエコテク側が用意してくださり、それをベースに我々はビデオを製作することになる。しかし、ここで大きな失敗があった。台本が完成…少なくともベースができていない段階で動き始めたため、後日の絵コンテ作りで素材の不足が大きな問題となる。また原稿が上がってくるほぼ最終の段階まで当方がその内容に介入しなかったため、ビデオ作品としては大変作りづらい台本ができてしまった。
さて、上がってきた台本なのだが、ナレーション…つまり口述する文章としては大変につらいものがあった。日頃、論文しか読み書きしない理系の方々の書かれたものだ。はっきり言ってナレーション原稿としては使い物にならない。全くの論文口調なのだ。初めの打ち合わせの時に、口述しても分かる単語でとは申し上げたのだが、その結果には閉口した。
その台本の手直しに2日を割くとになったが、それはまた後述しよう。
さて、撮影に入る。はっきりいてこれが失敗だった。しっかりと絵コンテを切ってからやるべきだった。少なくとも台本に入りそうな撮影対象を限定しておくべきだった。そうすれば、後日に撮り直しや不要カットなどの時間的無駄を費やすこともなかったのだ。
撮影機材は、メインカメラをVX2000、サブをTRV900。三脚はSTUDIO T.Y.からお貸しいただいた。今回はレフ板を自作し、またトラック移動撮影のためにエコテク施設内にあった大型の台車を使用した。
収録は、活性炭吸着装置の撮影から始まった。施設に横たわるこの装置は早い話パイプとタンクのお化けで、各装置の分かれ目がはっきりしているので撮影は比較的しやすかった。特にこの装置のメインである活性炭吸着塔はワイコン装備の状態でアオリ気味のアングルで撮ったため、そびえ立つような巨大な装置となってブラウン管に現れた。実際は高さ2mほどしかないのだが、まあすごい装置に見えるからヨシだろう…プロモーション的には(オイ)。
引き続いてRDFといわれるでっかい装置だ。はっきりいって撮影しにくい…。 縦構造この装置、無性にクレーンが欲しかった。今度はクレーンを購入しよう(笑)。そうすればかなりダイナミックな面白い紹介映像になったと思うのだが…。今回は仕方なくトラックとズーミングにより工夫をさせていただいた。主立った装置は日中に撮影したのだが、この装置には流動床式小型実験燃焼炉というのがあり、石英ガラス越しに燃焼状態が見られる。その様子を撮影するために日が暮れてからの撮影も行った。こちらは綺麗に撮影できたと思う。
撮影は2日間に渡って行い、その次の日からはパソコンの方にOKテイクの取り込み行った。勿論パソコンはACCのもの。60GBの映像用HDDを増設してるため余裕はたっぷりだ。
そしてやがてナレーション原稿がエコテクより届けられた。ショックだった。一ページ目から修正の連続であった。長すぎて言い回しがくどい文章。既に日本語として成立していない箇所。口述されても不明な単語……。これらを一つ一つなおしていく。
「いいか、ここに述語があるということは、この2つの句は連用修飾語ということだから……」などという会話が四六時中交わされた。
そして二日係って修正されたのが以下の物だ。
修正されていない「行」は無いと言うほどにぎっしりと鉛筆で書き込みがされ、スクラップ&ビルドが行われている。
これが実に10枚続く。
さて、ナレーション原稿ができれば続いてはナレーション収録、つまり「ナレ取り」だ。
ナレーターはRBCの女性アナウンサー。収録スタジオは我が家の「オーディオの部屋」、機材はACCとSTUDIO
T.Y.によるものだ。
我が家の「オーディオの部屋」は完全に私の親父の趣味の部屋だが、音楽を聴く上では最適な環境になっているため、本来的な使いからではないがナレーション収録に使わせてもらえることになった。
そこでの収録時間、実に7時間余り…。数え切れないほどのリテイクを出しながら、無事終了した。音質は上々。流石に反響や騒音などの悪い要素は一切無い。
さて、現在はここまでである。このあと、絵コンテ作りをしたのだが、素材が全く足りない。今後さらに取材を続け、素材を増やす必要がある。
完成締め切りを内部的に9月28日としているのだが果たして間に合うのだろうか?
