#!/usr/local/bin/php 【Next-Zero】『カメアシ興行紀』(/2003年7月)
 
 


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〜カメアシ興行紀〜

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■2003年07月01日(火)  今日は、会社の同期会でした。愚痴談義でしたな…。
 入社してから3ヶ月が経ちました。
 さて、自分は何か変わったでしょうか? 成長したでしょうか?
 自身としては懐疑的です。

 今日の仕事は、昨日急遽変更になって就いた仕事。
 本当は今日は明日からの演劇撮影の準備についていたのですが、シフト表に集合時間が書いていなかったために、同じ仕事に就いている先輩に電話をして聞いてみました。
 すると、「え? お前、明日準備に就いてるの? いや、あれは俺の準備だけだから別に要らんねんけど……」という事がわかり、わたしは不要の身へ…。
 その先輩がシフターと相談した結果、他の仕事へ回ることになったのです。

 その結果今日就いた仕事がバラエティ番組の公開収録。
 この番組に就くのはこれで3回目。
 いい加減、仕事の段取りを覚えておかないといけない時期なのですが、やはり幾つか……いえ、幾つも“抜けて”います。
 今日も、沢山叱られました。
 
 こういった中継の仕事は、その場限りでその時限りのものを収録するわけで、当然トラブルや想定外の出来事が発生します。
 であるからこそ、基本的な番組製作の流れを把握し、その中から必要な対策を練りだしていく…そういうことが必要とされるわけですが、今の私はまだそういった全体の仕事の流れを十分に把握していない、次の仕事をシミュレート出来ていない……という状態です。
 この3ヶ月を振り返れば、一体自分は何をしていたんだろう……という自責の念に囚われます。

 「今年の新人は、皆、先読み出来ていない。イケてない奴らばかりだ」と、こっぴどくお説教も受けました。
 確かに「研修」という期間はいよいよ終わっても良い頃合いですし、早ければ人によってはカメラを振る事もある時期になってきました。
 しかし、……言い訳になりますが、なかなか我々新人自身は研修を受けている……という気分ではありません。
 この日記で書いている様に、あれこれを一つ一つ教えてもらえる訳ではありせんし、当然机に向かって何かレクチャーを一定の時間をもらって受けるという事もありません。
 とにかく現場にいきなり放り出されて、先輩カメラマンやバイトのカメアシさんの指示を仰いで、目前の与えられた仕事をこなすことに始終しがちで、その自分がやった仕事以外の仕事が見えてない事が大変に多いと思います。
 「自分で、見て、盗め」と言われましたから、「見て」「盗んで」いこうと心がけていましたが、結局まず「何を見ておくべきなのか」「どこを盗むべきなのか」必ずしも全ての場面に於いて理解している訳ではないのです。
 無論、要領のいい人、あるいは早い段階から全体の作業の流れを把握することに努めた人にとっては、そういった着眼点は自明の理となるのでしょうけれど、どうも私を含めた新人はそれが上手く出来てないようなのです。

 実際、私自身は仕事を始める前に「仕事全体の把握」の必要性を十分に理解をしており、それが如何に今後重要になってくるかも判っていたのですが、いざ働きはじめると、そういった理屈的なものは天空の彼方に置き去りにされ、兎に角も目の前の仕事をこなすことに懸命になってしまいました。

 勿論、大人しく「お座り」していれば、先輩方があれこれ教えてくれる……などというのは幻想であり、「甘え」です。
 ですから、我々新人は今現場に出て、様々に下積みの仕事をして、叱られる……その事が研修そのものである…と心し、一生懸命に知識と技術、段取りなどを吸収していかなければならないのです。
 
 少なくとも私は、この90日間で90日分に相応する「仕事の技量」を身に付けられたとは、如何に甘く見積もっても言えません。
 今一度、今の自分が何をすべき立場で、そして将来的に何を目指そうとする身なのかを考え直してみたいと思います。
 そして、明日からでもその結論を実践に移していければ、まだ……間に合うと信じます。

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■2003年07月02日(水)  心機一転の心づもり。
 今日のお仕事は、明日からの某劇団の舞台撮影の準備。
 中継車一台と移動用バン2台、2tトラック一台で現場入りしました。

 この劇団の公演の収録は私の会社が以前よりずっと受けている仕事でなのですが、どうも今回は少々依頼元が違うようで、多少お国の機関もからんでいるとか…。
 そして、この仕事のメインは「高精細超大画面映像システム(メガビジョン)」をつかった収録です。
 メガビジョンとは、ハイビジョンカメラを三台利用して、フレームサイズアスペクト “9:48” という超ワイド画面を作り出し、それを大型モニタやプロジェクタに投影するシステムのこと。
 横のピクセル数は約6000Pixelで、視力1.0の人が競技場の客席でサッカーを観戦する時と同じぐらいの臨場感や解像度をもっているそうです。
 基本的にメガビジョンカメラは固定で、ズームなどはせず、投影時に視聴者が自分の見たい部分に視線を送る……まさにスタジアムでサッカーを観戦するのと同じ状況が作れるわけです。

 今回、東京から運び込まれたメガビジョンカメラ用のレンズとマウントに、会社のハイビジョンカメラ(SONY HDC-950)を三台装着し、それをVintenのVector 70 というENG用雲台6つ分ぐらいのサイズの雲台に載せて運用します。
 メガビジョンカメラの調整やオペレートは全てメガビジョン運用の技術者がおこなっており、我々は特に関与せず。
 メガビジョンカメラ以外にも、HDC-900とHDC-700のデカカメを客席上手と下手に配置し、メガビジョンの映像に交えて運用するようです。
 ですから、今日の私の仕事はそっちのカメラの組み立てやケーブル張り。
 この劇場には一度以前に仕事できていますから、昨日の日記にも書いた様に、昨今の反省から、しっかりと自分の仕事をシミュレートし、必要な事を事前事前に判断しながらこなしていました。今日はまぁ90点ぐらいです。

 明日は現場に8:30集合。
 今日は早めに寝ます。

※メガビジョン関連:http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/mega/index.html
 このサイト内で紹介されている開発者の方に、色々とメガビジョンについて説明をしていただきました。一介のアシスタントである私に詳しくお話しして下さって勉強になりました。
000000.jpg 350×211 26K

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■2003年07月03日(木)  遅刻をすれば終わりです。
ドキドキドキドキドキドキドキドキ…………………。
 危なかったです。
 もう、肝が縮み上がる思いでした……。

 昨日の日記に書いたように、今日は8:30に現地集合。
 電車で40分ほどの距離でしたので、今日は朝7時に家を出て、7:20分の電車に乗って、8:00に現場最寄り駅について、そして8:10頃に現場に入っていよう……そういう計画を立てていました。

 そして、本日起床。
 !!!!!!
 7:20!
 7:20!
 ぅぉぉぉおおおおおおおおおおっ!

