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<<< 映像信号のデジタル化
〜 MPEG2に関して 〜
(更新日:05/05/07)
さて、HDVの画質を決定する要とも言える圧縮方式のMPEG2に関して触れておきたい。
なお、本稿で記す内容は、当サイト『創想雑誌【2004/02/01/(Sun)〜2004/02/10/(Tue】号)』に加筆修正を施したものであることを予めご了承頂きたい。
Profile & Level
MPEG2ではMPEG1のようにVHS品質の映像をCD-ROM(Video-CD)などの蓄積メディアに記録することを主眼に策定させた事と異なり、蓄積メディア以外にも放送・通信などのストリーム系メディアでの応用分野での活用も念頭に置かれて策定されている。
そのために、MPEG1よりも多くの圧縮技術要素が盛り込まれ、これらの要素の組み合わせにより様々なメディア・活用目的に対応出来るように設計されている。
それを可能にしているのが“Profile & Level”である。
HDV規格で採用されている“Profile & Level:MP@H-14”もMPEG2規格が定める符号化クラスの定義。
ここで、MPEG2の符号化定義を確認してみる。
MPEG2圧縮では「Profile」と「Level」という要素の組み合わせによってクラス分けがされている。
以下にMPEG2で規定しているProfileとLevelの一覧テーブルを掲載する。
Simple Profile | Main Profile | SNR Scalable Profile | Spatially Scalable Profile | High Profile | 422 Profile | Multiview Profile | |
High Leve 〜1920x1152 | MP@HL 〜80Mbps | HP@HL 〜100Mbps | 422@HL 〜300Mbps | MVP@HL 〜130Mbps | |||
H-1440 Level 〜1440x1152 | MP@H-14 〜60Mbps | SPt@H-14 〜60Mbps | HP@H-14 〜80Mbps | MVP@H-14 〜100Mbps | |||
Main Level 〜720x576 | SP@ML 〜15Mbps | MP@ML 〜15Mbps | SNR@ML 〜15Mbps | HP@ML 〜20Mbps | 422@ML 〜50Mbps | MVP@ML 〜25Mbps | |
Low Level 〜352x288 | MP@LL 〜4Mbps | SNR@LL 〜4Mbps | MVP@LL 〜8Mbps |
上テーブルから分かるように、MPEG2では7つのProfileと4つのLevelによって分類される。
Profileとはビットストリームを構成するパラメータやフラグのサブセットを表すもので、これにより符号化・復号化のアルゴリズムの基本構成が定義される。
各プロファイルは異なるパラメータのサブセットをもち、付加的なパラメータはビットストリーム内に存在する拡張と呼ばれるパラメータのサブセットで表示されるようになっている。
Levelとはビットストリーム内のパラメータに加えられる制約条件を表し、これによりProfileで定まる一定のアルゴリズム構成において達成される品質が定義される。パラメータの制約条件とは、例えば画像のサイズやビットレートなどに加えられる制限である。
要約すれば、Profileは使用できる符号化ツールとシンタックス(構文)の範囲を示し、Levelは扱える画像の解像度やフレームレートなどパラメトリック(可変数値)の範囲を示している。
Profileの種類を詳細に見ていく。
Profileは、最も単純な「Simple Profile」、標準的な「Main Profile」、2層のSNR階層符号化を扱う「SNR Profile」、3層の空間階層符号化を扱う「Spatial Profile」、SNRと空間を組み合わせた3層の階層符号化を扱う「High Profile」、スタジオ品質の高画質映像のための「422 Profile」、立体映像の撮影条件パラメータを扱う「Multiview」の7種類が定められている。
SimpleとMainの相違は双方向予測の有無であり、Mainと4:2:2の相違は後者が色差信号の密度が高い4:2:2フォーマットなど高品質化に適したProfileになっていることである。
双方向予測とはMPEG映像を構成する“ I・P・B”といわれる3つのピクチャのうち、「現在、過去および未来の画像情報を使って符号化する」Bピクチャのことであり、Simple Profile ではこの Bピクチャを持たない事になる。
デジタル放送では、この Main・Simple・4:2:2 の3つのProfileが重要となってくる。
デジタル放送の配信は Main が中心になるが、低遅延や品質の均一さが重視される場合には Simple が、スタジオ編集など再利用性も考慮した高品質符号化には 4:2:2 が主に用いられる。
また、SNR、Spatially、High、Multiviewの各プロファイルでは階層性が定義されている。
