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〜 カメラの構え方 〜
(開講日:01/06/07)
ビデオ撮影時のスタイルを大別すると、「手持ち撮影」と「三脚撮影」に分けられる。三脚撮影については次頁の「三脚を立てよう」に詳しいが、今回は手持ち。基礎中の基礎である。
ただ、この手持ちスタイルがしっかりしていないと画面がブレた見づらい映像になってしまう。
今回は、いかにして手ブレの少ない画面を作っていくかを学んでいこう。
■基本スタイル(アイレベルでの構え方)
最も基本的なスタイルは、人がまっすぐ立ったときに見える視点での撮影である。まず、足を肩幅ぐらいに軽く開く。
カメラを構える腕は、脇を軽く締めて安定感を高める。
そして、カメラが水平に構えられているように注意する。
下の状態が、正面から見た基本的な構え方である。
この時、両手でしっかりとカメラをホールド(固定)するのが基本だが、よく見かける誤ったスタイルは、片手で構えるという横着なものだ。
これでは、ややもするとすぐに画面が揺れはじめるだろう。
VX2000の場合、バッテリーF960を装着した状態でのオペレーションで、右手の掌に重心が来るようにバランス設計がされている。
そのため、右手だけでも前後のバランスは取れるが、それでも必ず左手をレンズ部に添えよう。
左手は順手でも逆手でもどちらでも良い。
自分がフォーカス・ピント・明るさ調整のしやすい状態で構えておくのがいい。
また、右手はしっかりとベルトに通し、ベルトの長さを調整しておく。
そうやって、しっかりとカメラの右側面を包み込むようにする。
写真左のように中途半端なホールディングでは画面のブレばかりか、落下の恐れがある。
また、撮影現場でより安定した画像を得たければ、付近にある固定物を利用する方法などがある。
電柱・街灯・樹木・自動車・壁など、それらの固定物に寄りかかってやるとかなりの安定性を得られる。
さらにいざとなれば、人の肩を借りての撮影も上記のものほどではないが安定を求められる。
特に望遠側で撮影したいときは、手近な固定物を利用すると大きく画の安定度が違ってくる。
■ハイアングル時の構え方
少し以前……液晶モニタ付きのビデオカメラが一般化する前はハイアングル撮影時は、画面の確認が出来なかったため勘に頼る事がしばしばであった。VX2000の先代機VX1000は液晶モニタがなかったためハイアングル撮影は苦労したものと思う。
しかし、昨今のビデオカメラには必ず可動型の液晶モニタが付き、アングルを制限されることが少なくなった。
ハイアングル撮影も基本的な構え方は同じである。
特に、脇を締めて安定させることが出来なくなるので、しっかりと両手で構えてホールドしないといけない。
肩乗せの業務用・放送用機と比べれば遥かに軽い VX2000 だが、それでも長時間のハイアングル撮影は腕に負担が掛かりやすい。
風景画の撮影などには向かないので、人物を追うなど緊急時に留めたいものである。
■ローアングル
ローアングル撮影もハイアングル同様、日頃の人間の目線とは違った位置からの撮影なので、独特の画が撮れる。撮影の基本スタイルは、左膝を地面について右膝を立て、その右膝を固定脚にして構える。これによりかなり画面が安定する。
また、お腹の前あたりで構えるような状態も考えられる。
この際は、左手・右手が身体に側するので、脇を締めてやると多少は安定感が増す。
どちらの場合も、左手は通常通りに構えてやればいいが、右手はグリップに掌を通すことが出来ないので、右側面を保持するか、グリップを掴んでやると良い。
VX2000ならキャリングハンドルを握るのも良いだろう。
いずれの場合も、特に意図がない場合は水平が崩れていないか注意巡らそう。
また、REC時は息を止めると更に画が安定するので撮影中は息を殺すように心がける。
最後に、一番ダメな例を挙げておこう。
一体何が撮れたのか楽しみだ…
撮影協力:Y氏(Studio.T.Y.)