 寝坊した。やばい、やってもた(※やってしまった)、やってもた、やってもた………。
 時計を見て2秒後、頭はすっきり! 25秒で服を着替え、40秒後には仕事用ウエストポーチに必要なものを詰め込み、顔も洗わず、歯も磨かず、寝癖も直さず、ヒゲも剃らずに、起床後2分後には部屋を飛び出しました。
 流石に寝癖を付けたまま電車に乗るわけにはいきませんので、ゴルフ中継の時に貰ったスタッフ帽子を被っての出勤です。
 自転車は昨日会社に置きっぱなしになっていますので(昨日は現場解散)阪急電鉄の駅まで猛ダッシュ!
 起床後3分後には全力疾走状態の私です。

 駅に到着したのが7:35。
 すぐさま時刻表を確認し、一番早く目的駅に着ける「急行」を待ちました。
 走っている時に考えていた電車出発時刻タイムリミットは7:40。
 その前後の電車に乗れば8:20頃に目的地最寄り駅について、そこからまた走れば8:30までには到着できる計算です。
 幸い7:40過ぎに急行がありましたので、それに乗り込み、あとはひたすら電車が目的駅に到着するのを待ちます。
 
 終点である目的駅に着いたのは8:15過ぎ。
 さぁ、再び走ります。
 ……が、駅を出て困惑…。
 この駅の利用は昨日が初めて。
 改札を抜けた後、どちらに行けば目的の劇場か分からなくなりました。
 駅を出た後、近くにいた人に「○○劇場はどちらですか?」と訊ね、教えて頂いた方向へ猛ダッシュ………と、なりかけたところで会社の先輩を発見。
 安堵です。本当に安心しました。
 ここに先輩がこの時間にいらっしゃるのですから、もうあとは一緒に現場に向かえば問題無しです。
 「おはようございます。」と挨拶をして、そのままゆっくり歩いて現場まで行きました。
 
 現場に到着してみると、集合しているのは半数。
 時間はまだ8:30になっておらず、十分に私自身の焦躁の動悸を治めるだけの時間的余裕がありました。

 仕事そのものは、準備が昨日のうちに終わっているため、朝多少カメラの位置を動かして、カメ調。
 その後は、カメラ番をしながらひたすら演劇鑑賞です。
 今日は午前/午後の2回公演で、カメラがどういう動きをしているのか、後ろからビューファインダーを覗きながら勉強させて貰いました。
 また、例のメガビジョンですが、今日も幾つか開発者の方にお話を伺い、名刺交換をさせて頂きました。
 新人下っ端の今の私が、すぐ様どうこう出来る訳ではありませんが、将来的にまたお世話になることもあると思いますので、こういった機会は大切にしておかないといけませんよね。
 
 収録が無事に終わり、撤収も素早く終了。
 今日は朝にたっぷりと肝を冷やされた所為もあって、一日緊張感を持って仕事に臨むことが出来ました。

 なお寝癖の件ですが、帽子を被って駅まで汗をかきながら走った甲斐もあって、現場に着く頃には直っていました。
 髭は生やしっぱなしですが…。

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■2003年07月04日(金)  一人ぼっちの機材庫はちょっと寂しいかも。
 本日は非現場。
 珍しく、中継のお仕事に出ることがない日でした。
 しかも、中継技術部の大半が本日は休暇。皆さんゴルフに興じて居られるそうです。
 若手で会社に出てきているのは私ぐらいで、あとはデスク勤務の方ばかり。

 さて、現場に出ないで、デスクでもない私が今日は一体何のために出勤して来ているかというと、機材庫での「機材整備」を行うためです。
 機材整備といっても、一人で且つ新人の私が出来ることなど限られています。
 まずは、昨日から干されているタオルやビニールシートを取り込み、畳んで収納します。
 次に、ハンディーカメラを機材棚から出して、カメラケースを開け、レンズやファインダーの汚れを取り、小物(レンズクリーナーやレンズキャップなど)が揃っているかを確かめ、不足していれば補います。
 
 そこまで仕事を進めていると、機材庫の電話のベルが鳴りました。
 電話に出て話を聞いてみると、「これから光ケーブルが1km分新しく届くので、そのケーブルを受け取って地8に巻きなおし、ケーブルのチェックを行い、ラベリングして片付けてくれ」とのこと。
 もちろん、一人では出来ないのでデスクの人間を数人行かせる……ということで、お昼から早速、新たに届けられてた新品100m光ケーブル10本分を巻きなおします。
 なぜ巻き直すのかというと、届けられたケーブルは順巻きの束になっているためです。
 久々に順巻きの長いケーブルを扱いましたが、如何に8の字巻きがケーブルを扱うのに優れているのか数年ぶりに実感しました。
 とにかく順巻きされた束からケーブルを引き出すだけでも大変。
 ケーブルが捻じれ、8の字に移行させることが出来ません。
 そこで、回転イスを使ってその上に順巻きになったケーブルを乗せ、イスごとケーブルを回しながら繰り出す方法をとりました。
 これで綺麗にケーブルが出てきます。
 10本分のケーブルを地8し終わり、次にケーブルのチェック。
 中継車に電気を入れCCUなどに繋いで、ケーブルが正常かVEさんがチェックされます。
 その間に私はテプラでケーブル管理用の通し番号を書いたラベルを作ります。

 ケーブルに異常はなく、最後にラベルをコネクタ部に貼り付けて作業終了。
 新品の光ケーブルが機材庫に収容されました。
 このケーブルは来週のゴルフから早速使われるとのことです。

 さて、急遽入ったこの光ケーブル仕事が終われば私は再び機材整備に戻ります。
 三脚を一本一本取り出し、脚を広げ、稼動に異常がないかチェックし、脚に着いた汚れを落とし、再び片付けます。
 次に中継車に積まれているデカカメのアクセサリキットを車から降ろし、内容物をチェックします。デカカメのアクセサリキットにはファインダーフードや三脚のパン棒、リターン、インカムセットなどが入っていますが、消耗物としてビニールシートや雨養生用のビニール筒、ビニールテープなどが入っており、それらは雨のたびに使われ、また欠品していると大変ですので、確実に補充しておきます。
 最後に、再び機材庫に戻り、巻き方や縛り方が甘かったり汚かったりするトライケーブルや光ケーブルを巻きなおします。

 今日は、日中に光ケーブルの納品という私的には予定外の仕事が入ったために予定していた機材整備が8時間以内に出来ず、結局1時間の残業でした。

※地8(床8):ケーブルを地面で数字の8の字のように巻く巻き方。100m以上の長いケーブルやマルチケーブルのような重たいケーブルでは手に持っての8の字巻きは不可能なので、床に8の字に2つ円を描き、さらにそれを真中で2つに折って、ひとつの円にして収納する。

