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−>>2006/06/27/(Tue) マルチカメラ撮影報告

先日、吹奏楽演奏会の撮影準備をしているとのことを書きましたが、その撮影は色々と実験的要素が入った撮影でした。実験と言っても失敗のない実験とでも言いますか、ノートPCを現場に持ち込んでスイッチングされた画をダイレクトにキャプチャをするということを実際に運用してみようというものでした。他にもラックマウントされたモニタに3連液晶を加えたり、インカムを新しいものにしたり、と機材変更もありました。
現場でダイレクトにハードディスクにキャプチャすると、その分の映像は編集前にデジタイズする必要はなく、そのまま編集作業に入れます。これが今回の演奏会のように2時間程度の尺の素材であれば、デジタイズ作業も大して時間はかからないのですが、8月に丸二日間、朝から晩まで撮影する案件がありまして、さすがにそうなるとデジタイズの時間だけでも馬鹿にならない、ということから現場でのダイレクトキャプチャを試みたのであります。

現場で3台のカメラをスイッチング収録し、そのスイッチング本線の画をvictorのBR-DV3000というVTRで収録。そのVTRのIEEE1394端子からDVフォーマットにコンバートされた信号がダイレクトに出力されているので、それをノートPCに繋ぎ、外付けHDDにキャプチャという流れです。キャプチャソフトは編集でも使用するEDIUS Pro3を使いました。自宅でこの組み合わせの動作チェックをしたところ、VTRが停止状態でEDIUSでライブキャプチャをしようとすると、VTRは再生を開始することが判明。ということからVTRがREC中にEDIUSのキャプチャを開始しなければなりません。また、VTRのRECをSTOPすると、EDIUSのキャプチャも止まることが判明しました。止まると言っても、正常にキャプチャを停止した状態になるので、キャプチャされた映像ファイルに問題は起こりません。VTRとEDIUSの設定を追い込んでいくと、これらの挙動も変わってくる可能性もありますが、ひとまず今回はこのままで収録に臨むことにしました。

本番はスイッチャーの横に置いたフルスコアを読みながら、カメラマンに指示を出し、リモコンカメラを操作しつつスイッチングをしていきました。なかなかの集中力が必要なのですが、徐々に慣れてきてリモコンカメラで簡単なワークをするくらいの余裕が出てきました。時々、ノートPCに目をやると、せっせとキャプチャしてくれていました。
今回の撮影で非常に助かったのは、私の指示がない場合でもカメラマン2人が的確な画を送ってきてくれていましたし、指示を出してからも一瞬で欲しい画をつくってくれたことですね。つくづくマルチカメラ撮影はチームワークだと感じました。
今回も使用したスイッチャーはローランドのLVS-400という簡易的なものなのですが、FSを2系統しか積んでいないにも関わらず、同じ列でダイレクトにスイッチングができます。そのかわり、ボタンを押してから実際に切り替わるまでには若干のタイムラグ(体感的に3Fくらい?)があります。また、このスイッチャーに簡単な細工(とは言っても本体には全く加工はしておりませんが)をして、各カメラにタリーを送ることができるようにしてあります。タリーのないマルチカメラ撮影はカメラマンにとってもスイッチングをする人間にとっても大きな負担になりますので、意地でもタリーを出したかったのでありました。おかげさまで、各カメラマンには好評…… だと勝手に思っております。CCUのないシステムでも、カメラマンにとってはそれほど違和感を感じることはないのではないかと自負しております。

今回の案件は今日で編集も終わりました。ひとつの案件が終わるたびに、ほっとしたような寂しいような複雑な気持ちになります。

<写真提供:ACC東北 TK氏>

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−>>2006/06/13/(Tue) カメラ割り


今週末は吹奏楽演奏会の撮影があります。

先日、その演奏会で演奏される曲の参考音源とフルスコア(演奏するすべてのパートが書かれた指揮者用の楽譜)が送られてきました。これまで通勤中に参考音源を聴いていたのですが、曲の雰囲気が大まかに掴めましたので、カメラ割りを考える作業に入りました。
少人数での映像製作の場合は、制作も技術もなく一人の人間が制作的要素も技術的要素も両方をカバーします。私も撮影当日はディレクター兼TD(テクニカルディレクター)兼VE兼… と多くの任務をこなさねばなりません。

カメラ割りを考えるには結構な集中力が必要で、頭の中で映像を描きながら曲の流れを考えて適切な画を組み立てていきます。それらをフルスコアに書き込んでいき、当日はスコアを読みつつカメラマンに指示を出してスイッチングしていきます。

本番まであと4日。曲を頭にたたき込み、機材の準備をして… あっという間に本番当日になりそうです。テスト前と同じで、あと一週間あったら… とか考えてしまいます。

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−>>2006/05/24/(Wed) PAL方式のDVD作成


