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〜 SONY HDR-HC3 使用レポート 〜
(提出日:2006/04/23)
■ホワイトバランス
さて、当サイトのBBSの方でも HC3 と Z1J のホワイトバランスの違いについて、質問が上がったので、両機のホワイトバランスや色味の違いを比較していく。テストでは、ビデオサロン(玄光社)とビデオ倶楽部(エクスナレッジ)にいつぞや付録としてついてきたテストチャートを使い、照明(6000k)2灯の照射で屋内撮影した。
また、いつものように PC画面見ると極端に暗くなるため、Photoshopを使って均等な補正をしている。
それぞれのテスト結果画像にはベクトルスコープも添付したので参照していただきたい。
1.HDR-HC3 カラーチャート(ワンプッシュホワイト)
2.HVR-Z1J カラーチャート(ワンプッシュホワイト)
なかなか分かりにくいかもしれないが、HC3 は若干色を鮮やかというか華やかにしている。
HC3 と Z1J を比較すると、緑色の傾向は同じなのだが、その他の色では HC3 はちょっと派手に描くようだ。
反対に Z1J は自然に描く方向で表現している。どちらかといえばしっとりと描き、HC3 と比べると元気はないが、その分、色の派手さがなくて落ち着いている。
掲載した画像でもそうだが、HC3 は全体的に明るく派手に描くため、赤とマゼンタの差がわかりにくくなっている。
対して、Z1J は 赤とマゼンタの境界線は明確で、一つ一つの色を丁寧に描画している。
また、若干テスト画像にも現れているが、Z1J はおおざっぱに色を再現していないので、テストチャートの紙の質感なども見て取れる。
両者は液晶のテレビモニタで見ると全く違う画になっており、この状態で2台を同じ現場で並べて使うことは出来ない。
3.HDR-HC3 カーネーションガール(ワンプッシュホワイト)
4.HVR-Z1J カーネーションガール(ワンプッシュホワイト)
こちらも、上のテスト結果と同様、 HC3 は派手目に描いている。
赤いカーネーションは少し飽和気味になるほどに明るく描いており、花びらなどのディテールが飛んでいるのが見て取れる。
女性の肌も、だいぶん赤くなっており、ちょっとお酒が入った顔のようになっている。
家庭用ビデオカメラの傾向としては、肌を赤めに表現して、明るく元気な画にするようなので、家庭用カメラとしては一般的な色調なのかもしれない。
Z1J も少し赤みが強調されているかなとは思うが、不自然さはない。
花びらのディテールや肌の凹凸などもしっかりと描写している。
ディテール描写でわかりやすく差が出ているのは青いセーターの編み目。
Z1J では一目一目までしっかりと見えているが、HC3 ではある程度の細かさになればディテールはスポイルし少々ノイジーな表現になっている。
10万円 vs 50万円 では差が出て当然であるし、そもそものターゲット層が違うので、この色味の違い自体に優劣は無い。
ただ、Z1J や FX1 のサブカメラとして HCシリーズを考えている方には、並べて編集ラインにそのまま放り込むのは難しいだろう。
HC3 の方にカメラ画質の設定項目は皆無(ホワイトバランスのシフトぐらい)なので、撮影時に調整するならば、Z1J のピクチャープロファイルなどを弄って、メリハリ・骨太・鮮やか、な画調を探すか、EDIUS Pro などの編集ソフトで、ポストプロダクトするかが必要だ。
同じ画調にすることは至難であると思うので、メイン・サブで利用するなら、その使いどころをしっかりと検討してから、運用する必要がありそうだ。
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