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■2003年07月07日(月)  みんなぁ〜集まれ〜。ゴルフ出張、はじまるよぉ〜。
 お待たせしました〜。
 ゴルフ中継週間の始まりです!!
 あぁ………。

 今回のゴルフは再び広島。
 前回のゴルフは厳密には岡山でしたが、宿泊は広島でしたので、2週間空けずに再び広島入りです。
 本日は……もう書くまでもなく「機材の積み込み」です。
 4tトラックいっぱいにVTRやらカメラやらマイクやらミキサーやらスイッチャやらケーブルやらあれこれあれこれ積み込んでいきます。
 先週の金曜日に届いたばかりの光ケーブルも全て積み込み、4tトラックは積み込み扉いっぱいまで満タンになりました。

 さてさて、今回の私のお仕事を予めシミュレートしておきましょう。
 7日、機材の積み込み。(終了)
 8日、機材の準備。中継車用の機材積み込み。MJ-25を忘れずに。先発組より忘れ物の連絡があればそれも積み込む。
 9日、朝7:20新大阪駅集合で新幹線。現場到着後でスタッフにセッティング表を配布し、トランシーバを各ホール担当者に渡す。そしてセッティング。ケーブル張りが終われば、ケーブルの使用状況チェック。
 10日、ローカル局生放送有。今回は地元放送局が雇ったバイトカメアシを使って現場の仕事を指示する。私の担当は15番ホール。恐らく2nd Handy担当。
 11日、ローカルVTRオンエア。仕事内容は前日と同様。
 12日、全国ネットVTRオンエア。
 13日、全国ネットVTRオンエア。収録終了後撤収。帰阪。
 14日、機材庫にて機材降ろし。終了。

 以上のような感じです。
 まだ明日は大阪にいます。そして、嵐の前の静けさの如く、「暇そう」です。

※昨日、遂にデジカメを購入しました。今まではDVカメラのスチル機能を利用していたので、気楽にどこにでも持っていって写真を撮るわけにはいかなかったのですが、これからはしばしば写真付きで日記をお届けできるかと思います。


 積み込み機材……の一部です。左写真手前の食べ物はゴルフ中継必須の食料です。
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■2003年07月08日(火)20:41  忙しいって素晴らしい☆
 さて、昨日の予想通り、今日は暇な一日となりました。
 朝、機材庫へ向かう前にデスクへ立ち寄り、その際、今日同じ仕事についている先輩から一言。
 「今日は、すること無い」
 ………。
 やはり昨日の積み込みでほぼ全て仕事が終わっていたそうで、出張後発組の我々の本日の仕事は残っていない状態でした。
 しかしながら、と言って家に帰るわけにはいきませんので(笑)、機材庫に行って仕事を探します。
 う〜ん、もう掃除に整理しかありません。
 とは言え、掃除と整理は先週の金曜日に私が一人で行ったばかり……。こちらも大してやることがありません。
 目につくゴミを箒で掃いたり、ケーブルを縛り直したり………う〜ん、どれもこれも半時間もあれば片づいてしまう仕事ばかりです。
 他の部署の仕事を手伝うも、出払っているか、我々と同様に昨日のうちに主立った仕事が終わっているので、そちらも直ぐにやることが無くなります。

 こういう時にカメラの練習が出来ればいいのですが、中継で使うカメラを動かすには、中継車の発電機を回して、ケーブルを引っ張り、CCUに火を入れてもらって……とまぁ色々と厄介です。さらに、練習時は中継車でどなたかに見て頂いているのがベストですのが、流石に其処まで時間を割いて頂くことも出来ません。

 ということで、やはり機材庫で黙々と消耗品系の中継小物を作ったり、機材ケースを並べ直したり……と何とか時間を繋ぎました。
 終業18時。
 いたたまれない手持無沙汰さに、すぐさま帰路に就きました。

 明日からは広島です。
 

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■2003年7月9日(水)22:20  初日なのに疲労限界…。
只今、広島。今回のゴルフ出張はベテランカメラマンがいらっしゃるため、いつもと雰囲気が違うそうです。なんとなく皆さん大人しいと言うか、落ち着いていると言うか…。
今日の仕事はケーブル張りと、回線チェック。回線チェック時は私はセカンドハンディに就いたのですが、カメラマン自身は明日に現場入りだそうで、今日は私かチェックを担当しました。途中、色温度変換フィルターがCCU側から変更出来ないトラブルがありましたが、VEさんが無事解決なされました。
明日からは早速収録が始まります。ファイトです。

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■2003年7月10日(木)23:40  初々しさは、入社直後の自分を見ている様…。
さて、今日からオンエアが始まりました。そして、地元放送局が雇ったバイトさん達を使って、カメアシの仕事を行わなければなりません。
…と言いましても、私も自分の仕事で手一杯なところでがありますので、なかなか細かな指示が出せません。特に今日は、私自身が色々と同時に仕事を任されていましたので、そちらをこなすのに一杯一杯でした。
明日は今日よりは余裕がありそうですから、上手くバイトさん達に指示を出せるようにしたいと思います。明日は朝6時半にホテルを出発。辛い一日になりそうです。

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■2003年7月11日(金)12:34  今日は順調な仕事運びで…
本日のお仕事はもう終了してしまいました。早かったです…。
朝、6時半にホテルを出発し、9時には収録スタンバイ。注目選手の収録も私が就いたホールでは10時前後に完了し、ホール全体でも11時には撤収。そのあと昼飯を食って、12時に現場を引き上げることが出来ました。この日記は今、ホテルへの帰りのバス内から書いています。
ホテル帰着後は広島市内散策となりそうです。

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■2003年07月13日(日)  それでも、楽しいと思える仕事ですから。
 帰阪しました。
 づがれだ…………(疲
 雨の日の撤収は晴れの日よりも時間がかかりますし、動きにくい上に気を遣わなければならないことが多くて、しんどいですね。

