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〜 canopus VELXUS 300 導入記 〜
(提出日:06/01/30)
■まとめ
正直、VELXUS 300 が発表された時、価格面以外では特に私は魅力を感じることがなかった。canopus 製品で感動を覚えたのは、やはり DVStorm-RT の発売であったと思う。
DVStorm-RT は正に私のノンリニア編集環境に劇的な変化をもたらした。
従来の“レンダリング有き”という編集環境から、“リアルタイムエディティング”の威力と魅力を、低コストでもたらしてくれた正に救世主だったのだ。
今回レポートした VELXUS 300 は、リアルタイム性能はもちろんのこと、ハイビジョン編集対応を謳い、DVStorm-RT ボードを継承する流れの上にあるハードウェアであるかのようにも思えた。
しかし、DVStorm-RT の時ほどの完成度の高さを感じることができなかったのもまた事実。
例えば、ハイビジョンキャプチャ時に素材映像をコンポーネント出力などを通して、外部モニタで確認できない点。
リアルタイムにハイビジョン映像をダウンコンバートして、S端子やコンポジットから出力してモニタリングすることができない点。
複数のDV端子を備えるも、明快で十全な機能を果たしていない点。
こう言った基本的な部分の機能や能力が未完成である様に思える。
一方で、EDIUS Pro の基本性能の高さが如実になったとも思う。
VELXUS 300 を導入する以前と以降でのトータルの機能差といえば、扱えるフォーマットの差とハイビジョンのアナログコンポーネント出力ぐらいではないだろうか?
その点では、DVStorm-RT も実に老練なハードウェアだったのだが、とにかくも EDIUS Pro の基本性能の高さ、そのポテンシャルを改めて目の当たりにすることとなった。
VELXUS 300 には厳しい評価となるが、現状では低価格で『ハイビジョン出力』を適えてくれるからそこ選ばれる……という点以外に、利は無い様に思える。
ただ VELXUS 300 のハードウェアボードには、多くのオプションコネクタが散見される。
将来的に、ここにオプショナルカードなどが接続され、機能の強化が図られるならば、それは実に魅力的な話だ。
・HDMI のサポート
・HD-SDI エンデベット音声対応
・HDVフォーマットへのエンコード支援
・D端子タイプのエクスパンションボード
などなど VELXUS 300 のハードウェアに与えられた潜在能力はわからないが、上記のような機能が選択肢として入ってくれば、実に魅惑的なハードウェアとなるだろう。
現在は、アマチュア・業務ビデオフィールドにおいて、まだまだハイビジョンは黎明期の中にある。
その意味において、VELXUS 300 は DVStorm-RT の後継機種ではなく、DVRaptor のハイビジョンクラスなのだ。
canopus も我々クリエータも、ハイビジョン時代への挑戦は始まったばかりである。
今後の発展を大いに期待したい。
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