この続きは随時更新していきたい。(2000/9/20)
>>>>9/20
さて、本日は草津のゴミ清掃センターの取材をさせていただいた。
環境問題を取り扱ったエコテクのプロモーションビデオだ。現実に起こっている問題を作品内に織り込むことで、よりエコテクの研究の意義が高まると言うものだ。
今回は先日購入したばかりのLibecのLS-40DVという三脚を使用した。
朝の7:30に家を車で出て、渋滞に巻き込まれながらも10:00前には清掃センターに到着できた。この清掃センターは滋賀県草津圏全域のゴミを処理しており、一日平均100tのゴミが運び込まれるようだ。本日水曜日は収集車が最も少ない日らしいのだが、全種類のゴミが運び込まれる日に当たるそうで今日になった。
率直な感想を言うと「臭かった」。めちゃくちゃ臭かった…。特にプラスチックゴミの処理場が臭かった。結果は上々で、かなり面白い映像も取れたと思う。また、三脚の実践使用のレポートも書けると思う。
なお、草津のこの清掃センターは焼却炉の改善が数年前に完了しており、ダイオキシンなどの有害物質などの排出の心配はない。
>>>>9/28
今日は先日の収録で未収録であったナレーションを収録した。前回で収録しきれなかった理由は2つで、エコテク側から提供されたナレーション原稿の中に判明していなかった数値があったり、また当方で都合により編集時に変更を余儀なくされた部分があったからである。
今回の編集は大学内のメディアラボ3内の「録音室」で収録を行った。録音用の様々な機材が揃っていたが、私は手っ取り早く自分でもってきた機材で収録をすることにしていた。
が、しかしその「録音室」の音場特性は酷いものだった。なんといっても音の反響が全く考慮されていない。手でパチンと拍子を打つと部屋に木霊し残響する。とりあえず収録し、録音内容を確認してみたが酷い。はっきり言って使い物にならなかった。声が部屋全体に籠もり、マイクにはくぐもった音声で収録されている。前回の収録条件が如何に最良の環境で行われたかが身にしみて分かった。全くの別人がナレーションしているようだ。
とにもかくにも、再収録を余儀なくされた。とりあえず再収録は10月の7日になりそうだ。やはり大人しく自宅の「オーディオの部屋」収録を済ませておくべきだったか…。
>>>>10/04
今日はエコテクのプロモの都合でダイキン工業滋賀工場に取材に行った。どうしてエコテク関連でダイキンかって? それは……ちょっと言えません。企業秘密というヤツです。
ダイキン工業と言えば何を思い浮かべるだろうか? 一般には空調システムだとは思うが、このサイトに遊びに来ている方なら、DVDオーサリングシステムを思い出して欲しい。
今日も今日とて学校をさぼって取材だ。ダイキン工業が行っている環境保護対策を収録する。それが建前だが、しかし都合、建前での話を進める。
施設内には事務所を始め様々なエコロジー対策が行われている。特にISOの取得について力強く方っておられた。これからの企業評価の一つが環境問題に対する取り組みであるから、ISOの取得は企業としては自慢なのだ。
従業員全員が環境問題に取り組んでいると言うことを前面に押し出し、収録は続いた。結局取材は2時間ほどで終わったが、うんなかなか実のあった取材だったと思う(今日はこんだけ)。
>>>>10/09〜
いまさらではあるが、エコテクのその後のお話である。
エコテクのお仕事は10月9日月曜日をもって無事に終了しました。長かった…っていうかしんどかった…。
最後の仕上げは8〜9日のを夜通しで行って、BGMを載せる。なかなか言い曲が見つからなかったのだが、ネット上で株式会社ナッシュスタジオ様を発見。御社はネット上で音源を提供しておられ、支払いは後日で、発注翌日には音源が利用できるという大変ありがたいサービスをやっておられる。必要な曲が一曲単位で注文でき、しかも試聴用の曲はなんと頭から最後まで全て聞けてるといったサービスの良さ。対応もめちゃくちゃ速くメールを出した翌日にはしっかりと返答があるという気持ちよさ。かなり気に入ってしまいました。
発注したのは4曲だったのだが使用した曲は全部で3つ。大変に使いやすくて良い音楽でした。
しかし、今から考えるとよくも一晩であの歯抜け状態から完成させられたものだと感心する。これもひとえにPho-Tonの努力の賜だろう。ありがとうPho-Ton!
できあがった作品は大変に好評で、先日滋賀県の長浜で開催された環境メッセでも大勢の人が足を止めて流れているビデオ映像に見入ってくださったそうだ。大学のリエゾンオフィスの人の話では、去年の環境メッセの際にもNHKの取材による映像を会場で流していたそうだが、見入る人はほとんどなく、今回の盛況ぶりに大変に喜んでくださった。
まぁ、なにはともあれ無事終了した。
何点も気にくわない仕上がりの所があり、もっと充実した作品内容にしたかったな、と思う作品ではあるが、私としても大変に勉強になる機会であったと思う。
今後、この経験を活かしてよりよい作品作りを目指していきたい。