 昨日は日記を書かないままに眠ってしまいました。
 前日が夜遅く、また翌日が朝早かったので、寝不足状態でホテルに帰って直ぐに熟睡してしまいました。

 さて、最終日の今日。広島県は朝から比較的強めの雨が降り続けていました。
 11:45に一斉スタンバイで、12時頃より収録が始まりました。
 昨日までの日記では詳しく書けませんでしたが、今回は地元の放送局が雇っている学生バイトをアシスタントに組み込んでの仕事。
 いつもとは違う苦労があります。
 まず朝、現場に入ると学生バイトが数名挨拶をしに来ます。そして、その数名を各ホール及びホール内の担当部署へ振り分けるのですが、「数名」というのが曲者で、毎日人数が違います。おまけに人間も一定していません。
 学生のバイトですから、他のバイトや学業などの兼ね合いから、毎日来られない子もいて、また初日のバイトは「こんなに人数要らないよ…」という程来てくれたのに、翌日は「こんだけじゃ、足りないよ……」というぐらいに少なかったりと、毎日人数とメンバーが安定せず、その朝その朝毎に、学生バイトをみて仕事の振り分けをしなければなりません。
 そして、次に仕事内容の説明ですが、まず教えなければならないのが「8の字巻き」です。手8と地8の両方を手早く教え、酷い時にはその30分後にはすぐさま実践投入です。
 特に一昨日は、8の字巻きが初めての学生さんがいて、しかもスタンバイまで30分しかない……という日でしたので、その学生を付けた 3rd ハンディー のカメラマンは仕事後、「いや…あれはちょっとキツかったなぁ…。まぁ、バイト君には頑張って貰ったけど」とコメントされていました。
 同様に、私のついた 2nd ハンディー も一昨日は私と学生バイト1名の計2名でケーブルを捌かねばなりませんでした。ただ、事前に細かく学生さんと打ち合わせをし、その甲斐あってか、比較的上手にケーブル捌きの補助をしてもらうことが出来て、満足でした。
 無論、失敗した日もありまして、会社の先輩から「あぁいう状況の時の動き方をちゃんとバイトに教えておけ!」と叱られたりもしましたが…。
 
 今日のケーブル捌きは昨日までの反省も含めて、念入りに学生さんと打ち合わせをし、また私自身も出来るだけワンマンワークをしているつもりで取り組みましたので、特に目立った失敗もなくケーブルを捌くことが出来ました。

 撤収作業は、すでに嫌気のさしている状態から始まります。
 合羽は既に撥水能力を失い、また着込んでいるシャツやズボンは内側からの汗でぐったり。頭は水没状態で、指先は水分を吸い過ぎふやけています。
 数日前に組み立てたカメラをバラし、雨が掛からないようにビニールシートに潜り込みながら機材をケースにしまいます。
 布線したケーブルを降ろし、巻き取り、ケーブルの本数をチェックし、ケーブル籠に片付けます。
 以上の作業中は生中継の最中。
 どういうオンエア形態なのかは詳しくは知らないのですが、基本的には全てVTR収録されており、番組の一部解説などが生になっているようです。

 さて、その生中継も終わると、放送席の解体。
 そして、放送センターでのニュース出し用素材のノンリニア編集が終われば、電源を落として、センターの撤収がはじめられます。
 4tトラックに全ての機材を積み込み、ゴルフ場を引き上げたのが18時前。
 30分後の新幹線に乗るためにスタッフを乗せたマイクロバスは、東広島駅へ向かいました。

 しかし、まだゴルフ中継の仕事は終わっておりません。
 明日は、大阪に帰ってきた4tトラックから機材を機材庫へと片付ける仕事が待っています。
 しかも、雨が降った後の片づけですので……大変です。


※カメラチェック中の私。抱えているカメラは SONY HDC-750。フィルタが切り替わらないトラブルが起きて…
030713.jpg 500×375 64K

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■2003年07月15日(火)  データ再構築にご協力を〜
 現在、「泣きっ面に蜂」中です。
 本日は、お休みなのですが、昨日はお仕事でした。
 さて、何が泣きっ面に蜂かと言いますと、携帯電話が壊れて、あと私が壊れています。

 一昨日は大雨が降っておりましたが、その日は広島でのゴルフ中継の最終日。
 その撤収中に、合羽に入れておいた携帯電話がポケット内で水没しておりました。
 えぇ……電源が入らず、DoCoMo Shop へ持って行くも、水損は修理不能とのこと。勿論バックアップも取れませんので、大学時代に構築したデータが全て失われました。
 機種変更にすれば、携帯番号やメールアドレスは維持されますから、今後掛かってきた電話や、送信されてきたメール分に順次対応していけば、データを再構築できるのですが、欲しかった機種が新規契約では手に入るのですが、機種変更では早急に手に入りませんでしたので、仕方なく新規契約を行いました。
 勿論、番号やメールアドレスは変更になります。そして、こっちに相手先データは一切残っていませんので、携帯電話番号等変更の連絡が一切出来ません。
 ですから、現在、メールなどで連絡が付く相手に連絡をとり、先方から携帯電話番号やメールアドレスの連絡を待っています。
 同様に、当サイトの過去のオフ会などで交換致しましたデータも残っておりませんので、お手数ではありますが、番号を交換した覚えのある方はPC用メールにてご連絡下されば幸いです。
 webmaster@acc96.com
 ご連絡頂いた方には順次当方より、新しい携帯電話番号とメールアドレスをご連絡致します。

 あと、現在私は発熱中です。
 恐らく体のだるさや頭の痛さから38度ほどの熱だと思われます。
 昨夜より発熱し、夜は熱にうなされて全く寝られませんでした。
 風邪を引くならば昨夜ではなく、雨に打たれた一昨夜だと思うのですが、幸いというか何と言いますか、休みに入る昨夜から発症しました。
 おそらく、出張中の疲れが一気に出たのだと思います。
 それにしても、話には聞いていましたが、独り暮らしでの病気って寂しくて不安ですよね…。
 独りでうなされて、しかし、飯は食べないといけませんから怠い身体を起こしてご飯を作らないといけません。
 溜まっている洗濯物を洗って干したりしないといけないタイミングだったりと最悪です。
 とりあえず、今日は薬局へ行って風邪薬を調達。
 今は少々楽になりました。
 明日もお休みですので、何とか完治させたいです。

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■2003年07月17日(木)  メガピクセル携帯、侮る無かれ。
 昨日は病院へ行き、点滴を打ってもらいました。
 その後はすこぶる快調。
 今日は普通に仕事していました。

 本日の業務は、明日からの野球中継の為の布線とカメラ設置。
 12時に会社集合で、13時に現場入りです。
 オホーツク海から張り出してきた高気圧のお陰で、暑い最中の布線作業。
 今回の布線は、高校野球が始まる都合で、普段とは違う位置に中継車を止め、そのために少々迂回路での布線となり、ゴルフ中継の様に木の枝へ架線しての作業となりました。
 布線が終われば次は球場内へのカメラ設置。
 今回は4カメ体制ですので、結構楽です。
 私は外野センターのカメラの設置をお手伝い。
 回線チェックも問題なく終わり、16時過ぎには現場を引き上げました。

 帰社後、18:30から某球団の十数年ぶり優勝を祈願して、さらに「前半戦お疲れ様でした」の制作的/中継的な中締めの打ち上げがあり、会社一階の喫茶店で打ち上げをしました。
 料理はオードブルで、皆、思い思いに酒を飲み、色々な話題で各所で盛り上がりを見せました。
 私も、3ヶ月を過ぎ、そろそろカメラを任せられるカウントダウンが始まろうという時期でもあって、先輩方に最近の様子を度々聞かれたりしました。

