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〜 SONY“ MDR-EX90SL ”を購入してみました 〜
(提出日:06/05/29)
SONYのウォークマン(1979年)から始まったポータブルオーディオの世界は、今や iPod を筆頭とした巨大なマーケットとなり、また万人が受け入れられる嗜好の一つとなっている。
人にとって音楽とは、癒しであったり、思い出の発露であったり、情熱の場であったり、人生そのものであったりと千差万別だが、オーディオ機器を揃えたり、それこそロケーションフリーで音楽を聴こうとする為の ポータブルオーディオの普及は、何かしら人々の中で意識の励起を引き起こす“音楽”という要素が必要不可欠な物として定着しているからだろう。
さて、再生機としてのポータブルオーディオの発展と共に、それらの“音の出口”としてのヘッドフォンもその進化の歴史を歩んできた。
その中でも特にイヤフォンやカナル型は正にポータブルオーディオの申し子であり、ポータブルオーディオ機器に標準で付属しているリスニングデバイスは、すべからくヘッドフォンと言っていいだろう。
そして各社から多くのヘッドフォン製品が登場する中で、最近 SONYから発売されたヘッドフォンが、“MDR-EX90SL” である。
MDR-EX90SL は カナル型タイプのヘッドフォンで、スタジオモニターヘッドフォンの代名詞“MDR-CD900ST”のノウハウを投入した『 EXモニターシリーズ 』の第一弾製品である。
定価で 12,390円 と比較的安価な部類に入るが、MDR-CD900ST の技術が導入されたヘッドフォンと言うことで早速購入してみた。
まずはカナル型という点についてだが、各所で言われているように、MDR-EX90SLの遮音性は低い。
カナル型の特徴として遮音性の高さが上げられるのだが、MDR-EX90SL は音漏れも外音の侵入も、インナーイヤフォンタイプのそれと余り変わらないようだ。
外音が聞こえてくるのは私的には一向に構わず、むしろ今までのヘッドフォン(Bang & Olufsen A8 )でも外音が聞こえる程度にはボリュームを絞ってリスニングしていたので気にするところではない。
音漏れはユーザの利用環境に左右されるが私の場合は、自転車に乗りながら聞くことが多いので、周囲の人にそれほど配慮する事はないが、電車通勤などで利用したい人は注意が必要だと思う。
耳に挿入するイヤーピースは、大・中・小の3種類が付属しており、購入状態で中サイズのイヤーピースが取り付けられている。
カナル型ヘッドフォンは、耳への取り付け方・挿入具合で音質が左右されるので自分の耳にしっかりとフィットしたイヤーピースを選びたい。
MDR-EX90SL の開発に際しては、膨大な数の「耳型」をSONY社内で採取し、400個以上の耳型を使ってその挿入具合とドライバユニットの配置を決めたそうで、的確な耳への挿入がより良い音の表現に繋がるのである。
私の場合は、小のイヤーピースが自分の耳にフィットするようで、早速現在は小サイズを使っている。
さて、肝心の音質だが明るくて、高・中・低いずれも伸びのある音が気に入った。
音質というのも味覚と同様で好みがあるので、人によってその評価は分かれるところだと思うが、私個人が好きな音質で奏でてくれていて満足である。
「MDR-CD900ST のノウハウを……」という事だったので、その“モニタ的な”音を心配していたのだが、MDR-EX90SL は、モニタ的な音のキツさは無く、リスニング用のヘッドフォンとしてしっかりとチューニングされているのが分かる。
MDR-CD900ST はやはりモニタヘッドフォンで、長時間音楽を楽しむのには向いていないし、音の粗探しの為のヘッドフォンという感じがあり、“リスニング”にはお奨めできない。また個人的には MDR-CD900ST は中音域がちょっと強調されている様な気がして、ボーカルものなどを聞くには鬱陶しさが目立っていた。(良し悪しではなく使用上の相違に過ぎないが。)
それに対して、MDR-EX90SL は“鑑賞する”ことに重点を置きながらも、音の解像感やその輪郭はハッキリと表現しており、全体として音圧も高くほどよく聴覚を刺激してくれる。
低音が豊かなのも特徴で、13.5mmのドライブユニットが利いている。
高音域にはシャリシャリした印象はなく、無理せず素直に音を出している感じだ。
今まで使っていた Bang & Olufsen A8 の大人で上品な音も好きだが、MDR-EX90SL では表現できている音の数が違うようだ。
今までと同じ音楽ファイルを聞いているとは思えない。
いつもの様に CREATIVE Zen Vision:M でリスニングしているが、「おおぉ、こんな所にこんな音が埋もれていたのか!」と聞く度に嬉しくなってしまう。
モニタリング的な要素では、例えばクラシックなどの生演奏物では、弦と弓のかすれ具合や、演奏者の衣擦れまでも聞こえてくる。
一方、mp3という圧縮音源の限界も平気で露呈させてくれる。
やはり、mp3はオーケストラ物の圧縮は苦手だなー、と改めて思い出させてくれる場面が何度もあった。
いい加減なヘッドフォンだと、そもそもヘッドフォンが悪いから全体のクオリティーが低下して、mp3ファイルの瑕疵がなかなか見えてこないのだが、上質のヘッドフォンになってくると、直ぐにファイルの善し悪しを見せつける事になる。
また、同時にプレイヤーの品質もバレてしまうだけの描音力を持っている。
音楽ファイル圧縮時のエンコードアルゴリズムの品質はもちろんだが、デコード時の性能からD/A回路の特性までが聞き取れることになるので、リスニングに使うプレーヤも選びたくなってくるだろう。
私が愛用している CREATIVE Zen Vision:M は Apple の iPod と形やGUIが酷似していて、特に iPod ユーザから総スカンを食らっているようだが、残念ながら音質は CREATIVE Zen Vision:M の方が上だったりする。
ACC東京の佐藤くんの Blog( s@to’s archives ではない)にも以下のような評価があった。
ヨドバシカメラでポータブルオーディオ比べ。 (中略)もちろん愛用のイヤホン持参で。 |
感想については、あくまでも個人の主観であるので異論はあるだろうが、概ね私も同評価である。(SONYのは聞いた事がないが)
なかなか主流のポータブルオーディオプレーヤの音質の比較レポートがいずれのメディアでも見つからないのだが、CREATIVE Zen Vision:M は間違いなく現時点ではトップクラスの音質を奏でてくれるデバイスの一つであろう。
その点で、MDR-EX90SL をはじめとする高品質のヘッドフォンとの組み合わせには孰れにも役不足の憂き目を見せることなく、お互いの高品質をフルに発揮できることになる。
些か話が脱線したが、MDR-EX90SL は最上級のヘッドフォンではない物の、audio-technica ATH-CM7Ti や SHURE E3 などと同じ土俵で勝負出来るだけの実力を持っていると思う。
使用の過程でのエージングで音質が多少変化して行くとは思うが、モニタリング的で精緻な音解像度を求めつつ、音楽をリスニングする楽しみを味わいたい方には、買って損のないヘッドフォンではないだろうか。
<MDR-EX90SL 関連記事・サイト>
・SONY 製品案内ページ
・Impress Watch 新製品プレビュー『ソニー 「MDR-EX90SL」』
・ITmedia +D『開発者に聞くN・U・D・Eシリーズ最高峰「MDR-EX90SL」』