先日、1カメによるテノールリサイタルの収録がありました。
このテノール歌手の方は中国の出身でして、現在も中国と日本を行き来し音楽活動を行われています。また、中国の音楽大学の教授でもある方です。
予算の都合上、撮影時のカメラは1台。移動は電車。メニューなしのDVDを1枚だけ納品ということになりました。
当日はカメラと三脚、音声ケーブルなどを相方にも手伝ってもらって運びました。
会場は上野公園にある某ホール。小ホールでしたが、とても天井が高く、また正方形を45度回転させて使ったような形をしている個性的なホールです。音響はすばらしく、ピアノや小規模アンサンブルなどにはちょうどいいホールなのではないでしょうか。
カメラ位置はクライアントより指定されたところで、ステージとはちょうど正方形の対角線の両端になります。小ホールとは言えど650人近くの収容能力があるホールですので、広いのです。広いということはカメラから被写体が遠いのです。1/2用レンズでテレ端の112mmまで寄ってもルーズウエストくらいまでしか寄れません。エクステンダー付レンズもありますが、諸所の事情から使用は断念しました。
本番は大盛況のうちに終わり、収録のほうも問題なく終えることができました。終了後に主催者から「中国でも見られる方式のDVDは作れないか?」とのリクエストがありました。日本はNTSCという放送規格なのですが、中国はPALという方式です。両者は走査線の数もフレームレートも違います。PAL方式のDVDは実際に作ったこともありませんでしたし、そもそもうちのノンリニア環境でNTSCからPALへの変換ができるのか、即答はできませんでしたので、現場ではとりあえず予定どおりNTSCのDVDを納品のみでということになりました。

帰宅後、ProCoder EXPRESS for EDIUSをいじっていると、どうやらPAL方式のVOB出力ができそうなことを発見。編集後、早速作ってみました。
が、我が家では正確な検証ができません。しかしながら、試しにDVDプレイヤーに入れてみると、「このDVDはPAL方式のため本機では再生できません」とのメッセージが。ついでにPCで再生してみたところ、PAL方式のDVDとして再生されました。なんとなく出来ていそうです。気になるのは変換後の画質ですが、PAL方式のDVDプレイヤーとモニターがないと見ることはできませんので、さすがにそれは無理。とりあえず、NTSC方式のDVDとセットにして、PAL方式のDVDはサービスということで納得していただくことにします。

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−>>2006/05/12/(Fri) マルチカメラ撮影機材運搬

大型連休中にマルチカメラ撮影が2件ありまして、そのときのネタで書いてみます。

演奏会のマルチカメラ撮影では結構な量の機材を持っていく必要があります。ざっと書くとこんな感じ
・ カメラ 4台(ENGカメラ2台、ハンディカメラ1台、民生用デジカム1台)
・ 三脚3本
・ リモート雲台&三脚
・ スイッチングラックシステム(9吋モニター 2台、簡易スイッチャー、VTR)
・ 自作 カメラ用マルチ(抱き合わせ)ケーブル 40m
・ 自作 リモート雲台用マルチ(抱き合わせ)ケーブル 30m 70m
・ 音声ミキサー
・ ラックと音声卓を置くテーブル
・ その他 音声や電源のケーブル など

これら機材と人間2人を車に詰め込んで会場へ向かうのであります。積み込み作業はパズル状態。いかに効率よく、かつ機材や車に傷をつけずに詰め込むか、家の前ですでに真剣勝負です。
これら機材で運搬が一番大変なのが、12Uのラック。重さが30キロ。30キロというと、丁度デカカメのカメラ本体をケースに入れたときくらいの重さでしょうか。中継の現場では何百メートルもそのデカカメを2人で運んでいったりするので、そう考えれば決して大変な重さではないですね。

機材運搬よりも大事なのは忘れ物をしないということですね。持ち込み機材チェックリストを作って撮影前日には必ずチェックすることにしています。
「カメラマン カメラなければ ただの人」
準備からすでに撮影が始まっているくらいの緊張感を持って臨みたいですね。


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−>>2006/05/09/(Tue) マシンルームのレイアウト変更

ウチのマシンルームと呼ばれる6畳の部屋は編集卓を置いたり、撮影機材を置いたりして使っています。そのマシンルームが、入った瞬間に圧迫感があるということと、配置に無駄があり、余計なスペースが多いような気がするということからレイアウト変更を行うことにしました。2Dで家具の配置などを決め、3Dで視覚的に自由な視点から確認できるという便利なソフトを発見しましたので、これを使って構想を練りました。マシンルームには私の編集用PCとノートPC、相方のPCと3台のPCがあります。その他、三脚3本、カメラ4台、マルチカメラ収録用ラックシステム… など多くの機材の保管場所にもなっています。レイアウト変更のテーマは

1.現状よりも作業スペースは広く
2.見せる収納と隠す収納の区別をつける
3.部屋に入った瞬間に圧迫感のないようにする

といったところです。

作業スペースを広くするために、これまでに使っていた編集卓用のデスクと同じものをさらに2つ購入し、編集卓に2つをL字型にして使用し、相方のPC卓用に1つを使うことにしました。ちなみにこのデスクはNOCE(ノーチェ)という輸入家具のお店から買っています。ここの家具はシンプルで飽きがこないので、我が家の家具は結構ここで買ったものが多いです。

編集卓はこのレイアウト変更のついでにデュアルディスプレイ化しました。以前からデュアルディスプレイにしたいとは思っていたのですが、スペースが狭くて諦めていました。しかし、今回、編集卓の幅が1.5倍になりましたので、余裕を持ってデュアルディスプレイにすることができたのです。

今まで相方がPCを置いて使っていたスチールラックは撮影機材とプリンタとスキャナ置き場兼、収納として使うことにしました。スチールラックはこのほかにもこの部屋には2つありますが、いずれも一番上の段には物を置かないことにしました。高いところに物があると圧迫感が出てしまうためです。カメラはスチールラックの中段に裸で収納。敢えてケースに入れないのはカビ対策のためです。

このようにレイアウト変更をしたおかげで、各々の作業スペースも、部屋の真ん中の何もない部分も、収納も広くとることができ、また今まで場所をとっていたラックシステムも編集卓の下に収めることができました。

早速、このレイアウトで編集を行っておりますが、環境が変わってしばらくは新鮮さから不思議と作業もはかどります。

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