 明日は、現場集合の14時。
 午前中は家でゆっくりと過ごし、ナイターに備えます。

※追伸:携帯が壊れ、私が熱で倒れている間、お見舞いのメールを頂きまして有り難うございました。おかげさまで電話帳データの方は快復しつつあり、私自身もほぼ全快です。
 本当に有り難うございました。
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■2003年07月18日(金)  実は初めての「飛び出しカメラ」のアシスタント。
 今日はお昼の14時にK球場へ集合。
 既に全てのセッティングが昨日のうちに終わっていますので、今日は結構「楽」です。
 
 現場に入って、まず行ったことは回線チェック。
 勿論、昨日も行っていますが、野球に限らず中継では布線や機材配備に変更が無くても毎日回線のチェックを行います。
 私は「飛び出し」と言われる試合終了後のヒーローインタビュー用のハンディカメラ(SONY BVP-750)のチェックにつきました。
 昨日同様各所問題なく、あとはプレーボールを待つばかり。
 3時間ほど時間があるわけです。

 その間、私は3カメ(ファースト側ベンチ横)を使ってカメラの練習。
 グラウンドには雨対策用のシートが掛けてあったこともあって、私が練習している時は選手達は外野グラウンドでのウォーミングアッップ中。加えて他の記者やカメラマンがカメラ席前で選手や監督を待ちかまえているために人の壁が出てきおり、なかなか自由な練習が出来ません。
 人垣の隙間から、遠方の看板や選手を見つけて、ズームやフォロー、スイッシュパンの練習を行いました。

 その後、16時前後には早い夕食。
 17:20にカメ調。18:00からプレーボールですから、その時間帯には夕食を済ませておく必要があります。

 夕食後は、再びカメラの練習。
 実は今日は、専門学校の学生さんが2人、見学(研修?)に来ていました。
 詳しいことは知りませんが、関連会社経由で、学校から研修に出てきていたそうです。
 その2人もつれて、カメラ席へ入り、カメラの説明を簡単に行います。
 実際にカメラにも触ってもらいました。
 学生さんへの説明が終われば、あとは再びカメ調が始まる時間まで練習を行いました。

 そして、カメ調→プレーボール。
 今日は試合中は外野センターカメラの傍で観戦。
 途中、雨が度々降りましたが、試合は継続。
 7回表に入ったところで、「飛び出し」のアシスタントをするために、一旦球場の外に出て、カメラを機材車から降ろし、ケーブルを持って再び球場に入り、そして3カメ横の出先へコネクトします。

 この「飛び出し」。某球団が勝った時だけ飛び出していきますので、試合の行方が気になります。
 インカムを付け、ファインダーを覗いてリターン映像を見ながら、試合の流れを見ると共に、中継車での遣り取りとそれに合わせたカメラの動きを照らし合わせて、勉強もします。

 そして、ゲームセット。
 某球団の勝利で終わったので、カメラが「飛び出し」ます。
 ベンチ前まで出て行くカメラマンの後ろを追って、ケーブルを繰り出していきます。
 少々クセがあるケーブルでしたので、上手くケーブルが落ちていくか不安でしたが、寧ろいつもよりもキレイに出来た感じ…。

 インタービュー終了後は、カメラの電源を落とし、ケーブルを纏め、置き去りにするカメラには雨養生を施して、現場を引き上げます。
 明日も引き続き野球中継ですので、機材の撤収が無く、これまた「楽」です。

 私は、明日は休日。
 来週からは「夏の高校野球」の中継の仕事が始まります。
 
 

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■2003年07月20日(日)20:33  世間は三連休とか、学生さんは夏休みとか…。
 今日は、なんだか「のんびり」
 本日のお仕事は明日のプロボーリング中継の準備。
 シフトが決まった際に、担当のTDさんに「20日の準備は…お昼頃からにしようか?」と言われており、自分の中ではこの「お昼頃」というのが判断つきがたい集合時間だったのですが、一応会社の通常始業時間の10時に出社。
 流石に担当のTDさんは来て居らず、それどころか誰も来ていません…(汗)
 日曜日ですからデスク担当者は基本的に休暇ですし、現場の人間は直接現場入りの人が多いので、誰もいなかったのです。
 仕方ないので、7月分の勤務表をつけたり、掲示板の掲示物を整理したりして時間を潰し、それでも誰も来ないので、会社を飛び出して近所のS○fmapへ遊びに行き、そして昼飯を食って帰社すると、ちょうど先輩がエレベータでデスクに上がって来られました。

 13時から作業開始。
 といっても積み込む機材は殆ど無く、機材車2台分の機材を音声さんを含めて、たったの3人でやり終えました。
 それで、仕事終了。
 日曜日がお休み……という会社ではないのですが、しかし今日は現場に出ている方が多かったせいか、本当に閑散とした機材庫でのお仕事でした。

 さて、今日はそんな感じでのんびり仕事をしたのですが、明日は結構大変だそうで……。
 時間だけ見ても大変です…。
 朝5:45会社集合(汗)
 で…、19:00収録終了。恐らく帰社は21:00あたりでしょうか。
 もう寝ます。

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■2003年07月21日(月)  久しくボウリングはやっていません。
 ボーリングといえば、高校以来やっていなかったなぁ〜などと思いながらの今日の仕事ですが、確かに大変でした。
 朝、4:00過ぎに起床。5:30に会社に着いて、出発時間を待ちます。
 まぁ、朝早いっていうのは良くある話ですし、朝番(早朝から午前中に掛けての時間帯の番組)についている制作技術の人間は毎日こんな時間に出社ですから、弱音を吐く気にもなりませんが、大変だったのは「本番中」です。

 現場に6:30に入り、機材をボウリング場へ運び込み布線します。
 今日のカメラは小型カメラ(所謂、CCDカメラ)を入れて7カメ体制。
 しかし、セッティングも外でのセッティングと比べれば楽なもので、直ぐに終わり8:30には回線チェックとカメ調を行うことが出来ました。
 そして、打ち合わせが終わり、10:00頃から収録開始。
 ………………。
 …………………………zzzzzz。
 ぅっ……、眠気が襲います。
 ボウリングは久々でしたから、見ながらルールを思い出しましたが、一ラウンド(?)10フレームで、1フレーム2回投球……というものだったと思います。(すみません、あまり詳しくありませんので…)
 それを選手12名(?)総当たりでポイントを競う形態で、兎に角ひたすら投球です。
 カメアシの本番の仕事中は、名目上はカメラのケーブルを捌くことですが、まず以てカメラが動きません。
 カメラの横で、座って、ケーブルも床に置いてしまって、只ひたすら眠気に耐えます。
 事前に、ベテランのカメアシさんが「ボウリングは大変だよ。眠くなるから…」と仰っていたのですが、冗談ではありませんでした。
 加えて朝早かったわけで余計にです。
 ふぅ〜っと意識が飛んで…………しかし「ガシャガシャン」というピンが倒れる音で現実に引き戻される……という繰り返し。
 実に朝の10:00〜17:00までひっきりなしです。 
 昼休みや昼食時、というものもなく、カメラマンもカメアシも、自分たちでシフトを組んで、適当な時間に交代して昼食を摂ったり、休憩します。
 
