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Zoom Cruiser・プチ改良

Canon XF605 で自動的にスローズームをさせるために製作した Zoom Cruiser。
現場での有用性は確認済みで、大変に便利に使っている。
一方、実際の現場で使ってみると少し不便な点も見えてきた。不便と言っても、機能上の問題では無くオペレーション上の不都合だ。

Zoom Cruiserは、詰まるところLANCプロトコルを使った固定速度のズームデマンドである。
使い方は簡単。XF605 のズーム操作系をRINGによる操作ではなく、ROCKER(シーソー)に切り替え、Zoom Cruiser のスイッチを押すと低速ズームを手放し状態で行える。
スイッチをもう一度押せば、スローズームは停止する。

言い換えると、一度スローズームを始めると、スイッチをもう一度押さない限りは延々とスローズームのコマンドをZoom Cruiser から XF605 に出し続けることになる。望遠端までスローズームが到達しても、ズームレンズ自体は動かなくなるがコマンドは出し続けている事になる。これはZoom Cruiser側……すなわちLANCプロトコルにカメラのズーム状態を受け取る術が無いからだ。
Zoom Cruiserからコマンドが出ている間は、カメラ本体のROCKER(シーソー)操作は受け付けない。
一方、カメラ本体のズーム操作系をROCKERからRINGに切り替えたとしても、Zoom Cruiserはコマンドを出し続けている。これもZoom Cruiser側がカメラの状態を取得できないからだ。 当然、操作系がRINGになるとカメラ側はZoom Cruiserからのコマンドを受け付けなくなる。
もう一度スイッチを押してコマンドを停止させるか、カメラの電源を落とす/LANCコネクタを抜くなどしてZoom CruiserのマイコンであるArduinoを終了させない限りは、コマンドを出し続けるのである。

そうした仕様上の制約があるにも拘わらず、今までのZoom Cruiserのスイッチボックスは、今の状態がスローズームのコマンドを出しているのか出していないのかを見た目では判断できなかった。そのため、スローズームのコマンドを止め忘れていても気が付かず、ROCKER操作をしようとして受け付けられなかったり、RINGからROCKERに切り替えた瞬間に裏でコマンドが継続されていたためにスローズームが行われしまう…という状態に何度か遭遇した。

そこで、Zoom Cruiser のスイッチボックスにスローズームコマンドを出している間だけ点灯するパイロットランプを追加することにした。
実は、この夏の松ケンとの合宿の時点で、コマンド出力中はLEDを点灯させられるように松ケンが既にプログラムを組んでいてくれた。ただ、その時はそれほど必要性を感じていなかったので、ソフトウェア的には実装していたがハードウェアに反映させていなかったのだ。

しかし、やはり現場で使っていくとコマンド状態を把握できないのは不便だということで、LEDを追加することにした。LEDの色味は青。赤にするとRECタリーと無意識に混同してしまいそうなので、あえて青にしている。
また、パイロットランプの取り付け位置は、カメラの後方に向くようにしている。スイッチボックス側面などに取り付けると、商品撮影などの際に青色LEDの光が影響すると考えたからだ。

パイロットランプ取付のついでに、φ2.5mmのLANCコネクタも別のコネクタ・ケーブルに取り替え。最初のはコネクタ部分が大きかったため、スマートなタイプのコネクタに交換したのだ。また、ケーブルもギリギリだったために、5mmほど余裕を持たせた。

再工作は無事に成功。
Zoom Cruiser のスイッチを押すと青色LEDが光り、それと同時にスローズームが始まる。
もう一度スイッチを押せばスローズームが止まり、青色LEDも消える。
実に分かり易くなった。

先日の XF605本体のファームウェアアップデートと併せて、ますますロケが快適になりそうだ!!
今から現場に出るのが楽しみだ☆

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