階層符号化は、符号化されたデータの一部を使って、デバイスや伝送系の能力や特性に応じた処理が行なえるものである。
SNR(Signal-to-Noise Ratio)階層符号化は、量子化のレベル、すなわち映像の品質を階層化するタイプで、低品質から高品質へと階層化して行く。
空間階層符号化は、空間方向、すなわち映像の解像度を階層化するタイプで、低解像度から高解像度へと階層化して行く。
Multi-viewは立体符号化であり、2つのviewすなわち左眼画像と右眼画像を基本階層(ベースメントレイヤ)と拡張階層(エンハンスメントレイヤ)に分けて符号化する。
いずれの階層符号化においても、基本階層は通常のMainプロファイルデコーダで復号可能であり、互換性を保っている。
次にLevelの種類である。
Levelでは、Low LevelがMPEG1相当の解像度、Main Level が標準テレビ画質、High Level と H-14 Levelがハイビジョン画質に相当する。
High Level と H-14 Leve の違いは扱える解像度の差であり、High Level が 1920×1152 、 H-14 Leve が 1,440×1,152 までを扱える。
HDVに採用されている“MP@H-14”であるが、上述から分かるように、「Main Profile@H-1440 Level」のことであり、すなわち「双方向予測を行い、上限解像度 1440pix x 1152pix x 60fps」を扱えるProfile/Levelである。
記録ストリームタイプ
720pと1080i規格には、MPEG2化したデータの記録の方法に違いがある。
それはMPEG2データのストリームタイプの相違である。
MPEG2規格には大きく分けて2つのストリームタイプがある。
一つは、DVDなどに用いられるProgram Stream(PS)と、デジタル放送などで利用されているTransport Stream(TS)である。
それぞれの特徴の説明を行う前に、MPEG2のパケット構造を簡単に説明しておく。
両ストリームは基本要素として相互の変換を可能とするための中間的な状態である PES(Packetized Elementary Stream)パケットから構成される。
PESパケットは、エンコードされた映像や音声のそれぞれのデータ;Elementary Stream にストリーム間の同期を取るために、復号化時刻や表示時刻などをヘッダーとして付加したもので、ヘッダからヘッダが一つの可変長なパケットとなり、再生同期などを取る。
Program StreamとTransport StreamではこのPESの扱い方が違ってくる。
PSでは、“Pack”と言われるデータの並びで構成される。Packは、基準時刻情報をパックヘッダとして持ち、0個以上のPESパケットを含む。PSは1チャンネル分に相当する映像・音声のPESを多重化することが出来る。
PSは、可変長のPESパケットサイズをセクターサイズに整合させるなどしてシンプルな構造にすることができるため、再生専用のDVDで採用されている。DVDでは、1セクターのサイズが2,048バイトの固定長という記録メディアの性質に合わせて、1セクターに1パックを格納している。PESパケット1個を1パックに格納することで、シンプルな構成になっている。
対してTSでは、映像・音声・データの多重化伝送方式で、PESパケットを細かく分割してヘッダーを付加し、最終的に188バイトのTSパケットと呼ばれる単位にして伝送する。
TSは、通信路の伝送方式と親和性の高い188バイト固定長の短いパケットで、複数のチャンネルを多重化できるなどの特長を持ち、より放送に適した方式である。
PSはデータ誤りのない環境で使用されることが主で、蓄積メディアなどで利用され、TSは反対にデータ誤りが発生する環境で使用され放送や通信の分野で用いられる。
HDV規格の720pでは、MPEG2のストリームタイプに Transport Stream が用いられている。
一方、1080i規格はTSでもPSでもなく、その基本要素のPacketized Elementary Stream (PES)の状態で記録されている。
720pで採用されているTSの場合、PESパケットを分割(184byte)してその分割されたパケットの頭にヘッダ情報(4byte)を付け加えるために、どうしてもヘッダ情報分だけ余計に情報量を消費する。
1080iでは出来るだけ多くのビット数を映像情報に割り当てる為に、ヘッダ情報を最小限の付加で済ませることの出来るPESパケットの状態で記録する道を選んだと考えられる。
HDVの場合はデータをIEEE1394を経由してやりとりすることになるのだが、その場合はビット誤りが発生する可能性があるためIEEE1394でのMPEG2データは必ずTransport Stream を用いることが定義されている。
720pの場合はそのまま Transport Stream で記録されているためにデータの授受もTSのままで行われるが、1080iの場合は記録はPESだがデータの授受はTSに変換されて通信が行われる。
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