 今日の収録中で面白かったことは、カメラマンの腕やクセの違いが間近に見えたことです。
 といいますのは、普段ですと一度収録が始まるとカメラとカメラマンは一対で固定され、人が入れ替わる…と言うことはないのですが、今日はカメラマンがカメラ台数以上に現場に来ており、ローテンションで常に2人ほどが休憩して、そして担当カメラも交代していくという方式がとられていました。
 そして、さらに会場のモニターには収録している映像がそのままラインアウトでモニタに映し出されていて、今どのカメラのどの映像が使われていて、裏切り(SW側で映像を選択するのではなくて、VTR側で画を選択しておく事)にはどのカメラが使われているのか…というのがリアルタイムで見られました。
 そのため、私がついたカメラのカメラマンがどういう動きでどういう映像を撮っているのかが目の前にして分かるわけです。
 一見すると同じように見えるのですが、寄りのサイズが違ったり、フォローのタイミングが若干違ったり、フォーカスを上手く行き過ぎないで合わせる先輩もいれば、毎回フォーカスを送りすぎて、戻している先輩がいたりとかで、勉強になります。

 私のついたカメラは、選手の投球をフォローするカメラで、手を離れる前からピンを倒すまでずっとボールをフォローします。特に、投げる直前にボールに勢いをつけるために、腕を後ろへ大きく振りますが、その時のボールの動きからフォローするわけで、このあたりのフォロー力はスポーツカメラマンならではと言えます。
 そして、前へ勢いよく放たれたボールをフォローしながら合焦。
 流石はプロです。
 この程度は、ゴルフや野球などと比べると100%のフォロー率のようです。
 一方の私は「こんな事、自分も出来るようになるのかなぁ」と思いながら、眠気と戦っていましたが……。

 決勝戦も無事終わり、優勝者インタビューが終われば即撤収モードです。
 30分もあれば片づくセッティング内容でしたので、直ぐに現場を引き払うことができました。
 本日の終業は21時。
 先輩の話では、今日のボウリングは極めて順調なスケジュールで流れたそうです。
 なお、ボウリング中継は滅多にありませんので、日記にボウリングの話題が出てくるのは今年はこれが最初で最後かもしれませんね…。

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■2003年07月22日(火)  ENGさんとは、機材庫が一緒なんですよね。
今日の仕事は、いつもとちょっと違って新鮮味がありました。

 ご存じのように私は中継技術部のカメラマンとして辞令を賜っており、現在は中継技術部でカメアシとして日々働いているわけですが、今日は他部署のお手伝いでした。
 その他部署とは「ENG」。
 当サイトを御利用の方なら説明は不用かと存じますが、念のため「ENG」とは何か説明しておきます。
 ENGとは「Electric News Gathering」。日本語にすれば電子的取材とでも言いましょうか。これは、そもそもかつてのニュース素材がフィルムによって収集されていた事に対する変化を表し、区別した用語であり、現在では極々当たり前のビデオカメラによる取材体系を指しています。
 
 さて、少々時期をさかのぼりますが、7月上旬に出た私のシフト表上では、本日はバラエティー番組の録画中継の仕事となっていました。
 しかし、先週末に急遽「ENG」と変更になっており、早速シフターさんに事情と内容を問い合わせてみたところ、ENGのベテランカメラマンからのご指名によるものだそうで、何とか入って欲しい…という事だったようです。
 こう書くと格好良く聞こえますが、事実としては上述の通りですが、真実としては「ENGサイドでカメアシが足らず、且つ中継では丁度この時期は仕事が少ないから」というのが理由ではないかと思います。
 尤も、「中継以外の仕事も体験するべきだろう」というENGカメラマンのご意向もあったのだと勝手に思っています。

 とにかくそういうことで、今日はENGのお仕事。ENGのカメアシです。オンエア局限定のCM撮影です。
 はっきり言って、めちゃくちゃ楽しみでした。
 ENGで仕事が出来ると知った瞬間から、嬉しさがこみ上げてきて止まりません。
 何故でしょう。
 理由は簡単です。
 この映像業界で一番やりたい仕事が他ならぬ「ENG」だからです。
 考えてみると、アマチュアがやっている映像活動で、プロの世界に一番近い体系をとっているのがENGです。
 そして、アマチュアが業界外からでも勉強する素材や機会が一番多く提供されている分野がENGです。
 特に、専門誌がENGを主体としている記事を書いていますから、何かとプロカメラマン=ENGカメラマンという連想がしやすいわけです。
 かくいう私も、ENG体系のアマチュア活動を切っ掛けとして、憧れて入ったこの世界です。

 カメラは少し古いですが見慣れたBVW-400(A)。中継では見慣れないBVP-900とかHDC-750とかの世界ですが、ENGのカメラは何故か親近感がわきます。
 オーディオレベルメータの下には、ガムテープの上にマジックペンで「NDF」と殴り書き。意味も理由もお解りですね。
 
 今日は、カメラマン一人に、音声マン一人、照明専門業者から一人に荷物持ちとしてのカメアシたる私が一人、そして、制作陣が数名というスタッフで、つまり技術系は私を入れて良いならば4名です。
 昼過ぎに、神戸に入りCM撮りを行うお店へ機材を入れます。
 そして、絵コンテに沿って撮影開始。
 私は、三脚を伸ばしたり、ケーブルを這わせたり、グレースケールを持ったり、バッテリーを取り替えたりという、まぁその辺は普段のカメアシと同様の仕事です。
 しかし、制作陣の顔が見え、技術も少数で動くという環境が、なぜだか安心感を覚えます。
 
 勿論、今はとにかくも中継技術のカメマンとして身に付けたい技術が山のようにあります。
 特に球フォローの技術は、スポーツカメラマン最大の腕の見せ場ですし、他の部署では習得できない技術だと思います。
 私の会社の場合、多くのカメラマンが中継技術を経由して、各部署のカメラマンとして活躍されておられます。そして時々応援で、日頃はスタジオのカメラをしている方がゴルフ中継でなどに呼ばれるのですが、地上50mのクレーンの上で球フォローをやってのける姿を見せられると、その格好良さにシビれます。

