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〜 3D系トランジション 〜
(提出日:02/10/01)
これはリアルタイム処理の3Dトランジションを行ってくれるプラグインである。
後述の DVXPLODE for DVStorm との違いとしては、トランジション演算をハードウェアの3Dエンジンを活用して処理するのではなく、すべてソフトウェアにてレンダリング処理していることだ。
これにより、DVXPLODE for DVStorm に必要な、nVidia社製のグラフィックチップを搭載した以外のG/Bでもリアルタイム3Dトランジションを実現している。
ただし、マシンにはかなりのスペックを要求される。公式にはPentium 4 1.5GHz または Athlon 1.4GHz 以上が必要とされている。
筆者のマシンはAthlon XP 2000+ であるが、どれぐらいまで、リアルタイム3Dトランジションが可能か試してみた。
トランジションは以下の通りである。
さらに、各トランジション内には以下のようなプリセットが用意されているため、かなり自由度の高い、様々なトランジションを用いることが出来る。
<シングル・ドアのプリセット>
では、早速スケーラブルパフォーマンステストをやってみよう。
以下のように、Storm Edit のタイムラインにクリップを貼り付け、トランジションを10秒と設定した。通常10秒ものトランジションタイムを設定することはあり得ないが、逆に、この10秒トランジションを無事にリアルタイム処理できれば、通常編集には差し支えがないことになる。
筆者のマシンのメモリは1GBであるが、設定できるバッファタイムは最高5秒(384MB)であるため、5秒のバッファで実験した。
結果は、全トランジションを難なくクリア。バッファ値が減少することもなく、ごく当たり前の様に処理してしまった。伊達に「3D RT」と謳っていない。
さて、この 3D RT トランジションの中には実に気になるトランジションがある。それは「3D ピクチャ イン ピクチャ」である。
従来のDVStorm-RTユーザーの中で良く聞かれた声は、「画像をズームアップ(拡大)することは出来ないのか?」というもので、旧来のピクチャ イン ピクチャ では縮小できても拡大できず、「画像拡大」機能の要望は多く上がっていた。
そして、ついに念願適って、今回の 3D ピクチャ イン ピクチャ に画像拡大機能が付加されたのである。
「位置」タブの中にあるスケールは最大300(%)まで指定可能であり、当然、拡大箇所も数値入力とダイレクトにマウスでドラッグして指定することが出来る。
そして何よりも嬉しいことに、これらの結果は全てレンダリングなしのリアルタイムでタイムラインに反映されるのである。
<スケール:100(通常)>
<スケール:300(最大)>
<スケール:50>
勿論、3D ピクチャ イン ピクチャ は通常の PinP としても活用できるので、キーフレームなどの設定で細かな変化を付けていくなど、可能性は未知数である。
DVXPLODE for DVStormは、従来から販売されているDVXPLODE Professional の機能限定版である。
どのあたりが機能限定なのかは、DVXPLODE Professionalを持っていないので分からないが、DVXPLODE Professionalと同様にnVidia社製のグラフィックチップを搭載したグラフィックアクセラレータのハードウェア3Dエンジンを活用して、3Dトランジションエフェクトをレンダリング処理する。
DVXPLODE Professionalが推奨するG/BはSPECTRA F11シリーズ, X21であるが、筆者のG/Bはそれらよりも性能の良いSPECTRA WX25であるので、よりよい結果が得られるはずである。
トランジションは以下の通りである。
上記3D RT と同様に各トランジションには多くのプリセットが揃っている。
<コンフェティのプリセット>
さて、ここでも再び、スケーラブルパフォーマンステストを行ってみた。
DVXPLODE for DVStorm を使用するに当たっては、あらかじめ「DVXplode グローバル設定」で、レンダリングモードや3D エンジン についての設定を済ませておく。
この DVXPLODE for DVStorm は大変な負荷をマシンに掛けるため、通常の使い方としては、編集時は[レンダリングモード]の品質を若干下げておき、最終出力時にクオリティーを上げてやるといった使い方をしてやれば効率よく編集作業が出来るはずである。
(こういった、クオリティコントロールは、映像合成や3DCG制作などでよく用いる。)
しかしながら、今回は処理の重さを見るために、レンダリングモードは最高画質にセットし、また 3D エンジンは NVIDIA リファレンスドライバエンジン とし3D エンジン オプションでは、Canopus SPECTRA WX25 Direct3D HAL とした。
試験条件は上記 3D RT と同様である。
結果は散々…。
無事にクリアしたのは、アルファ・ベイパー と アルファ・ワイプのみ。3D系のトランジションは大変に厳しかった。
ただし、通常の1〜2秒のトランジションであれば難なくクリアできるはずである。
以下は、各トランジションの最大リアルタイム処理時間である。
トランジション | 秒数 |
3D・オブジェクト・ワイプ | 5秒 |
ウェーブ | 5秒 |
キューブチューブ | 8秒 |
コンフェティ | 4秒 |
コンベア | 7秒 |
ズーム | 7秒 |
ダブル・ドア | 8秒 |
ツイスト | 5秒 |
ビルボード | 8秒 |
フライ・アウェイ | 8秒 |
ページ・ピール | 5秒 |
ボール・バウンド | 7秒 |
リップル | 4秒 |
利用したトランジションは各トランジションのデフォルトである。
※障害情報
<<10月4日現在、次の障害情報が公開されていた。>>
3DRT トランジション:
1.ビットマップ(BMP)ファイルを背景として選択すると、「画像ファイルが見つかりません」
のメッセージが表示される。
2.フリップにおいてビットマップを背景として設定すると上下が反転する。
3DRT ピクチャ・イン・ピクチャ:
ソフトボーダーを設定したプロジェクトの読み込み時に編集ソフトウェアが強制終了する。
−−>10月21日公開の修正ドライバ ver.2.00a で改善。