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〜 FIRECODER Blu レポート 〜
(提出日:09/05/17)
■超解像技術
映像作品のハイビジョン化が進む一方で、過去からの膨大な数に及ぶ SD画質映像の保存や活用も大きな課題となっている。
当サイトの読者の多くも、DVカメラクラスの映像を大量に保有しているはずで、私も学生時代より溜め込んだ大量のSD映像を持っている。
最近、私が作った作品の一つで、インタビュー映像の合間合間にSD映像をインサートするという構成の物があった。
インタビューはHDVによるハイビジョン収録だったが、インサートの映像は学生時代に撮影した DVの映像。
当然 HDV と DV では、大きな解像度の違いがあり、DV素材をHD解像度のアップコンバートしても、DV画像を使ったシーンに切り替われば、映像が鈍って見えるのは仕方のないことであった。
一般的に、画像・映像の拡大手法には、「ニアレストネイバー法」「バイリニア法」「バイキュービック法」等の代表的手法があるが、近傍画素の情報を元に 新たな画素を推定する方法であり、情報量の増加には限界がある。
そこで注目されるのが、「超解像技術」と言われる、高度な画像拡大技術だ。
この超解像技術は、「撮像モデル推定による画像拡大」とも言われ、「処理対象の画像は、元々は高解像の画像(実景)をカメラで撮影したものであり、それを低解像度に変換された物だと仮定する。その変換方法を関数として表現し、アップスケーリング処理後の画像と比較して関数を補正することで高精細化する方法」である。
具体的に考えてみよう。
低解像度映像をAとして、架空の高解像度映像をBとする。
Aを一旦、想定するアップスケール関数でBに拡大変換して、それを再び想定する関数で低解像度映像のA’に戻してやる。
関数が適合すれば、Bは元のAに綺麗に変換されるはずだが、実際には≒Aにしかならない。( B→A’≒A )
そうすると、変換する関数が違う(作り出した高解像Bが違う)という事になるので、再び、関数を修正して、元のAからまた高解像Bを作って低解像A’を作る……
理屈で行けば、これをトライ&エラーで繰り返して A’=A という画像が出来れば、それを生み出した B が、本来の高解像度映像と推定することが出来る。
まとめると、元の低解像度映像を正しくアップコンバート(高解像度化)出来たとすると、それをもう一度低解像度に戻したら元の低解像度映像と同じになるはずで、一致しないならば、それが一致するように、アップコンバート結果を修正してつじつまを合わせるという事なのだ。
ちょっと、ややこしいかも知れないが、この様にして従来の拡大手法よりもより情報量の多い……ディテールを復元した映像が得られるのである。
(余談だが、よく刑事ドラマの科学捜査もので、低解像度の映像から、車のナンバープレートや防犯カメラの顔をコンピュータで復元したりしているが、これらの技術は単純な拡大ではなくて超解像技術を使った手法だと言える)
Thomson Canopus FIRECODER Blu には、この超解像技術が搭載されている。
SpursEngineが行う超解像処理は、同じ超解像技術を搭載する東芝のREGZAの実装例から、正しい高解像度映像を得るためのトライ&エラーは1度だけしか行われていないと推測する。
このあたりはアプリケーションの開発次第なので、さらに精度の高い超解像結果を得ることも可能になるだろう。
■FIRECODER Blu の超解像の実力
さて、技術的な側面の簡単な理解が出来たところで、早速、超解像処理を施した映像の品質チェックを行っていこう。このテストでは、HDVで撮影したHD解像度の映像を、一旦 SD解像の映像にダウンコンバート。そのダウンコンバート映像を、再びアップコンバートして、本来のHD解像度の映像と比較することにした。
ダウンコンバートもアップコンバートも、PEGASYS の TMPGEnc 4.0 XPress を利用している。
素材となるダウンコンバート映像は、HDV 1440x1080 映像を、DVD画質として 720x480 の 16:9 スクイーズ収録方式とし、9.2Mbps 2pass で書き出している。
アップコンバートは、TMPGEnc Movie Plug-in SpursEngine を利用した超解像処理と、TMPGEnc 4.0 XPress のプリセットから[Blu-ray BDMV]を選択した従来のアップコンバートで、いずれの設定も、
1920x1080 29.97fps/32Mbps VBR 2pass/DC成分精度 10bit
として MPEG2 へ書き出している。
以下の画像は、それぞれの映像を原寸解像度で切り出している。
・チェック1:
超解像の成果は出ているか?
超解像画像の方は、通常のアップコンと比べても、花びらの輪郭がシャープで、また花弁の中の模様の情報量も増えている。
全体的な映像で見比べても、超解像を利用した方が、しゃっきりしていて立体感も出ている。
・チェック2:
超解像の成果は出ているか?
通常アップコンと比べると桜の木の枝が、後ろの空と分離して精細さが復元されている。
桜の花も、通常アップコンは、もっさりとした固まりになっているが、超解像映像では前後関係が分かる程度に描写が回復している。
* * *
このように、解像力の向上、ディテール描写の復元においては、確かに超解像技術が覿面に効いている事が分かる。
通常アップコンバートでは、従来型の映像拡大の限界で画面全体が眠たい感じになりがちだが、超解像技術を利用した映像は、画面全体に精査感がもどり、明らかに従来のアップコンバートとは違う品質の映像を見せてくれる。
この高評価だけが残れば、今後 FIRECODER Blu で SD素材を HD化するならば、手放しで SpursEngine の超解像技術利用をお奨めするが、残念ながら大きな課題も見つかった。
それについては、次頁で検証したい。
※テストファイルのダウンロード:
:超解像テスト比較4分割(canopus HQ codec)
:HD解像度・元映像(canopus HQ codec)
:超解像技術映像(MPEG2)
:通常アップコン映像(MPEG2)
:SD解像度・ダウンコンバート素材(MPEG2)