 今はまだカメラマンとしての技術は何も持っていないアシスタントの身ですが、いずれカメラを自分でも振り始め、その中で技術や役割を習得し、そして且つ自分の撮りたい映像がENGの体系の中にあるようであれば、いつかはENGカメラマンを目指してみたいと考えています。

 明日も、今日と同様にENGカメアシです。
 この機会を大切に、勉強してきたいと思います!
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■2003年07月23日(水)  今日は某ビデオ雑誌の発売日。
 本日も、昨日同様ENGカメアシとして、CM撮影の現場へ。
 このCM、出演者は全員素人で、撮影に使っているお店の店員さんとその常連さん。
 特に常連さんはエキストラとしてわざわざ衣装を選んで化粧などもして出てきて下さっているようで、そしてまた関西人のノリの良さが手伝って、楽しい撮影現場となりました。

 このCMは、某球団の躍進に乗っかったデザインを採用した焼酎のCMで、その焼酎と某球団の勝利を掛けた内容のもの。
 何度も何度も台詞や、動作、そしてエキストラの雰囲気などでNGが出て取り直しがありましたが、最後まで楽しい雰囲気で収録を終えることが出来ました。

 私の仕事は昨日と同じです。ただ、昨日よりももう少し仕事が出来るようにと、昨日の動きを思い出しながら、昨日よりは半歩ぐらいは早く仕事をこなせたのではないかと思います。
 また、映像収録ではなく音声収録の為にですが、この業界に入ってから初めてRECボタンを押しました。CMの背後で常に流す現場の音の集音を行ったのですが、その際にカメラマンから「回しておいて」と頼まれたので、私がカメラを回したり止めたり。
 画のことは考えなくても良く、音は音声マンが録っているので何も大層な仕事ではないのですが、カメラの傍に付いているのは私だけでしたので、「音声入力は1chでLINEになっているか。そもそもテープは回っているのか??」と、必要以上に確認しました(汗)
 しかし、この様な状況に直面して思ったのは、アマチュア時代から興味だけでも持って色々と勉強し、シミュレーションしておいて良かったなぁ〜ということです。
  
 どういう事かというと、実は私のような「予備知識」を持って業界に入ってくる人というのは結構少ないものです。現に、同期の大阪組には誰もいませんし、東京の同期に一人いるぐらいです。
 この時期ですから、全くの無知からこの業界で仕事していても、中継なら中継の機材の扱い方というのはもう覚えられる頃ですね。
 しかし、ENGと中継機材は似て非なる部分が多々あります。
 カメラ部に関しては同じなのですが、ENGではVTRと音声がありますから、中継だけの知識では対処できません。
 中継の場合は、VTRを回す時でも中継車の中でVTR課が、音声の収録は音声課が行いますから、ENGのそれとは違います。
 ですから、今日のようにいきなり音声収録のためにカメラを回すとなると、特に音声入力の点で戸惑う…というよりは理解できないはずです。
 一方私は、紙面上でのシミュレーションから実機による経験が学生時代にありましたから、何をどうすべきかということは判断できますので、あとはその通りに出来ているか…ということを確認するのみです。
 無論、今日の仕事は、基本中の基本ですが……。

 以前から言っているように、私は社内では、この様なサイトを開いていることも学生時代から映像の世界にとっぷりと嵌っている事も秘密にしています。
 ですが、知っている物は知っているのですから、部分的には教えられなくても分かっているところ、出来てしまう部分はあります。
 それを、何の疑問も持たず流してしまう先輩方が多いですが、中には「お前、なんで出来るねん?」と不思議がる先輩もいらっしゃいます。
 そういう時には、「実は学生時代に『少々』」と弁明しますが(笑)
 今日の場合は、前者で当たり前のようにカメラマンが私に頼まれ、私も当たり前のようにこなすという結果でした。

 撮影はスケジュール通りに進み、19:00前後に無事終了。撤収。
 明日・明後日は休みで、休みが明ければいよいよ高校野球の中継が始まります。
 中継は中継でまだまだ覚えなければならないこと、クリアしなければならない課題が山積みですが、また機会があれば是非ともENG部のお手伝いをしたいです。
 なお、すでに8月上旬に、ENG部が行う某飲料メーカのCMの仕事についています☆ 

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■2003年07月26日(土)  寝不足
 2連休も明け、今日の仕事は「料理番組」の収録。
 この料理番組については、当日記の[2003年06月07日(土)]をご参照頂きたいのですが、この番組につくのはこれで2度目となります。
 この7月はじめに、3度目になるバラエティ番組についた際に、全く「出来てなかった」己自身を反省し、今回の料理番組ではしっかりと予め何をやるべきだったかを思い出してから現場に挑みました。
 まず、前回……つまり初めて就いた時のこの料理番組の「番組下見報告書」をファイルから探し出して、セッティングの復習を。
 そして、他の番組との共通点と相違点を想起して、やるべきことのシミュレーションを行っておきました。

 そして本日。朝7時会社集合。
 前日の予定では朝の5時頃に起床して、準備して、6時半ごろに会社に行って、新人としての準備をして……という計画でした……。
 しかし…今回のこの料理番組に対する私のコンディションは最悪でした。
 実は、昨日はプログラマの松ケンが部屋に遊びに来てくれていたのですが、その所為ではないのですが、夜、ベッドに潜り込んでもどうも寝付けず(松ケンはずっと一人でACCで発表予定のプログラムの開発か、本棚に放ってあった量子力学の本を読んで問題を解いているか……と一晩中起きていました…)、結局うとうと出来たのが朝の5時前。
 結局30分ほど寝ただけで、会社へ向かいました。
 
 この料理番組の仕事は本当にしっかりと寝ておかないといけないことは分かっていました……。
 前回の経験からもこの番組収録は「14時間労働」となることは必至だったからです。
 ……そして、やはり…予想通り、本日の終業時刻は21時。
 特段、今日は何か失敗などをしたわけではありませんでしたが、しかし昼飯を食べたころから睡魔が間断なく襲ってきました。
 幸いなことに、先日のボウリング中継と違い、収録中に結構仕事がありましたので、そのまま眠ってしまう…と言うことはありませんでしたが、しかし立て膝をついて待機している時に何度かふらついてしまったことはありました。

 今は究極的に眠いです。
 明日、明後日は再び休暇です。
 さてはて……この連日の休暇のしわ寄せはどこに来るのでしょうか………。

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■2003年07月29日(火)  まだまだダメな自分が……(涙
 いよいよ夏を象徴するあの時期がやって来ました。
 そうです、高校野球。
 大阪は、明日からようやく準々決勝が行われまして、本日はその中継のセッティング作業でした。

 さて、本日の反省。
 今日は、セッティングだけで時間的には余裕があるということもあり、私はテストを受けることになりました。
 もちろん、なにか会社的な正式なテストというのではなくて、現場的な「おまえはどれぐらい成長しとんねん?」という実力テストのようなもの。
 課題は「ゼロからデカカメを組み立てる」
 早速、三脚を立てるところから始めます。
 しかし、最初から最後まで“ダメだし”の連続。
 基本的な組み立ては確かにできるのですが、細かなところでケアが行き届いていない……という具合です。
 たとえば、カメラヘッドやレンズを三脚に乗せるとき、フリクション(雲台)をどの方向に回しておくか…とか、バックフォーカスを調整する際の被写体の選択(今回は被写体までの距離)とか……そういうことです。
 多くの点で見よう見まねで、やって来ていましたが、いざじっくりと監督してもらうと、穴だらけの知識(作業)ということがわかりました。
 そして、それらの「穴の部分」というのは実に重要で、特に現場に置いて様々に事故を起こさないための工夫や留意点であるということが学べました。
 今回見てくださった(テストを言い出された)先輩は大ベテランのカメラマンで、特に厳しい方でしたので、これ以上ないほどに細かな部分まで指摘してくださりました。
 なお、今回の結果では「失格」
 しかし、「なるほど、ここまで考えて作業すれば、事故も防げるし最も合理的で安全だ」といえる手順や要点を得ることができましたので、次回以降の作業には活かしていきたいと思いますし、活かしていかないといけません!

 そんなこんなで、今日は“イケてなさすぎ”の自分に深く反省しつつ、明日からの高校野球中継に挑みたいと思います。

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■2003年07月30日(水)  迫る!
 近づきつつあります。カメラマンとしてデビューする日が。
 
 今日はいよいよ高校野球大阪地区大会の準々決勝試合日。
 大阪準々決勝は、二つの球場に分かれて行われているのですが、私の担当は某F球場。
 セッティングは昨日行ったとおりですので、今日は朝から回線チェックを行って、カメ調を行うのみです。
 そして、今日の本番中の私のポジションは「放送席カメラ」。
 その名の通り、放送席の顔出し用のカメラで、実況と解説者を撮すカメラです。
 カメラはHDC-750。ただし、今回の放送はSDです。
 カメラを三脚に据え、さらに照明を組みます。
 照明を組むのは今回が初めてでしたが、先輩方のアドバイスを受けながら特に問題なくセッティングを終えました。
 この放送席カメラですが、常に解説者などを撮しておくのではなく、中継車用に試合中は球場内のSBO表示をフィックスで押さえておきます。(※SBO:ストライク/ボール/アウトの表示のこと)
 そして、OPやED、あるいは五回目が終わったあたりでのみ、顔出しがあるのでそのときにカメラを解説者二人に振ります。
 ですから、ほとんど防犯カメラ程度の仕事ですが、しかしそのカメラを振るのは私で、その映像が実際のオンエアに使われるのですから、とりあえずはカメラマンデビュー……です。

 さて、セッティングも終わり制作と技術の打ち合わせが始まります。
 しかしながら、その打ち合わせで判ったことは、「今日は顔出しがない」ということ…。
 つまり、私の仕事はありませんでした。
 
 打ち合わせ終了後、照明を片づけて、そしてカメラを放送席の窓越しに遙か見えるバックスクリーンのSBO表示へ向け……以上です。
 試合中は、インカムをつけて中継車と出先のやりとりを聞いたり、リターン映像をみてカメラの動きを勉強していました。

 本日の試合は第一試合が三時間台の長い試合となり、対して午後からの第二試合はコールドゲームが成立し6回裏で終了。
 午前中はしんどく、午後からは比較的楽な収録となりました。

 明日は、いよいよ準決勝。さらに生中継です。
 間違いなく放送席も顔出しをするでしょうし、そのカメラの担当は私なると思います。
 ちょっとドキドキしています。
 関西地区にお住まいの方は、某チャンネルの大阪大会準決勝の試合の模様をご覧いただいていれば、私の振っているカメラの映像を見ていたくことができると思います(笑

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■2003年07月31日(木)  オンエア!
 今日は私が決めた画角の映像が初めてテレビの電波に乗ってオンエアされた日となりました。
 確かに私の中では記念すべき日なのかもしれませんが、しかし今日をカメラデビューの日とするには、少々納得がいかないものがあります。
 それは、昨日も書いたようにこの放送席カメラは防犯カメラぐらいの働きしかしないからです。
 その証拠に、今回の下見報告書におけるカメラマン割の欄には「CA君」と記載されており、カメアシであれば誰がやっても良いという有りようです。
 実際、カメラは「顔出し」の時も完全フィックスで、画を動かすことはありません。

 とは言うものの、やはり緊張するものがありました。
 私の撮った画は合計して役60秒程度。第一試合と第二試合でのそれぞれ冒頭での顔出しと、一部CM明けでのスコアボードの抜き画です。
 インカムと放送席のディレクターからの「CM明け10秒前です。…8、7、6、5、4、…、…、…」で自分が覗いているカメラのビューファーに赤いタリーが点ります。
 リターン1を見ればもちろん自分の映像、そしてリターン2には今オンエアされている状態の、私が撮っている画に解説者の字幕名前スーパー付きの映像。
 間違いなく、自分が撮っている画が少なくとも関西圏の家庭のテレビに映し出されているわけです。

 確かに感慨深い瞬間ではありましたが、しかし今日を「宏哉のカメラマンデビュー日」とは制定したくありません。
 では、一体いつが私のカメラマンデビュー日として相応しいのでしょうか?
 実は、すでに確定しているのです。
 それは、今夏の甲子園での高校野球(全国高校野球選手権大会)です。
 そこで、私はカメアシとしてではなくカメラマンとして仕事をすることになります。
 担当は「応援実況」。
 まだ詳しくは内容を聞いていないのですが、アルプススタンドでの応援の模様をハンディーカメラを担いで撮影する仕事になると思います。
 もちろん、生中継です。

 去年まで夏休み中、クーラーの効いた涼しい部屋で、テレビの画面で見ていたあのスタンドの人々の熱い声援と眼差しを私が捉えることになるのです。
 これは実に不思議な気持ちです。
 そして、当然のように今後、十数年から数十年間……少なくとも中継技術に私がいる限りは、私に「お盆」はやって来ません。
 お盆に親類縁者が集まって、座敷の席で甲子園がテレビ画面に映し出されていたことは、人生23年間が証明してくれるのですから間違い有りません。

 今年の夏、高校野球中継における映像の数カットは私が撮っているものだと思って見ていただければ例年とは違う楽しみ方が出来るかもです(笑
 きっとすぐ判るはずです!! テンパッてる画が私のに違い有りませんから!
030731.jpg 550×413 36K

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